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13.ブリジットの誘い
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それから数日後。
僕とイネスが、教会の裏庭から飛び立とうとしていると、牧師先生がやってきた。
「リュド君、イネス君、お客さんだよ」
『お客……?』
そう言いながら振り返ると、何と女性天馬騎士ブリジットがいる。
「お久しぶりです!」
イネスが挨拶すると、ブリジットも笑顔になった。
「お久しぶりです。今日は相談したいことがありまして……」
「なんでしょう?」
彼女は思い切った様子で言った。
「単刀直入に言います……私の部隊に入りませんか?」
これは願ってもない話だ。確認のためにイネスの表情を見ると、凄く嬉しそうに微笑んでいる。
僕もブリジットには感謝しているし、快く彼女のお願いを聞こうと思った。
『わかりました。よろしくお願いします』
そう答えると、ブリジットは安堵した様子で微笑んでくれた。
「よかった……本当に、天馬も天馬騎士もいなくて困っていたんです……」
「そうなんですか!?」
イネスが意外そうに聞くと、ブリジットは真顔で頷く。
「ええ、最近はマーズヴァン帝国は南の島々に手を伸ばしていますから。この村にいる天馬や騎士も、次々と南に行くように指令が出ています」
そんなことを喋ってしまって大丈夫なのか心配になったが、これは王国が公にしていることなので問題はなかった。
牧師先生に視線を向けると、彼は十字を切ってから言ってくれた。
「リュドヴィック君とイネス君の武運を祈っています」
『ありがとうございます……先生!』
こうして僕たちは、村の守り手である騎士たちのいる砦へと向かっていく。
「ブリジットさん。マーズヴァン帝国は浮遊していますが……周期とかに法則性はあるのですか?」
「あります。その時によって周回速度を変えることはあるようですが、基本的にはツーノッパ地域を反時計回りに必ず1周しています」
彼女の言葉を聞いて、僕は納得した。
連中は唐突に、僕たち……有翼人と愉快な仲間たちの生活を脅かし、女性や子供をさらっていくが、そのタイミングは秋、冬、春と決まっていたんだ。
初夏、夏、初秋に敵天馬騎士が侵攻してこないことが不思議だったが、その時期には南の島々を荒らしていたと考えると納得できる。
『つまり、今のうちに南の島々を完全に手中に収めるということですね』
「そうでしょうね。そうすれば、帝国もおいそれとは島に手出しできなくなる」
『着きましたね』
砦の中へと入ると、僕たちはブリジットに案内されながら彼女の執務室に入った。
中は広いため、ウマの姿の僕でも少し考えれば入室できるようだ。
「あ……お父様にお母様!」
どうやらブリジットは、僕たちと会う前に両親にも話を通していたようだ。
父親エドモンは、険しい顔をしながら言う。
「話はブリジット隊長から聞いている。確かに天馬騎士は危険な仕事だが……十分に訓練をして下さるそうだし、冒険者よりは生還率も高い」
彼は少し優し気な表情をした。
「生き延びるために、しっかりとな?」
母のカリーヌも、しっかりと僕たちを見つめている。
「……本当はあまり危険なことはして欲しくはないのだけど、このまま村にいても無事に過ごせる保証もないのよね。貴方たちが思うように生きなさい」
その言葉を聞いて、イネスは瞳を潤ませながら両親を見ていた。
「ありがとう……お父様……お母様!」
僕もしっかりと両親にお辞儀をすると、決意した。
彼らは今まで、捨て子だった僕を育ててくれた。妹のイネスを守ることが両親に対しての恩返しだし、前世で自堕落な生活をしてきた僕自身に対してのケジメだと思う。
『父さんに母さん、僕なりに頑張ってみせるよ!』
こうして、僕とイネスは見習い天馬騎士として、ブリジット隊長の元で訓練してもらうことになった。
一般的に天馬騎士の小隊は3人1組なのだが、ツーノッパ王国では天馬も騎士も不足しているため、ブリジット隊は、隊長のブリジットと僕らの2騎だけの運用となっている。
でもこれは、僕たちにとっては幸いだった。
ブリジットは、僕たちが幼少期の頃から天馬騎士だった女性なので、部隊の中でも熟練天馬騎士と呼べる存在だったんだ。
ちなみにイネスを救出した時、ブリジットの年齢は16歳で、実はあの時が初陣だったと知った時は、僕も驚いた。
「あのとき……僕と同じ年だったんですね」
人間に戻って汗を拭いていると、ブリジットは少し恥ずかしそうに言った。
「今から考えれば無謀もいいところでした。当時の隊長には、あのあとこっぴどく叱られたものです」
「いえ、でも感謝しています。もしブリジット隊長が助けてくれなければ、イネスはこの世にいなかったでしょう」
そう伝えると、イネスも真剣な顔をしながら頷く。
「そうです! あの時のブリジット隊長を見て、私も天馬騎士になりたいと思ったのですから……」
そう言われると、ブリジットも頬を赤らめた。
「ありがとう……だけど、当時の私のように無茶をしてはいけませんよ?」
僕とイネスは「はい!」と返事をすると、彼女は満足そうに微笑んだ。
「では、明日は高度40メートル差で演習をしましょう。もう少し上手になって頂けないと、生き残れませんからね」
40メートルと聞いて、何だか先が長いと思ってしまう。
これは……要するにブリジットと僕たちには実力差があり過ぎるからハンデをもらっているんだ。高度40メートル差があっても返り討ち……では、少し強い天馬騎士が現れれば、余裕で墓送りにされるということである。
【迎えに来たブリジット】
僕とイネスが、教会の裏庭から飛び立とうとしていると、牧師先生がやってきた。
「リュド君、イネス君、お客さんだよ」
『お客……?』
そう言いながら振り返ると、何と女性天馬騎士ブリジットがいる。
「お久しぶりです!」
イネスが挨拶すると、ブリジットも笑顔になった。
「お久しぶりです。今日は相談したいことがありまして……」
「なんでしょう?」
彼女は思い切った様子で言った。
「単刀直入に言います……私の部隊に入りませんか?」
これは願ってもない話だ。確認のためにイネスの表情を見ると、凄く嬉しそうに微笑んでいる。
僕もブリジットには感謝しているし、快く彼女のお願いを聞こうと思った。
『わかりました。よろしくお願いします』
そう答えると、ブリジットは安堵した様子で微笑んでくれた。
「よかった……本当に、天馬も天馬騎士もいなくて困っていたんです……」
「そうなんですか!?」
イネスが意外そうに聞くと、ブリジットは真顔で頷く。
「ええ、最近はマーズヴァン帝国は南の島々に手を伸ばしていますから。この村にいる天馬や騎士も、次々と南に行くように指令が出ています」
そんなことを喋ってしまって大丈夫なのか心配になったが、これは王国が公にしていることなので問題はなかった。
牧師先生に視線を向けると、彼は十字を切ってから言ってくれた。
「リュドヴィック君とイネス君の武運を祈っています」
『ありがとうございます……先生!』
こうして僕たちは、村の守り手である騎士たちのいる砦へと向かっていく。
「ブリジットさん。マーズヴァン帝国は浮遊していますが……周期とかに法則性はあるのですか?」
「あります。その時によって周回速度を変えることはあるようですが、基本的にはツーノッパ地域を反時計回りに必ず1周しています」
彼女の言葉を聞いて、僕は納得した。
連中は唐突に、僕たち……有翼人と愉快な仲間たちの生活を脅かし、女性や子供をさらっていくが、そのタイミングは秋、冬、春と決まっていたんだ。
初夏、夏、初秋に敵天馬騎士が侵攻してこないことが不思議だったが、その時期には南の島々を荒らしていたと考えると納得できる。
『つまり、今のうちに南の島々を完全に手中に収めるということですね』
「そうでしょうね。そうすれば、帝国もおいそれとは島に手出しできなくなる」
『着きましたね』
砦の中へと入ると、僕たちはブリジットに案内されながら彼女の執務室に入った。
中は広いため、ウマの姿の僕でも少し考えれば入室できるようだ。
「あ……お父様にお母様!」
どうやらブリジットは、僕たちと会う前に両親にも話を通していたようだ。
父親エドモンは、険しい顔をしながら言う。
「話はブリジット隊長から聞いている。確かに天馬騎士は危険な仕事だが……十分に訓練をして下さるそうだし、冒険者よりは生還率も高い」
彼は少し優し気な表情をした。
「生き延びるために、しっかりとな?」
母のカリーヌも、しっかりと僕たちを見つめている。
「……本当はあまり危険なことはして欲しくはないのだけど、このまま村にいても無事に過ごせる保証もないのよね。貴方たちが思うように生きなさい」
その言葉を聞いて、イネスは瞳を潤ませながら両親を見ていた。
「ありがとう……お父様……お母様!」
僕もしっかりと両親にお辞儀をすると、決意した。
彼らは今まで、捨て子だった僕を育ててくれた。妹のイネスを守ることが両親に対しての恩返しだし、前世で自堕落な生活をしてきた僕自身に対してのケジメだと思う。
『父さんに母さん、僕なりに頑張ってみせるよ!』
こうして、僕とイネスは見習い天馬騎士として、ブリジット隊長の元で訓練してもらうことになった。
一般的に天馬騎士の小隊は3人1組なのだが、ツーノッパ王国では天馬も騎士も不足しているため、ブリジット隊は、隊長のブリジットと僕らの2騎だけの運用となっている。
でもこれは、僕たちにとっては幸いだった。
ブリジットは、僕たちが幼少期の頃から天馬騎士だった女性なので、部隊の中でも熟練天馬騎士と呼べる存在だったんだ。
ちなみにイネスを救出した時、ブリジットの年齢は16歳で、実はあの時が初陣だったと知った時は、僕も驚いた。
「あのとき……僕と同じ年だったんですね」
人間に戻って汗を拭いていると、ブリジットは少し恥ずかしそうに言った。
「今から考えれば無謀もいいところでした。当時の隊長には、あのあとこっぴどく叱られたものです」
「いえ、でも感謝しています。もしブリジット隊長が助けてくれなければ、イネスはこの世にいなかったでしょう」
そう伝えると、イネスも真剣な顔をしながら頷く。
「そうです! あの時のブリジット隊長を見て、私も天馬騎士になりたいと思ったのですから……」
そう言われると、ブリジットも頬を赤らめた。
「ありがとう……だけど、当時の私のように無茶をしてはいけませんよ?」
僕とイネスは「はい!」と返事をすると、彼女は満足そうに微笑んだ。
「では、明日は高度40メートル差で演習をしましょう。もう少し上手になって頂けないと、生き残れませんからね」
40メートルと聞いて、何だか先が長いと思ってしまう。
これは……要するにブリジットと僕たちには実力差があり過ぎるからハンデをもらっているんだ。高度40メートル差があっても返り討ち……では、少し強い天馬騎士が現れれば、余裕で墓送りにされるということである。
【迎えに来たブリジット】
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