夕闇に紅をひく

青森ほたる

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裏庭の猫

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 夢の中で僕は、住宅の連なる細道を歩いていた。

あたりはまぶしいくらいに明るいのに、誰の姿もない。

砂の道の上を歩く自分の足音と、引きずる着物の音がひびく。

「ねえ、どこにいったの。ねえ、秋彦」


 秋彦がいない。

秋彦がいない。

どこまで歩いてもまっすぐな道が続いていく。

こんな場所、知らない。そう思った瞬間に、火を吹き消したように突然、真っ暗闇になる。

「あき、ひこ……っ」

 崩れ落ちるようにその場にうずくまった僕に、たたきつけるように激しい雨粒が降りそそぐ。

暗くて、冷たくて、こわい。

雨水の溜まった泥の地面に自分の顔が歪んでうつっている。

「憐」

 雨音にかき消されそうなほど遠くで、秋彦の声がした。

少し怒ったような、心配しているような、僕の大好きな声。

顔をあげると、雨に濡れた細道の先を歩いていく秋彦の後ろ姿が見えた。どんどん、僕から遠ざかるように歩いていく。

「待って」

 立ち上がり駆け出そうとする僕の身体に着物が重くまとわりつく。前に倒れこみそうなほど体重をかけて、着物を引っ張る。一歩、踏み出すのがやっとだ。

「秋彦、秋彦。置いてかないで」

 秋彦の姿が小さくなる。

手を伸ばし、踏み出した足が、ずぶりと沈みこむ。片足が雨でぐちゃぐちゃになった泥道に沈んでいる。

「や…や、だ……っ」

 何かに引っ張られているように、もう片方の足も泥に引きずり込まれる。

僕は足首から膝、腿から腰へと泥の中へ滑り落ちるように飲みこまれていった……。






 目覚めて勢いよく上半身を起こす。

全身が雨にうたれたように汗まみれになり、浴衣が身体に張り付いていて気持ちが悪い。

膝の上の手のひらが、震えているのが目に入る。


「憐さん。おはようございます」
「……っ」

 いきなり声をかけられて、肩がびくりと跳ね上がる。

いつから寝室にいたのか、隆文が真横に控えていて、硬い表情のまま僕の顔を見てわずかに眉をよせる。そのまま無言で懐から手ぬぐいを取り出したかと思うと、それで僕の額の汗を拭った。

頬から首筋にかけて手ぬぐいをあてられていくうちに、まだ半分夢の中に浸っていた頭が徐々に冴えてくる。

もう何度も何度も繰り返される、夢。ものすごく鮮明でリアルだけど、今のはただの夢だ。

目をつむって大きく息をつく。

「憐さん、お水を」

 目の前に差し出されていたガラスのコップを掴み、口元へあて大きく傾けて一気に飲み干す。喉を冷たい水が染みわたっていく。

「汗、そのままでは身体が冷えるでしょう。シャワーを浴びますか」
「いい」

 悪夢をみたくらいでいつまでも落ちこんでいられない。

両耳に髪をかけて、浴衣を脱ぎながら立ち上がる。

寝る前に隆文が貼ったガーゼは、寝相が悪かったのか半分取れかかっていて片手で無造作に剥ぎ取る。お尻にまっすぐに入った鞭の痕の腫れはすっかり引いていて、赤黒い内出血もわずかに薄くなっているようにも思えた。

「憐さん、袖を」

 隆文が広げて持った浴衣に腕をとおすと、隆文はそのまま手早く帯を結ぶ。黙っていても、至れり尽くせりだ。

僕は昨日からすっかり隆文のペースに乗せられている。

「もう二時ですね。皆さん、一時間ほど前に食事の時間だと食堂に向かわれていましたが……」
「僕はいつもこのくらいの時間まで寝るって決めてるから。それと、みんなで一緒にご飯なんて食べない」

 ただでさえ夜はお客と一緒なのに、昼間から他人と一緒にご飯なんて食べたくない。

不毛なおしゃべりとか、店の下働きの男たちがみんな僕に夢中だからって向けられる他の男娼達からの身勝手な僻みとか、相手にするのも面倒だ。

「ではご飯はこちらへお持ちしましょう」
「待って」

 僕は隆文の着物を掴んで引っ張り、振り向いた隆文に完璧な笑顔をみせる。

「今日は、フルーツサンドが食べたい気分。駅前にお店があるんだって。前にお客からもらったの。今すぐ買ってきて」
「外出には許可が必要だと……」

 と、言いかけた隆文に僕は人差し指を突きつけた。

「龍也にはバレないように、こっそり行ってきてね。あの人絶対ダメっていうから」

 引き出しから昨日の客にもらったお金を取り出しながら続ける。

「お腹すいているんだから、あんまり待たせないで」

 僕は外へ出かけることはないから、ここから駅までどれくらい離れているのか知らないけど。

隆文は結局「了解しました」と、呟いて部屋を出て行った。

僕は廊下を駆けていく隆文の足音を聞きながら、畳まれた掛け布団の上に横になる。隆文は本当に僕の言うことならなんでも聞くつもりなのか。このままワガママ放題で尽くしてもらうのも悪くない。

何人目の世話役だったか、僕が何を言っても「はい」しか返事をしない僕に盲目的に熱中していた男のときも、散々ワガママを言いつくした。あのときは最終的に男が、糸が切れたようにヒステリーをおこして裁ちバサミで刺されかけた。

あの男があの後どう処理されたのか知らないが、そのとき秋彦に「お前にも責任がある」と叱られたのは未だに納得してない。


 襖越しに足音が聞こえて隆文が帰ってきたのかと身体を起こしたが「お姫さん」と僕を呼ぶ小さな声が聞こえてくる。

「どーぞ」
 声をかけるとすっと襖が開いて、大柄でどっしりとした料理番の男が落ち着きなく部屋の中の様子を伺いながら入ってくる。

「いつものをお持ちしました」

 男はそう言いながらも、持ってきたものは襖近くの木棚の上に無造作に置き、ニヤつきながら僕に覆いかぶさってくる。

「お姫さん……っ」

 僕は身体の力を抜き、押し倒されるまま仰向けになって天井を見つめた。男が粗野な手つきで僕の浴衣を腰の下まで剥ぎ、首元に噛みつくように唇をおとす。

いつものことだが、情緒の欠片もない。

「お姫さん……っ、世話役が新しい奴に変わったと……っ、お聞きしたんですが…?」

 男が、僕の首筋から耳まで舐め上げながら、尋ねる。舐めるか、話すかどちらかにすればいいのに。

「変わったけど?」
「噂、では……、お姫さんと前の世話役がヤッてるのをオーナーに見られたとか……?俺とこんなことしてて大丈夫なんですか?」

 別に好きでしてるわけじゃないけど。こんなのただのお礼。使い捨てできる下っ端の男だから選んだだけだし、今すぐ帰ってもらっても構わないんだけど。

「秋彦には、わざと見られるようにしたの。前の男には飽きてたし」

 僕は男から顔をそらしながら言ったが、男は頬の上も舌を移動させて口の中に舌を突っこんできた。

胸に男の重さがのしかかってきて苦しい。薄くなった息を吸い込もうとあがいていたら、男は僕がよがっていると勘違いしたようで、さらにキスが荒々しくなった。

「……ん、っ…ぁ」

 男の熱い唾液がたれてきて、目をつむり顔をしかめた瞬間、それまで僕の全身に覆いかぶさっていた男の重さが消える。

「なに……、もう終わりでいいの?」

 大きく呼吸をしながら目を開けるとそこには、隆文が屈んでいた。

「憐さん、お昼ご飯を買ってきましたが」

 隆文が白い紙袋を僕に差し出している。僕は反射的にその紙袋を受け取って、その後で隆文の背中のうしろに目を向けると、料理番の男が畳の上に仰向けにひっくり返って、まばたきを繰り返していた。

「ごめん、ほら新しい、世話役で……。隆文、僕いま取り込み中だったんだけど?」

 隆文は、ちらりと背後の男に目を向けたあと、まったく悪びれる様子もなく僕を見つめて「憐さんが、嫌がっているようだったのでお止めしただけです」と、言った。

「おいッッ。お前…っ」

 ひっくり返っていた男が、目尻をつりあげて立ち上がったが、隆文は気にもとめず、まだ僕を見据えたまま「それから」と続ける。

「秋彦さまから、憐さんがお客様以外と関係をもつことのないよう、監視するように命じられておりますので」

 血が上って真っ赤になっていた男の顔が、一転してわかりやすく青ざめた。

「問題がおきた場合、すぐご報告するようにとも命じられており……」
「お姫さん……!」

 男がすがるように僕を見る。は? 僕にどうしろと?

「隆文。あの、報告はしないで……さっきのは、僕から頼んだことのお礼で………」

 男を庇うつもりは更々ないが、ここで話がこじれても面倒なだけだ。この場くらい、丸く収めたい。どう説得すればいいのか考えあぐねながら、言葉をつないでいると隆文は、「わかりました」と、あっさり頷く。

「憐さんがそう仰るのならば」

 ほっと胸をなでおろした男が「失礼します」と逃げるようにどたどたと部屋を去っていく。二人きりになると、沈黙が妙に気まずい。

「憐さん」

 と、先に口を開いたのは隆文で、その声が自分を咎めているような気がして、膝を抱えて目をそらした。

そんな僕の両頬にいきなり隆文の手のひらがあてがわれて、目を合わせるように顔の向きを変えられる。隆文の薄茶色の瞳には、咎めるような気配は欠片もなくただ僕を気遣っているように柔らかかった。

「本当に、嫌なことはされませんでしたか?」

 僕は隆文の瞳を見つめたまま頷く。

「そうですか。それなら、よろしいのですが」

 と、隆文はまだ僕の頬に手をあてたまま、するりと目線を僕の瞳から、耳、首筋へと滑らせる。

「さっき言ったでしょ、お礼だって。タダでヤらせたりしない…キスだけだよ」

 僕は少し強気な声を取り戻して、隆文の手を払いのける。

「あの男に、そんな重要な頼み事ですか?」

「別に……。クロのご飯を毎日用意するように頼んでるの」

 男がお皿を置いていった木棚の上を指差す。隆文は僕の示す方向を眺めたあと、僕にさらに説明を求めるように目線をもどす。

「クロっていうのは、猫の名前。別に飼ってるわけじゃないんだけど、裏庭にいつも来るからご飯だけあげてるの」

 生き物を飼うのは禁止されているので秋彦には秘密だが、隆文は口止めすればいいだろう。

僕が正直に答えると隆文は自分の唇に手を添えて、少し考えこむような仕草を見せた。

「なにか問題でもある?」
「いえ。そうではなく……クロのご飯、これからは私が用意しましょうか。それぐらいの調理なら簡単にできますし。そうすればもう憐さんは、あの方と関係をもつ必要はなくなりますよね?」

「うん。そうだけど……」

 押し切られるままに曖昧に頷くと、隆文は「じゃあ、明日からは私が」ときっぱりとした声で言った。

「あの方には私から今後は必要ないとお断りしておきましょう」
「角がたつような言い方はしないでね」

「お任せください」

 と、隆文は頷いたが、正直、信用ならない。肩をすくめ、引き脱がされた浴衣を着直す。

「クロにご飯あげてくる」

 そう言いながら隆文の方を振り返ると、隆文は綿の入った紺色の羽織を引き出しの中から引っ張り出していた。

「今日は風が冷たいので、羽織を着て行きましょう」
「それ、重くてあんまり好きじゃないんだけど」

 僕の言葉は聞き流され羽織を着せられて、寝室をでると隆文は当然のように後ろをついてきた。

階段を降り、外廊下から広い庭へ出て建物の裏側にまわる。

ちょうど広い浴室の裏側に面した小さな裏庭は、窓は壁の高い位置ある小さなものだけで人目につかない。

この店にやってきてまだ日が浅く自分の寝室がなかった頃、泣きたくなるといつもここに来た。

 庭の端っこの小さな木の扉に近づくと、僕の足音を察してか竹垣の外からクロの鳴き声が聞こえてくる。新緑の垂れ下がる枝を避け、錆び付いた鉄の閂を外して扉を開く。

滑りこむように庭に入ってきたクロが、足元へ座り込み黄色い瞳で僕を見上げて餌をねだるように鳴いた。

「かわいい黒猫ですね」

 しゃがんで地面にお皿を置きクロが夢中で食べ始めると、寄ってきた隆文が隣にしゃがんでクロを見つめる。クロの毛は艶やかな黒色で、前足にだけ白い毛が混じっている。

「もう何年も前からご飯あげてるの。でも、あんまり僕に懐いてないんだよ。撫でてもすぐ不機嫌になるし」

 話しながらクロの頭を撫でようと手をのばしたら案の定、歯を見せて威嚇される。隆文が慌てたように僕の手首を掴んで引っ込めさせた。

「憐さん。ご飯中の猫さんに触るのは、あまりよろしくないです。ご飯の間はそっと見守って、近づいて甘えてきたときに触ってあげると喜びますよ」

 もっともらしいことを言われたが、素直にそうなんだ、とは口にしたくない。

僕の方がクロとの付き合いが長いし。特別懐かれてるとは言えないけど、毎日ここへは来てくれるし…手からご飯をあげたこともある。と、なにか言い返してやろうと色々考えたが思いつかず、結局立ち上がって「ねえ。もうお腹ぺこぺこなんだけど」と、なじるような声で言う。

隆文は頷いて、白い紙袋を僕に掲げてみせた。

「買ってきたサンドイッチならここに。ここで食べますか?」

 隆文は懐から出した手ぬぐいを平らな岩の上に敷いて、その上に座るようにと僕を促した。

膝の上に置かれた真っ赤な蓋に金色でお店のロゴが入った箱を開ければ、たっぷりの生クリームに、大きく切られたイチゴが入っただけのシンプルなイチゴサンドが詰められている。

前にお客にもらったのと同じサンドイッチだ。隆文が差し出してきた紙ナフキンは使わずに手で直接掴んで口に運ぶ。

白い食パンは、ふわふわで柔らかく、甘さ控えめの生クリームに甘いイチゴ。分厚い五切れ入りの箱だったが、溢れる生クリームで手をべとべとにしながらお客の前ではできない頬張りかたで、あっという間に食べてしまう。

「飲み物はなにがいいか伺っていなかったので。甘いのと苦いの、どちらがいいですか?」

 隆文が僕の両手を紙ナフキンで拭ってから、紙袋から缶のコーヒーと紅茶と、紙パックのジュースを取り出してみせる。

僕は黙って紅茶を手に取った。ほんのり甘い紅茶を飲んでいると、ご飯を終えていたクロが足にすり寄ってきて身体を擦り付けてくる。

頭に触れ、耳を倒すように撫で、そこから顎の下を撫でると気持ちよさそうに目を細めた。

 冷たい風が吹き抜けて僕がくしゃみをしたタイミングで隆文が「そろそろ中へ戻りましょう」と声をかけてきた。

「憐さん、お手紙が届いていると、預かっていたのですがこれはどうすればよろしいですか?」

 部屋の書き物机の前の座椅子に深く腰掛け、足をのばして背もたれに寄りかかると、隆文が封筒を運んでくる。

「手紙ね。今から返事を書くから、龍也に持っていって」

 面倒で僕が嫌いなことのひとつ。隆文が差し出した手紙を受け取って、封筒の端を無造作に破ってあけていく。

「……全てにお返事を書かれるのですか?」

 隆文が机の上に重ねた手紙の束を見ながら言う。こんなの読まずに捨てられたら、いいのに。

「そう。お店の決まり。お客には手紙でご機嫌とりすんの。あと、昨日のお客にもお礼の手紙出すから、名前と住所、記帳役に聞いてきて」

 何枚もつづく手紙に目を通していると眠気に負けそうになるが、一度大きく伸びをして返事を考える。

「憐さんはとても綺麗な字を書かれますね」

 戻ってきた隆文が横から書きかけの手紙を覗いてそう声をかけてくる。字を褒められて悪い気はしない。

「字の書き方は秋彦と椿に習った」
「そうなんですか?」

 心底驚いたような声が返ってくる。

「秋彦に拾われてすぐだから、もうずいぶん前のことだけど」
「憐さんは何歳の時にこの店へ?」
「七歳のときだよ」

 僕が答えてあげると、尋ねておきながら隆文は言葉が見つからない様子で瞬きを繰り返した。正確にはこのお店に来た時の年齢じゃなくて、秋彦に拾われたときの歳だけど。

「八歳から二年はお酌をするだけの見習いをして、十歳からお客をとり始めたから今年でもう十年…?」

 見習いを始めたばかりのときは二十歳を超えた男娼はみんな随分大人に見えたが、十年なんて過ぎてみればあっという間だ。

お客や下働きの男達︎は見習いの頃から変わらず今も、可愛い子扱いしてくれるし。

「ここで働いてる皆さん、若いころから……なんですか」
「大体、十歳すぎで引き取られてきて、この牡丹茶寮で働けるのは二十五歳まで。それ以降はまた別のお店に移る。僕が初めてお店に出たときお客がみんな僕のこと小さくて可愛いねって。今でも背は人より小さいけど。可愛い子扱いは嬉しいけど、龍也なんか未だに僕を子ども扱いするのはムカつく」

 隆文が隣でくすりと笑ったような気がして視線をむけると、ごまかすように隆文は「龍也さんや、他の方にも、姫と呼ばれているのは……なにか由来があるんですか?」と、尋ねてきた。

「それは龍也が最初に言い出して…僕がお姫さまみたいにワガママだって。それでいつの間にかみんなに広まってたから、もう好きにさせてるの。ワガママ姫って、ひどいよね」

 隆文の目元が今度は完全に緩んで唇が弧をえがく。隆文も笑うことがあるんだと、まじまじと見つめてしまって、なんで笑うのと怒るタイミングを失ってしまった。

「お姫さん、って可愛くていいじゃないですか」

 いつもの淡々とした声とは裏腹に、少し笑いのにじんだ声にふくれる。

「あんたには呼ばれたくない」

 そう言い捨て、手紙の続きに取り掛かろうとしたが、変わらず隣に座っている隆文の視線に気が散って仕方なかった。
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