原石の欠片たち

三谷玲

文字の大きさ
上 下
31 / 45

記憶のないキスはノーカンです

しおりを挟む
 ちょっとした出来心だった。

『性欲10倍! 貞淑なあの子もこれでメロメロ♡ ラブポーションR』

 アダルト動画に出てきた広告。いつもならこんなの目もくれないけど、そのときは気の迷いというか、まぁ好きになったアイツはお堅い公務員で、未だに口説けもしなかった。たまに、一緒に家飲みする仲。友人止まり。
 久しぶりの家飲みで混ぜてみた。犯罪? 知るか、こっちも限界なんだよ。普段、しっかり者の彼が酔っては可愛くなるギャップに耐えてるんだ。

 いつもより酔いが早いのか、呂律の回らなくなった彼。

「んー、今日もな、クレームおじさんが来てな。あのおじさん、人のケツばんばん、叩くんよ。まだちょっと痛い……」

 うらやまけしからん! まだ俺もさわったことないのにっ!

「腫れてんじゃねー? 見てやろーか? ほら、ケツ見せてみ?」

 一瞬ためらった彼だったがもぞもぞとズボンを脱いだ。

「パンツも、脱がないと、見れなくね?」

 多分媚薬と酒のおかげで判断力が鈍ってんだろーな。俺の言葉に素直に従ってずるっとパンツを下ろし、まぁるい尻をこちらに向けた。

「どれどれ? んー、どこが痛い? ここ? それともこのあたり?」

 全く腫れてない綺麗な尻を隈無く揉む。はぁ男の尻だけど程よい弾力と硬さ。

「あんっ♡そんな、もみもみしな、いでぇ」
「確認だよ、確認。もしかして中のほうかな、痛いとこ」
「や、そこっ♡ちが、いたくな、っ♡んんっ♡」

 窄まりに親指突っ込んで割開いたらずっぽり指が入ってしまった。嫌と言う割に逃げる素振りもなく、むしろ尻を押し付けてくる。
 イケる!
 俺は媚薬の効果を確信し、その尻に顔をうずめた。

 抵抗らしい抵抗がないことを良いことに押し倒した頃にはもう前も後ろもグチョグチョ。まぁ後ろは俺の唾液とローションだけど。

「うわぁ枕もシーツもびしょびしょじゃん、そんなにいいの?」
「あっ♡あっん♡」

 正直さっきから何も言葉になってない。可愛い喘ぎ声ともっとと強請る声だけだ。相手が誰かも分かってないかもしれない。ギンギンになった俺の突っ込んでバックで突きまくると前から零れるのはもう白濁なんかじゃなくて透明になってる。

「あーもうわかんねーか、トンじゃってんねー」
「もっとぉ♡」
「こっちも飲まなきゃムリかなぁ~」

 さすがに俺も何度中に出したか分かんない。突くたびに俺のが漏れて泡立ってる。ポケットに忍ばせておいたラブポーションをぐいっと一飲みすると、下半身に血が巡るのが、分かる。うわ、これめっちゃクる。
 口の中に甘い味が広がって、脳を溶かす。
 あーめっちゃキスしたい。
 ムリヤリ頭をこちらに向けて唇を寄せたら、トロトロの彼の顔がにこりと笑った。

「好き、好きっ♡ちゅう、もっとっ♡あふっ♡あぁん♡きもちいぃっ♡好きっ♡」

 俺のことを好きだと言われたみたい。キスするたびに絞まるナカ。こんな姑息な手段で手に入る訳でもないのにと言う虚しさは、薬がかき消し、俺はドロドロ二なるまで彼を抱き潰した。

 朝、身体中に赤い痕を付けた彼に怒られながらもされたキスが俺たちのファーストキスにすることにした。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

屈した少年は仲間の隣で絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集

あかさたな!
BL
全話独立したお話です。 溺愛前提のラブラブ感と ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。 いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を! 【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】 ------------------ 【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。 同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集] 等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。 ありがとうございました。 引き続き応援いただけると幸いです。】

雄牛は淫らなミルクの放出をおねだりする

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。

石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。 ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。 それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。 愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。 この作品は他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

処理中です...