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好き過ぎて好き過ぎて
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好き過ぎて好き過ぎて、彼を見つめることさえ出来ない。
白銀に染めた髪、両耳に開けられたピアス、緩められたネクタイに、胸元には彼のお気に入りであるシルバーのクロス。
授業中なら大丈夫だろうと見つめていると不意に横を向いた彼と目があってしまい、慌てて逸らすことはしょっちゅうだ。
耳まで赤くなってるのがバレてなければいい。
そう思っていた。
生徒会に入ったのは会長からの指名で入った俺の自称親友が、俺も一緒じゃないと嫌だと言ったからだ。
俺としては生徒会なんか入りたくもないし、彼とは親友でもなんでもない。
それなのに毎日くだらない言い争いをしている役員たちを横目に雑務をこなしていた。
しばらくして、俺は嫌がらせを受けることになった。
最初は些細なものだった。物を隠されたり廊下で突き飛ばされたり。しかし何も反応しない俺を見て徐々にエスカレートしていき、ついには役員の取り巻きに囲まれ手足を縛られ猿轡までされ、体育倉庫に連れてこられた。対峙する彼らが声高々に叫ぶ。
ーーーどうせ役員目当てだろ!
ーーー色目使ってんじゃねぇよ!
ーーー身体使って取り入って最低!
断じてそんなことはない。当然だ。
なんなら役員たちからも嫌がらせを受けて俺の腹にはいくつか痣が残ってるくらいだ。
ーーー制裁してあげるよ
その言葉とともに目の前に現れたのは、彼だった。
白銀に染めた髪、両耳に開けられたピアス、緩められたネクタイに、胸元には彼のお気に入りであるシルバーのクロス。
見つめることさえ出来なかった彼が目の前にいた。
取り巻きたちが立ち去り二人きりになると彼は俺の頬を殴りつけた。勢いのまま倒れ込む俺に彼の身体が覆い被さる。
引きちぎられたYシャツから見えるいくつかの小さな痣。それを見た彼の顔色は憤怒に染まった。
前戯もない。キスもない。
セックスなんかじゃなく、これは暴行と呼べるものだろう。
なのに、俺は彼を好き過ぎた。
痛みを伴う行為すら、彼に触れられる悦びに俺の身体はうち振るえ、歓喜した。
ローションで濡らしただけでろくに緩められることもなく尻の孔に彼が押し入った。
「ふざけやがって!お前なんか、クソっクソっ」
「んんっんーーーっ」
制裁という名の暴行を彼が行う理由は知らない。けれど彼の顔は怒りと悲しみと苦痛に満ちていた。
今なら彼を見つめていても、顔が赤く染まろうと許されるだろうか?
「はっ!こんなムリヤリでもイけんの?変態だな、ははっ」
「ん゛ーーーっ」
「何言ってるかわかんねーよ」
泣き出しそうな彼の顔に触れたかった。
何がそんなに悲しいの?
縛られた手ではそれすら叶わない。
猿轡されたまま鼻から血を流した顔をその悲しみに満ちた顔に触れたら、伝わるだろうか?
好き過ぎて過ぎて、この暴行という行為でさえ愛おしいことを。
白銀に染めた髪、両耳に開けられたピアス、緩められたネクタイに、胸元には彼のお気に入りであるシルバーのクロス。
授業中なら大丈夫だろうと見つめていると不意に横を向いた彼と目があってしまい、慌てて逸らすことはしょっちゅうだ。
耳まで赤くなってるのがバレてなければいい。
そう思っていた。
生徒会に入ったのは会長からの指名で入った俺の自称親友が、俺も一緒じゃないと嫌だと言ったからだ。
俺としては生徒会なんか入りたくもないし、彼とは親友でもなんでもない。
それなのに毎日くだらない言い争いをしている役員たちを横目に雑務をこなしていた。
しばらくして、俺は嫌がらせを受けることになった。
最初は些細なものだった。物を隠されたり廊下で突き飛ばされたり。しかし何も反応しない俺を見て徐々にエスカレートしていき、ついには役員の取り巻きに囲まれ手足を縛られ猿轡までされ、体育倉庫に連れてこられた。対峙する彼らが声高々に叫ぶ。
ーーーどうせ役員目当てだろ!
ーーー色目使ってんじゃねぇよ!
ーーー身体使って取り入って最低!
断じてそんなことはない。当然だ。
なんなら役員たちからも嫌がらせを受けて俺の腹にはいくつか痣が残ってるくらいだ。
ーーー制裁してあげるよ
その言葉とともに目の前に現れたのは、彼だった。
白銀に染めた髪、両耳に開けられたピアス、緩められたネクタイに、胸元には彼のお気に入りであるシルバーのクロス。
見つめることさえ出来なかった彼が目の前にいた。
取り巻きたちが立ち去り二人きりになると彼は俺の頬を殴りつけた。勢いのまま倒れ込む俺に彼の身体が覆い被さる。
引きちぎられたYシャツから見えるいくつかの小さな痣。それを見た彼の顔色は憤怒に染まった。
前戯もない。キスもない。
セックスなんかじゃなく、これは暴行と呼べるものだろう。
なのに、俺は彼を好き過ぎた。
痛みを伴う行為すら、彼に触れられる悦びに俺の身体はうち振るえ、歓喜した。
ローションで濡らしただけでろくに緩められることもなく尻の孔に彼が押し入った。
「ふざけやがって!お前なんか、クソっクソっ」
「んんっんーーーっ」
制裁という名の暴行を彼が行う理由は知らない。けれど彼の顔は怒りと悲しみと苦痛に満ちていた。
今なら彼を見つめていても、顔が赤く染まろうと許されるだろうか?
「はっ!こんなムリヤリでもイけんの?変態だな、ははっ」
「ん゛ーーーっ」
「何言ってるかわかんねーよ」
泣き出しそうな彼の顔に触れたかった。
何がそんなに悲しいの?
縛られた手ではそれすら叶わない。
猿轡されたまま鼻から血を流した顔をその悲しみに満ちた顔に触れたら、伝わるだろうか?
好き過ぎて過ぎて、この暴行という行為でさえ愛おしいことを。
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