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.風呂に入れないなんて無理っ!絶対無理っ! 4
しおりを挟む昼間ジジに聞いたことを考えながら、俺はベットの上でゴロゴロしていた。
あれで、年下? 二十歳?
見えない、全然見えない。
もしかしたら一年の長さが違うのかと思ったけど、ジジに聞いたら一年は360日だった。
俺より七歳以上年下……あれで?
偉そうだから? デカいから?
あ、日焼けすると肌の老化が早いって言うからそういうこと?
日中は雲ひとつなくてカンカン照りだもんな。
漁師は老けてみえるっていうし。
あ、海はないんだっけ。
マグロも食えないのか……。あいつマグロ知らなかったもんな。
世界の覇者なんて言うけど、めちゃくちゃ狭いよな。
三方を山に囲まれて、南は魚もいない海。
フッ……覇者って言っても大したことないな。
「なにが大したことないんだ?」
「うぎゃ! いきなり話し掛けるなよっ! って俺また声に出てた?」
「あぁ、しっかりとな」
昼間、なにしてるかは知らないがハオが戻ってきた。もう日が暮れてからだいぶ経つ。
ジジは夕飯の時間になると俺の分を用意してさっさと帰ってしまった。
夕飯っていっても、まだ腹壊してるからお粥みたいなドロドロした液体だけ。しかも、マズイ。
味がないんだよな。
せめて塩でもあれば、食えなくもないんだけど。
ひとりで飯食って、やることもないからゴロゴロしていたわけだ。
体感で言えば二時間くらい。
ハオはコートというかマントみたいなのを脱ぐと、その辺に放り投げた。
なんか、生臭い。
よく見たら、顔が血だらけだった。
「ひぁぁっ!!! なんだよそれ! ケガしたのか?」
「俺が、ケガ? するわけないだろう。これは返り血だ」
肩口で雑に拭ってる。返り血ってなにっ?
ヤダもう怖いー!
「さっきレンが勝利した。これであいつも子が作れる」
「それって、闘技場のこと? 返り血ってことは、その人、殺したの……?」
「いや、死んではいない。腕が一本なくなっただけだ」
それだって死ぬだろっ!
野蛮だ。ただでさえ人口少ないのにこんなことしてたら、覇者になる前に仕える人間がいなくなるぞ?
「そういや、あんたは殺したんだよな? 前の首領を」
「それが決まりだからな」
「育ててくれた人を殺すなんて、どうかしてる!」
「……衰えて役に立たなくなれば、死ぬのは必然だ。それにロウは、俺を覇者にするために育てた。その俺の手で死を迎えることを、喜んでいたぞ」
ロウっていうのが前の首領の名前か。でも、殺されて喜ぶやつなんているか?
衰えたからってジジみたいに働けばいいじゃないか
「わかんない……。わかんねぇよそんなこと……っ」
「そんなことより、もう体調は回復したんならヤるぞ」
「……っ! ヤらねぇよ! 今の話で胸くそ悪いから無理っ! 寝るっ!」
実際、胃がムカムカしてきたし、腰だってケツだってまだ全開じゃない。回復したからってヤらねぇけど!
「……仕方ないな。心を手に入れるには信頼を得なければならないのだったな」
そう言ってハオは素っ裸で俺の――もともとはハオのだけど――ベッドに入ってきた。
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