48 / 48
43.瞬く間に平定される勇者の領土
しおりを挟む
どうやら本当に勇者派は、僕たち魔王軍の勢力知らなかったようだ。
ズィルバー城に侵攻したことで勇者の耳に入ったらしく、慌てて部隊を差し向けてきたが、僕は前もって最前線の城と、ズィルバー城の間にある山道に崖崩れを起こしておいた。
この辺りはまだ雪に覆われているので、有翼人隊が10人ほどで焙烙玉を落とせば容易に補給路を寸断できる。
ズィルバー城自体には大した数の守備兵はおらず、更に城主も忠誠心が低かったと見えて、城を包囲したら3日と持たずに白旗を揚げた。
「よし、このズィルバー城の城主はレオニーにしよう。元城主のアレックスも補佐役として彼女を支えてくれ」
「は、ははっ!」
補佐役を任せると言うと、アレックスはとても安心した表情をしていた。どうやら彼にとって一番恐ろしかったことは、僕に追放されて行き場所が無くなることだったようである。
そしてレオニーはと言えば、瞳を真っ赤にしながらズィルバー城の窓から城下町を眺めている。
自分が城主になれたことも嬉しいだろうが、それ以上に伯父の居城を取り戻せたことが何よりも嬉しいようだ。その証拠に僕に対しての忠誠度が100になっていた。
「よし、次はマルコス城を攻略するよ!」
そう伝えると、ロドルフォも頷く。
「賛成です。あまりグズグズしていると王国軍が来ます……厄介な敵が増える前に攻略しましょう」
さて、このマルコス城だが、実は有翼人たちが攻撃に向かうと大編隊に驚いたらしく、城主と思しき人が現れてすぐに白旗を揚げた。
すると兵士たちも、城のあちこちに白旗を掲げだし、城に付き合うように城下町の人々も白旗を揚げていく。
有翼人隊300人に、焙烙玉なんて落とされてはたまらないということなのだろう。
様子を見ていたブルンフリートは、すぐに空襲を取りやめ、地上部隊であるロドルフォ隊が向かうと、すぐに城主が出てきて、ロドルフォたちの前に剣を捨てたという。
こうしてマルコス城の城主としてロドルフォを任命すると、僕の城数は7。そして勇者の城数は1まで減っていた。
さて、求職中の将軍の中から、また文官を中心にたくさん雇おうかと思っていると、兵士がやってきた。
「陛下……お仕事中に失礼いたします」
「どうしたんだい?」
「ツーノッパ王国から使者の方が参られました……いかがなさいますか?」
使者か。何の用だろう。
「わかった。すぐに謁見の間に行こう」
「ははっ……!」
謁見の間で待っていると、使者がやってきた。
ん……男の人が来るのかと思っていたら女性。それも頭上に出ていた名前を見て、僕は驚かずにはいられなかった。
「貴女は……王女殿か?」
「はい。ツーノッパ国王の第6王女アリーシャと申します。今日は……王国の使者としてお伺いしました」
「君も大変だね……ところで要件は?」
「王国と魔王軍の間で……同盟を結んで頂けないでしょうか?」
彼女の提案に驚いてしまったが、よくよく考えると王国から見てもアリな話だと思った。
いま王国は、北の大国と戦争中だ。この状況で南から僕たち魔王軍に攻撃されれば、南北から攻められることになる。
「……そうだね。僕としては1つ懸念していることがある」
「懸念? それはなんでしょうか?」
「ツーノッパ王国には、マーフォークやエルフ、有翼人など、僕の国の人間と同じ宗教を信じている同族がたくさんいる。彼らの移住を王国が斡旋してくれるのなら……前向きに考えてもいいかな?」
提案すると、アリーシャ王女は拍子抜けした表情をしている。
「か、畏まりました……善処しましょう」
その後は、アリーシャと国境に関する取り決めや残った勇者に関する処遇に関しても話し合いを行った。
どうやら王国は、北の大公国との戦いに手いっぱいらしく、勇者一行と不法占拠している城に関しては、こちらで討伐して構わないようだ。
「ただし、もし勇者一行を捕らえた場合は、王国への身柄の引き渡しをお願いします」
「わかっていますが……僕はまず空襲で勇者の城に攻撃を仕掛ける予定です。そこで戦死する可能性も高いですが……」
「その場合は構いません」
僕は間もなく、勇者の居城に向かって空襲を仕掛ける予定だったが、それもまた無駄に終わった。
実は王国軍と魔王軍が同盟を組んだ話は、国王の手引きで勇者派にも伝えられており、その話を聞いた部下たちは、挟み撃ちにされることを恐れ、クーデターを起こしたのだ。
勇者たちは城からは逃れたが、民衆に討たれたとも、山の中で野生動物に襲われて最期を迎えたとも言われているが、確かなことはわからない。
その後、クーデター派は開城したが、僕は残らず王国に犯罪者として引き渡し、城だけを入手することにした。
だって、こいつら……野心だけは高いけど、他の能力が全然魅力的じゃないんだもん。こんなのを配下に入れていたら、次は僕が寝首を掻かれそうだ。
【作者からの挨拶】
最後まで【婿入り魔王シャリオヴァルトの滅亡寸前国家再興記】をお読みくださり、誠にありがとうございます。
自分自身はあまり強くはないタイプの魔王というモノが居てもいいのではないかと思ったのが、この作品を作るきっかけとなりました。
財力に尖らせてみようと思って、主人公の設定を決めたところで構想が膨らみ、10万文字近い作品に仕上げることができました。とても勉強になったと思います。
ちなみにこの後の魔王軍ですが、シャリオヴァルトは義理堅い人物のため、王国との同盟も維持したまま国を発展させて、戦争の無い豊かな国を作っていきます。
設定としては、史実のヨーロッパのように、主人公没後の500年後にツーノッパでも産業革命が起こり、やがて2度の世界大戦に巻き込まれて、魔王軍も強国に呑み込まれて一度は滅亡します。
その後は、民主国家として独立し、ツーノッパの中堅国家の一員として、そのまま現代に似た世界でツーノッパ連合の一翼を担うことになります。
最後に次回作の話ですが、次は異世界転移モノを作る計画です。
ちょうど年末年始の休暇もあり、時間もたくさん取れそうなので今のうちから張り切って話の骨組みなどを整理しています。
少し大掛かりな作品になりそうなので、なるべく早く公開できれば……と考えております。
ではみなさま……来年もよろしくお願い致します!
2023年 12月26日 スィグ・トーネより。
ズィルバー城に侵攻したことで勇者の耳に入ったらしく、慌てて部隊を差し向けてきたが、僕は前もって最前線の城と、ズィルバー城の間にある山道に崖崩れを起こしておいた。
この辺りはまだ雪に覆われているので、有翼人隊が10人ほどで焙烙玉を落とせば容易に補給路を寸断できる。
ズィルバー城自体には大した数の守備兵はおらず、更に城主も忠誠心が低かったと見えて、城を包囲したら3日と持たずに白旗を揚げた。
「よし、このズィルバー城の城主はレオニーにしよう。元城主のアレックスも補佐役として彼女を支えてくれ」
「は、ははっ!」
補佐役を任せると言うと、アレックスはとても安心した表情をしていた。どうやら彼にとって一番恐ろしかったことは、僕に追放されて行き場所が無くなることだったようである。
そしてレオニーはと言えば、瞳を真っ赤にしながらズィルバー城の窓から城下町を眺めている。
自分が城主になれたことも嬉しいだろうが、それ以上に伯父の居城を取り戻せたことが何よりも嬉しいようだ。その証拠に僕に対しての忠誠度が100になっていた。
「よし、次はマルコス城を攻略するよ!」
そう伝えると、ロドルフォも頷く。
「賛成です。あまりグズグズしていると王国軍が来ます……厄介な敵が増える前に攻略しましょう」
さて、このマルコス城だが、実は有翼人たちが攻撃に向かうと大編隊に驚いたらしく、城主と思しき人が現れてすぐに白旗を揚げた。
すると兵士たちも、城のあちこちに白旗を掲げだし、城に付き合うように城下町の人々も白旗を揚げていく。
有翼人隊300人に、焙烙玉なんて落とされてはたまらないということなのだろう。
様子を見ていたブルンフリートは、すぐに空襲を取りやめ、地上部隊であるロドルフォ隊が向かうと、すぐに城主が出てきて、ロドルフォたちの前に剣を捨てたという。
こうしてマルコス城の城主としてロドルフォを任命すると、僕の城数は7。そして勇者の城数は1まで減っていた。
さて、求職中の将軍の中から、また文官を中心にたくさん雇おうかと思っていると、兵士がやってきた。
「陛下……お仕事中に失礼いたします」
「どうしたんだい?」
「ツーノッパ王国から使者の方が参られました……いかがなさいますか?」
使者か。何の用だろう。
「わかった。すぐに謁見の間に行こう」
「ははっ……!」
謁見の間で待っていると、使者がやってきた。
ん……男の人が来るのかと思っていたら女性。それも頭上に出ていた名前を見て、僕は驚かずにはいられなかった。
「貴女は……王女殿か?」
「はい。ツーノッパ国王の第6王女アリーシャと申します。今日は……王国の使者としてお伺いしました」
「君も大変だね……ところで要件は?」
「王国と魔王軍の間で……同盟を結んで頂けないでしょうか?」
彼女の提案に驚いてしまったが、よくよく考えると王国から見てもアリな話だと思った。
いま王国は、北の大国と戦争中だ。この状況で南から僕たち魔王軍に攻撃されれば、南北から攻められることになる。
「……そうだね。僕としては1つ懸念していることがある」
「懸念? それはなんでしょうか?」
「ツーノッパ王国には、マーフォークやエルフ、有翼人など、僕の国の人間と同じ宗教を信じている同族がたくさんいる。彼らの移住を王国が斡旋してくれるのなら……前向きに考えてもいいかな?」
提案すると、アリーシャ王女は拍子抜けした表情をしている。
「か、畏まりました……善処しましょう」
その後は、アリーシャと国境に関する取り決めや残った勇者に関する処遇に関しても話し合いを行った。
どうやら王国は、北の大公国との戦いに手いっぱいらしく、勇者一行と不法占拠している城に関しては、こちらで討伐して構わないようだ。
「ただし、もし勇者一行を捕らえた場合は、王国への身柄の引き渡しをお願いします」
「わかっていますが……僕はまず空襲で勇者の城に攻撃を仕掛ける予定です。そこで戦死する可能性も高いですが……」
「その場合は構いません」
僕は間もなく、勇者の居城に向かって空襲を仕掛ける予定だったが、それもまた無駄に終わった。
実は王国軍と魔王軍が同盟を組んだ話は、国王の手引きで勇者派にも伝えられており、その話を聞いた部下たちは、挟み撃ちにされることを恐れ、クーデターを起こしたのだ。
勇者たちは城からは逃れたが、民衆に討たれたとも、山の中で野生動物に襲われて最期を迎えたとも言われているが、確かなことはわからない。
その後、クーデター派は開城したが、僕は残らず王国に犯罪者として引き渡し、城だけを入手することにした。
だって、こいつら……野心だけは高いけど、他の能力が全然魅力的じゃないんだもん。こんなのを配下に入れていたら、次は僕が寝首を掻かれそうだ。
【作者からの挨拶】
最後まで【婿入り魔王シャリオヴァルトの滅亡寸前国家再興記】をお読みくださり、誠にありがとうございます。
自分自身はあまり強くはないタイプの魔王というモノが居てもいいのではないかと思ったのが、この作品を作るきっかけとなりました。
財力に尖らせてみようと思って、主人公の設定を決めたところで構想が膨らみ、10万文字近い作品に仕上げることができました。とても勉強になったと思います。
ちなみにこの後の魔王軍ですが、シャリオヴァルトは義理堅い人物のため、王国との同盟も維持したまま国を発展させて、戦争の無い豊かな国を作っていきます。
設定としては、史実のヨーロッパのように、主人公没後の500年後にツーノッパでも産業革命が起こり、やがて2度の世界大戦に巻き込まれて、魔王軍も強国に呑み込まれて一度は滅亡します。
その後は、民主国家として独立し、ツーノッパの中堅国家の一員として、そのまま現代に似た世界でツーノッパ連合の一翼を担うことになります。
最後に次回作の話ですが、次は異世界転移モノを作る計画です。
ちょうど年末年始の休暇もあり、時間もたくさん取れそうなので今のうちから張り切って話の骨組みなどを整理しています。
少し大掛かりな作品になりそうなので、なるべく早く公開できれば……と考えております。
ではみなさま……来年もよろしくお願い致します!
2023年 12月26日 スィグ・トーネより。
0
お気に入りに追加
82
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる