原石の欠片たち

三谷玲

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まな板の上の鮪(中)

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 泣き出した恋人の要領の得ない言葉から察するに誰かの入れ知恵でセックスに積極的でないと捨てられると思いこんでるようだ。バカな子ほど可愛いというが、本当に可愛い。

「仕方ないな」

 泣きじゃくる彼の蕾に指を這わせる。まだ少しキツい蕾。
 バカだな。閉じた蕾をゆっくり丁寧に開かせるのが俺の楽しみなのに。覚えてしまったから中を擦れば気持ちはいいだろうが、これではインスタントな快楽だけになるだろう。
 俺は愛する恋人にはたっぷりと愛を与えて存分に啼かせ、どろどろにさせたいのだ。
 そのまま尻を掴んで腰を突き上げた。
 
「あ、だめっっ、ぼくが、するのっ」

 イヤイヤと首を振って腰を上げようとするのをがしりと掴み固定する。上下すれば良いというわけではないのだと教えてやらないと。

「時間切れ。ほら支えてやるから、な?」

 掴んだ尻を前後に揺らしながら、前立腺を亀頭で刺激すると締め付けが強まる。震えるように収縮する蕾が俺を奥へと誘う。

「いぃっ、そこらめ、おくっ♡」

 時折突き上げては奥にある結腸付近をノックすると、愛しい恋人は腰をくねらせた。

「そう、上下だけじゃなくて、前後、左右に動かして。全体で俺を感じるんだ。分かるか? 自分の気持ちのいいところに当てるようにして」

 聞こえてるのか聞こえていないのか首をかくかくと縦に振り、自ら腰を揺らした。

「ん、でき、てる? 僕、ちゃんと」
「あぁ上手だ」

 毎晩毎晩気を失うまで抱いてるのに何が不安なんだ? 
 何も知らなかった彼に一から身体に覚えさせてきた。
 準備だって前戯のうち。だからシャワ浣も俺の手で行い中を綺麗にしてやって、それから毎晩抱いてるのに緩むことない蕾を舌で解し、指で拡げ、何か変調がないかと隅々まで確認している。
 くったりとした彼をベッドに運ぶと吐き出したくてうずうずしている可愛い陰茎をギリギリまで舐めてやる。もちろんその時だって蕾や陰嚢への愛撫も欠かさない。
 それと愛らしい胸の尖り。まだ小さいそこは蕾を刺激するとピンと立ち上がる。それを丁寧に指で撫で押しつぶす。そうするとまた蕾がキュンと締まって啼き声をあげる。
 指が四本しっかりと咥えられるくらいに拡げた蕾に俺の陰茎をあてがえば早く欲しいとばかりに花開く。
 挿入だって一気にして傷付けるわけにはいかないから、ゆっくり時間をかけて少しずつ。蕩けた顔に口付けて、胸の尖りを弾き、漏らしてしまわないよう陰茎の根元をぎゅっと握ってやる。
 ようやく全部納めてもすぐには動かない。蕾に馴染ませてやり俺の陰茎の形を覚え込ませる作業が必要だ。慣れない頃は呼吸も出来ず苦しい表情をしていたが、今では奥に到達するだけで中が痙攣するほど馴染んだ。痙攣が一段落したところで同じようにゆっくり引いて刺してを繰り返しだんだんとスピードをあげる。
 こうしてやっと連続絶頂し出すので俺もようやく本気で動ける。
 基本は正常位。顔が見えないのは寂しい。両足を肩に掛けてやり、なるべく負荷が掛からないようにと彼の腰を支えてやる。真上から突き刺すように出し入れすれば彼の陰茎も喜びの涙をこぼしだす。

 確かに騎乗位も悪くはないが思い出したらやはり正常位で終えたい。

「嬉しい♡もっと、きもちよく、なって、んっ♡んっ♡」

 馬鹿で可愛い恋人のおねだりに答えなければ。
 
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