二十代最後の最低最悪波乱万丈な私の十二ヶ月

三谷玲

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逃げゆく二月は諸行無常

二月九日(月曜日)

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 弘也が出ていった。

 金曜日の夜、この頃土曜はいつも休出なので「大変そうだね」って言ったら、耐えられなくなったみたいで突然弘也が爆発した。

 曰く、俺への愛情が感じられない。
 曰く、なんでも俺の言うこと聞いてつまらない。
 曰く、仕事が出来るのを疎ましいと思っていた。
 曰く、結婚意識しすぎてて一緒にいて辛い。
 曰く、お前のことはもう好きではない。
 曰く、好きな人ができた。

 まとめたらこんな感じのことを言われて、私の頭の中は真っ白になった。
「とりあえず、今日は自分ち帰るわ。残ったものはまた後日取りに来るから……」
 ってその日は出ていった。
 週末もほとんど何も出来ずにいた。
 わたしの何が悪かったんだろう……?
 毎日ご飯作ってるのに?
 言うこと聞くって別に間違ったこと言われた覚えはないし。
 結婚したいなんて言ったこともない。
 仕事が出来るってわたしが努力してるの見てたじゃない。

 なんで、なんで……? わけわか
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