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素敵な能力を得たガンスーンだが……
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指をはじくだけで、大金貨1枚が出てくる。
そんなおとぎ話のような能力を得たヤツが真っ先にやること。それはもう1つしかないだろう。
俺様はすぐに地域で一番と高い飲み屋に行くと、店主の前に大金貨を20枚まとめて置いた。
すると店主はメチャクチャ驚いた顔をして、俺様を二度見してきたな。
「この店でとびっきりの酒を出せ。それから美女も集めろ」
「は、はい!」
俺様はブランド物の酒を煽ると、女を両脇に抱えて豪遊を開始した。
やっぱりこれだ。お金が手に入れば酒と女。指をはじくだけで毎日こんな生活ができるなんて夢のようじゃねえか。あっはっはっはっはっは……
それにしても俺様は本当にツイてる。
あんな黒いワケの分からないビンを開くだけで、こんなに素晴らしい能力が出て来るなんてありがたい話じゃねーか。こんなに幸せならもう働く意味もねえ。一発大逆転とはまさしくこのことだ。
俺様は好きなだけ酒を飲むと、女たちに言い寄られて最高の一夜を過ごした。
30枚くらい出した大金貨も全部使い切ったが問題ねえ。どうせこんなもんは指さえ弾けば出てくるんだ。明日ももっと豪遊してやるぜ。
2日目は、更に指をはじいて50枚の大金貨で豪遊すると、店主も女たちも、更には店に来ていた連中も俺を偉大だと称えた。
そりゃそうだ。こいつらの飲み代も全部俺様が出してやっているんだ。褒めが足りねえぞオメーら。もっと俺様をたたえろぉ!
そして3日目になると俺様は70枚の大金貨で豪遊し、4日目は100枚になった。さすがに100枚も出したら、周りの人間の俺の見る目も変わったな。一体コイツは何者なんだって顔をしてやがる。
だけど、それがサイコーなんだ。俺様はお前たち平凡な人間とは違うんだ。さあ、もっと俺様を崇めろ!
さて今日は100枚だったから、明日は120……いや、150くらいの金貨を出して、更にびっくりさせてやろうか。
そう思いながら気持ちよく寝ていると、宿に連れ込んだ女がベッドを立った。
なんだなんだ便所か? 変に動かれるとせっかく眠っていたのに起きちまうんだよ。俺様の安眠を妨害するなら、明日から別の女にチェンジしちまうぞ。
そんなことを考えていたら、なにやら宿の中を複数の人間が歩いてくる音が聞こえてくる。
ん、今度は何だよ。真夜中だってのに俺様の迷惑も考えないで。こんなことならもっといい宿を取るんだった。
そう思っていたら、乱暴に俺様のいる部屋のドアが開けられた。何事だ!?
「いたぞ!」
「報告の通りだな……速やかにやるぞ!」
中に入ってきた連中を見て俺は仰天した。
なんと入ってきたのは、黒いローブと十字架を持った堕天使海賊団の連中だった。どうやらこいつらは、俺様の力に目を付けていやがったようだ。
「な、なんだテメーらは!?」
酔っていても俺だって元Aランク冒険者だ。こいつら全部を倒すことはできないが、逃げるくらいのことならできる。
俺は近くにあったランプやらカバンやらパンツやら、そんじゅそこらのモノを投げつけて、連中がひるんだ隙に窓から飛び降りた。
たまたま下には、肥溜め業者がブツの溜まった荷車を止めていたせいで、俺様は一瞬にして汚物まみれになったが、このおかげで宿の前を取り囲んでいたカルト宗教海賊団は、全員が及び腰になった。
これはチャンスだぁ!
「……仲間作りだぁ!」
そう叫んで飛びかかると、さすがの悪名高い堕天使海賊団の連中も真っ青な顔をしながら逃げ始めた。おらおら、グズグズしていると、テメーらも仲間にすっぞ!
「ええい、お前たち……何をしている! ヤツを捕えろ! 金づ……じゃなかった……奴は邪悪な錬金術師だ。搾り取るだけ搾り取ってやれ!」
言うに事を欠いてるじゃねーか。この生臭エセ神父が。
なんだかとてもイラっと来た俺様は方向転換すると、そのまま神父へと向かって行き、ヤツに【ダイレクトハグ】をお見舞いしてやった。
「ぎゃヴぇるほr2fwkjっ!!」
先ほども言ったが、俺様は飛び降りた時に肥やし馬車の中に突っ込んでいる。だから体中が肥やしまみれなんだ。だから、ハグされると、神父様の御立派なエセキャソックも肥料まみれになるというワケだ。
「あーっはっはっはっは……汚物ゴーレムいっちょ上がり!」
「オーマイガー!」
止めの汚物キスを見舞うと、エセ神父様は魂が抜けた様子で昇天された。きっと今頃は素晴らしい世界で豪遊だろう。二度と戻って来るな!
俺はこの直後に、清楚な天使を装っていそうなエセシスターどもの中へと突っ込むと、こいつらも汚物に触れたくなかったと見えて次々と悲鳴を上げていた。
こうして俺様は、見事な機転によって九死に一生を得たワケだ。
ざまーみろ、堕天使ども!!
そんなおとぎ話のような能力を得たヤツが真っ先にやること。それはもう1つしかないだろう。
俺様はすぐに地域で一番と高い飲み屋に行くと、店主の前に大金貨を20枚まとめて置いた。
すると店主はメチャクチャ驚いた顔をして、俺様を二度見してきたな。
「この店でとびっきりの酒を出せ。それから美女も集めろ」
「は、はい!」
俺様はブランド物の酒を煽ると、女を両脇に抱えて豪遊を開始した。
やっぱりこれだ。お金が手に入れば酒と女。指をはじくだけで毎日こんな生活ができるなんて夢のようじゃねえか。あっはっはっはっはっは……
それにしても俺様は本当にツイてる。
あんな黒いワケの分からないビンを開くだけで、こんなに素晴らしい能力が出て来るなんてありがたい話じゃねーか。こんなに幸せならもう働く意味もねえ。一発大逆転とはまさしくこのことだ。
俺様は好きなだけ酒を飲むと、女たちに言い寄られて最高の一夜を過ごした。
30枚くらい出した大金貨も全部使い切ったが問題ねえ。どうせこんなもんは指さえ弾けば出てくるんだ。明日ももっと豪遊してやるぜ。
2日目は、更に指をはじいて50枚の大金貨で豪遊すると、店主も女たちも、更には店に来ていた連中も俺を偉大だと称えた。
そりゃそうだ。こいつらの飲み代も全部俺様が出してやっているんだ。褒めが足りねえぞオメーら。もっと俺様をたたえろぉ!
そして3日目になると俺様は70枚の大金貨で豪遊し、4日目は100枚になった。さすがに100枚も出したら、周りの人間の俺の見る目も変わったな。一体コイツは何者なんだって顔をしてやがる。
だけど、それがサイコーなんだ。俺様はお前たち平凡な人間とは違うんだ。さあ、もっと俺様を崇めろ!
さて今日は100枚だったから、明日は120……いや、150くらいの金貨を出して、更にびっくりさせてやろうか。
そう思いながら気持ちよく寝ていると、宿に連れ込んだ女がベッドを立った。
なんだなんだ便所か? 変に動かれるとせっかく眠っていたのに起きちまうんだよ。俺様の安眠を妨害するなら、明日から別の女にチェンジしちまうぞ。
そんなことを考えていたら、なにやら宿の中を複数の人間が歩いてくる音が聞こえてくる。
ん、今度は何だよ。真夜中だってのに俺様の迷惑も考えないで。こんなことならもっといい宿を取るんだった。
そう思っていたら、乱暴に俺様のいる部屋のドアが開けられた。何事だ!?
「いたぞ!」
「報告の通りだな……速やかにやるぞ!」
中に入ってきた連中を見て俺は仰天した。
なんと入ってきたのは、黒いローブと十字架を持った堕天使海賊団の連中だった。どうやらこいつらは、俺様の力に目を付けていやがったようだ。
「な、なんだテメーらは!?」
酔っていても俺だって元Aランク冒険者だ。こいつら全部を倒すことはできないが、逃げるくらいのことならできる。
俺は近くにあったランプやらカバンやらパンツやら、そんじゅそこらのモノを投げつけて、連中がひるんだ隙に窓から飛び降りた。
たまたま下には、肥溜め業者がブツの溜まった荷車を止めていたせいで、俺様は一瞬にして汚物まみれになったが、このおかげで宿の前を取り囲んでいたカルト宗教海賊団は、全員が及び腰になった。
これはチャンスだぁ!
「……仲間作りだぁ!」
そう叫んで飛びかかると、さすがの悪名高い堕天使海賊団の連中も真っ青な顔をしながら逃げ始めた。おらおら、グズグズしていると、テメーらも仲間にすっぞ!
「ええい、お前たち……何をしている! ヤツを捕えろ! 金づ……じゃなかった……奴は邪悪な錬金術師だ。搾り取るだけ搾り取ってやれ!」
言うに事を欠いてるじゃねーか。この生臭エセ神父が。
なんだかとてもイラっと来た俺様は方向転換すると、そのまま神父へと向かって行き、ヤツに【ダイレクトハグ】をお見舞いしてやった。
「ぎゃヴぇるほr2fwkjっ!!」
先ほども言ったが、俺様は飛び降りた時に肥やし馬車の中に突っ込んでいる。だから体中が肥やしまみれなんだ。だから、ハグされると、神父様の御立派なエセキャソックも肥料まみれになるというワケだ。
「あーっはっはっはっは……汚物ゴーレムいっちょ上がり!」
「オーマイガー!」
止めの汚物キスを見舞うと、エセ神父様は魂が抜けた様子で昇天された。きっと今頃は素晴らしい世界で豪遊だろう。二度と戻って来るな!
俺はこの直後に、清楚な天使を装っていそうなエセシスターどもの中へと突っ込むと、こいつらも汚物に触れたくなかったと見えて次々と悲鳴を上げていた。
こうして俺様は、見事な機転によって九死に一生を得たワケだ。
ざまーみろ、堕天使ども!!
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