原石の欠片たち

三谷玲

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諦められない男

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 ただただ好きだった。彼にとっては遊びでも、俺にとっては本気の恋だった。彼には本命の彼女がいて、ゲイでもなんでもなかったのに俺から告白し、彼女とのセックスの練習になるからと迫って、それ以来身体の関係が続いていた。彼女とは上手くいっているらしいが、こうして俺を呼ぶのは彼女とのセックスでは味わえない過激なプレイを求めるためだと言われても、俺は彼との関係が断ち切られないことに喜びを感じていた。
 だからってコレはちょっと無理かもしれない。

 彼は俺を後ろから抱えたままベッドに座った。当然俺は素っ裸だ。彼の足は俺を押さえつけるように絡まり、俺の腕ごと抱きしめるとその先にある俺の乳首に指を差し込んだ。さんざん彼に触れられてきたのにいまだに陥没している乳首。ローションで濡れた指はすんなり入ってまるで挿入してるかのように前後した。

「こんなに弄ってるのになんで陥没したまんまなんだろうなぁ」
「し、知らないよ」
「恥ずかしがってないで早く出ておいで」

 子供をあやすような言葉に羞恥が増した。彼は気が済むまで指を出し入れすると今度は乳輪を摘まんだ。押し出されるようにして俺の乳首がぴょんと飛び跳ねると泡立ったローションがまるで母乳のように飛んだ。

「おっぱい出たなぁ」
「ちが、うからっ」
「乳首だけでイけんじゃない?」

 濡れた先っぽがひんやりとした空気に触れるだけで、ビリビリとした快感がそこに集中した。乳輪から先っぽまでを扱くように擦られていく。押さえつけられているから快感を逃すすべも、暴発しそうなちんこも、何も出来ない。

「ちょ、そこばっか、やめっ!無理だって」
「諦めたらそこで試合終了って言うじゃん?」
「それ、絶対、意味違っ♡も、やっ♡」

 腰に当たっている彼のちんこだって熱く硬くなっているのに。上下に扱いたかと思えば今度は二本の指でぐにぐにと挟まれた。時折先端をつつかれてローションの糸が引いた。

「もうちょっと、頑張って、ね」
「あっ♡無理っ♡ダメ、それっ♡あっ♡あぁっ♡」

 陥没していた乳首を戻すように強く押し込まれ、またそれを跳び立たせ俺の乳首が出たり入ったり。彼の指だけでなく自分の肉にまで扱かれてる気分だ。
 イキたいと懇願しても止まない乳首への愛撫。俺の尻に触れる彼の熱い塊。耳元に掛かる彼の息づかい。
 彼の爪が俺の乳首をカリッと掻く瞬間、恐ろしく低く小さな声が耳を通り過ぎた。

「イけ」

 乳首だけでイくなんてやっぱり無理だ。だって今のは彼の声でイったのだから。
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