世紀末な転移先で覇王に捕まりました〜この世界で生き抜くなんて無理っ!絶対無理っ!〜

三谷玲

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.男に抱かれるなんて無理っ!絶対無理っ! 6

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「嫌なら、無理矢理いれることになるが?」
「……いれないって言う選択肢はないのかよ」
「ないな」

 そうか、ないのかー。
 どうしてこんなことになっちゃったかなぁ……。
 地獄のような十三連勤。三日間の社内缶詰め。
 ただ俺は、家に帰って風呂に入りたかっただけなのに。
 俺を吹っ飛ばしたトラックのおじさんだってきっと、したくて居眠りしたわけじゃないんだろう。
 だけど、だからってこんなわけのわからない世界に飛ばされて、ゴツイ男に犯されるなんて。

「……なんで俺なんだよ」

 そうだよ、なんで俺なんだよ。男しかいないのか、女が少ないのかは知らないけれど、俺じゃなきゃいけない理由なんてないだろ?
 異世界トリップの定番だとしても、魔法があるような世界には思えない。どっちかというと原始的、いやまさに世紀末っぽい世界だ。呪文か秘術かなにかで召喚されたわけじゃなさそう。
 たまたま飛ばされて落ちてた俺をモヒカンが拾って、連れてこられただけなのに。

「お前が、アンダーウォーカーだからだ」

 さっきも言ってたな。
 アンダーウォーカー。
 直訳すれば下を歩く人か? 地底人でもいるのか?

「なんだよ、それ」
「百年に一度現れるという、手に入れた者は世界の覇者になれるという伝説の生き物だ」
「俺がそれだっていうわけ? 俺はただのサラリーマンだぞ。なにを根拠にそんなモノだと思うんだ?」
「この、白い肌だ」

 ぞわぞわっと背筋に寒気が走る。
 ハオの黒くて太い指が、俺の首に触れたからだ。
 白いって言っても俺は日本人の普通の肌色だ。

「シミやキズのない、きれいな肌だ」

 そりゃインドア派だから日焼けもしてないし、シミらしきものもまだない。大きな怪我もしていなからキズだってない。
 首筋から、シャツがはだけた胸元、破かれたズボンまで一直線に指が下りてくる。

「伝説の通りだ」

 一通り確認をして、ハオは俺を見た。
 あの魔王の間みたいな部屋にいた人たちが、従うのもわかる。
 有無を言わせぬ、強い目をしていた。

 ハオがどろりとした油を掌に垂らす。
 俺には為す術がなかった。

 
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