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.争いごとなんて無理っ!絶対無理っ! 8
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「マナ様ぁ、ご無事でさね?」
「ジジ? 今の俺見て無事だと思うわけ? うぇっ、また吐きそう……っ」
ジジも無事だったのはよかった。けど口開いたら臭気吸い込むし、吐いたものと血が口の中でまじって、気持ち悪いったらない。
俺がげーげー吐いてるのに、俺を抱えた獣は離そうともしない。
あ、だめ。また吐くっ!
「ハオ様が、正気に戻られている……」
「え? ハオ? 帰ってきてるの? どこ?」
あれ? そういやさっき誰かに名前を呼ばれた気がしたけど「マナ」って呼び捨てだったな。俺のこと呼び捨てにするのは、ハオしかいないし、なんとなくハオの声にも聞こえたけど……。
「なにを言ってるんですか? 目の前にいるじゃないですか」
「目の、前?」
だって俺いまあの獣みたいなヤツに抱えられて……。
ゆるんだ腕の拘束に、ゆっくり顔をあげる。
ぐるりと巻いた大きな角、離れた目、けむくじゃらの顔はもう黒くなった血がこびりついてる。
やっぱり獣じゃん! あれだ、悪魔崇拝の儀式とか、そういうあれ!
無理っ! 怖すぎっ!
イヤイヤともがいて逃げようとしたら、またガラスを踏んでしまった。
「いったーーーーっ」
痛みに叫ぶと、獣は俺を持ち上げてべちゃっと身体が密着した。
ひぃぃ。
もう叫ぶことも出来ない。
ヘダに捕まるのもイヤだけど、食べられるのはもっとヤダ。
絶体絶命のピンチの中、俺のフトモモになにかモゾモゾと動く硬いものが当たった。
ん? なんか覚えがある……。
「この丸太……。もしかして、ほんとにこの悪魔がハオなの?」
「ナニで認識できるのですね、クククッ。そちらは正真正銘、ハオ様です」
「でも、頭! 角生えてるし! モジャモジャだし! さっきからなんもしゃべんないし!」
もしかして、人外だったの?
獣頭になったからしゃべれないとか?
「それは狩りのときの頭巾です。しゃべらないのはおそらくまだ戦闘態勢から完全には戻られていないのかと……」
「戦闘態勢? でもさっき、俺の名前呼んでたぞ」
「珍しいですね。ハオ様はいつも数人オンナを抱き潰してからでないと、お戻りにはならないのですが」
ハオは俺を抱いたまま、ふーふーっと荒い息をしていた。フトモモにあたるチンコも、ビクッビクッってそこだけ別の生き物みたいにうごめいている。
「マナ様を抱き潰さんように、耐えておられるんでさぁな。ロウ様もよくおさないサイを壊さんように、ご自分で鎮めておられましたな、ヒヒャッ」
いやらしい笑い声をあげたジジに、ガラス片が飛んだ。
「余計なことはいいんですよ」
「ヒヒャッヒャッ! 親子っていうのは似るもんでさぁ」
ほんのすこしの動きでガラス片を避けたジジに、サイがにらみをきかせたが、ジジイはまったく気にも止めずに床を掃除しはじめた。
「え? でも俺ずっと聞いてたけどハオが帰ってきたの、わかんなかったんだけど」
どういうこと?
「ジジ? 今の俺見て無事だと思うわけ? うぇっ、また吐きそう……っ」
ジジも無事だったのはよかった。けど口開いたら臭気吸い込むし、吐いたものと血が口の中でまじって、気持ち悪いったらない。
俺がげーげー吐いてるのに、俺を抱えた獣は離そうともしない。
あ、だめ。また吐くっ!
「ハオ様が、正気に戻られている……」
「え? ハオ? 帰ってきてるの? どこ?」
あれ? そういやさっき誰かに名前を呼ばれた気がしたけど「マナ」って呼び捨てだったな。俺のこと呼び捨てにするのは、ハオしかいないし、なんとなくハオの声にも聞こえたけど……。
「なにを言ってるんですか? 目の前にいるじゃないですか」
「目の、前?」
だって俺いまあの獣みたいなヤツに抱えられて……。
ゆるんだ腕の拘束に、ゆっくり顔をあげる。
ぐるりと巻いた大きな角、離れた目、けむくじゃらの顔はもう黒くなった血がこびりついてる。
やっぱり獣じゃん! あれだ、悪魔崇拝の儀式とか、そういうあれ!
無理っ! 怖すぎっ!
イヤイヤともがいて逃げようとしたら、またガラスを踏んでしまった。
「いったーーーーっ」
痛みに叫ぶと、獣は俺を持ち上げてべちゃっと身体が密着した。
ひぃぃ。
もう叫ぶことも出来ない。
ヘダに捕まるのもイヤだけど、食べられるのはもっとヤダ。
絶体絶命のピンチの中、俺のフトモモになにかモゾモゾと動く硬いものが当たった。
ん? なんか覚えがある……。
「この丸太……。もしかして、ほんとにこの悪魔がハオなの?」
「ナニで認識できるのですね、クククッ。そちらは正真正銘、ハオ様です」
「でも、頭! 角生えてるし! モジャモジャだし! さっきからなんもしゃべんないし!」
もしかして、人外だったの?
獣頭になったからしゃべれないとか?
「それは狩りのときの頭巾です。しゃべらないのはおそらくまだ戦闘態勢から完全には戻られていないのかと……」
「戦闘態勢? でもさっき、俺の名前呼んでたぞ」
「珍しいですね。ハオ様はいつも数人オンナを抱き潰してからでないと、お戻りにはならないのですが」
ハオは俺を抱いたまま、ふーふーっと荒い息をしていた。フトモモにあたるチンコも、ビクッビクッってそこだけ別の生き物みたいにうごめいている。
「マナ様を抱き潰さんように、耐えておられるんでさぁな。ロウ様もよくおさないサイを壊さんように、ご自分で鎮めておられましたな、ヒヒャッ」
いやらしい笑い声をあげたジジに、ガラス片が飛んだ。
「余計なことはいいんですよ」
「ヒヒャッヒャッ! 親子っていうのは似るもんでさぁ」
ほんのすこしの動きでガラス片を避けたジジに、サイがにらみをきかせたが、ジジイはまったく気にも止めずに床を掃除しはじめた。
「え? でも俺ずっと聞いてたけどハオが帰ってきたの、わかんなかったんだけど」
どういうこと?
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