二十代最後の最低最悪波乱万丈な私の十二ヶ月

三谷玲

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逃げゆく二月は諸行無常

二月二十一日(土曜日)

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 やっと弘也の荷物が、片付いた。
 会話したくないから、なんにも手伝わなかった。その間、することもないので録画しておいたドラマを見てた。
 特に面白いとも思えないのに、画面から目をそらすことなく。
 最後に鍵を受け取っておしまい。
「棚、分解しといてくれたの助かった。大変だっただろ?」
 下を向いて首を振るわたしはどう見えたのかな。
 じゃ、元気でって。

 元気だよ。別にどこも体調悪いわけじゃない。
 ご飯は美味しいし、これからやりたいこともたくさんあるし。
 今夜の夕飯はパスタにしよう。
 商店街で買ったキノコたくさん使って、バター醤油の和風パスタ。
 弘也が食べられないから買わないでいた、青紫蘇もやまもり乗せて、スープもつけよう。

 これで終わり。おしまい。
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