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15.ジルーも中ボスに
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ユニコーンの秘薬を出して3日後。
僕は秘薬そのものを通して、サラという少女の容態を確認していた。
どうやら彼女は僕が伝えた通り、朝と晩に1錠ずつ食後に飲んでくれているようだ。
すると、最初の1錠を服用して1時間もすると、まずは咳が止まり、翌日の朝には微熱も下がったらしく、3日目の朝になると、すっかり顔色もよくなって上機嫌に針仕事をしているみたいだ。
彼らなら、用法を守って最後まで服用してくれるだろう。
安心すると、僕は自分のポイントを眺めた。
今の僕のスペシャルポイントは137。
だいたい6時間ごとに9ポイントが入るうえに、ゴブリンなどの襲撃でもあるので、3日も経てばポイントはここまで回復するのである。
これだけのスペシャルポイントがあれば、まあ……不測の事態にも対処できるだろう。
そう思うと、僕はジルーを見た。
「魔王さま。今日は攻めてきたコボルドを倒しました」
「お疲れ様。そろそろ……ジルーもエリアマスターに昇格したいな」
そう伝えると、フリーダも頷いた。
「賛成です。彼女なら今まで以上に活躍してくれるでしょう」
「では、ジルー……僕の前に座って」
彼女は顔を赤らめながら近づいてくると、そのまま跪いた。
僕はジルーの背中に、ユニコーンの角を優しくつける。イメージとしては王が騎士に剣を付けるような感じだ。
すると、ユニコーンの角が光りを放ち、ジルーの纏っている霊力が増した。
フリーダが持っていた鏡にもジルーの持っているメンタルポイントや、使用可能な項目が映し出されていく。
【SP100/100】
―――――――――――――――――――
10P 宝箱設置
15P 小銀貨10枚生成
30P 大銀貨2枚生成
20P 武具修繕
5P アタックドッグ召喚
10P コボルド召喚
30P ミニフェンリル召喚
75P 迷いの森エリア設定
―――――――――――――――――――
3人でジルーの能力を覗くと、低コストだが扱いやすそうな能力が揃っている。
迷いの森は、オスカーの援軍に行ったときに、自分もこういう森の長になりたいという……まあ、憧れのようなモノが具現化したのだろう。
そして僕にとって嬉しいことは、ダンジョンもより広がって、入り口から普段ジルーのいる辺りまでは、彼女の区画になっているところだ。
後でジルーに小銭を支給して、ダンジョンに配置してもらおう。
彼女はしばらく自分の能力を眺めると、ミニフェンリルに興味を持ったようだ。
「魔王さま……」
「なんだい?」
「このミニフェンリルというモンスターを、召喚してもいいでしょうか?」
僕はすぐに頷いて許可を出した。
彼女は実際にミニフェンリルを召喚すると、ちょうど僕……つまりウマくらいの大きさのオオカミが現れる。
オオカミとして見ると大きいが、フェンリルとして見ればまだまだ子供という感じのサイズだ。
「よしよし……」
「グルルルルル……」
フェンリルはジルーによく懐いており、乗り物として使うこともバトルに使うこともできそうだ。
「フェンリルに跨るウェアウルフ……もうこれは、誰がどう見てもモンスターを統べる者ですね!」
フリーダが言うと、ジルーもフェンリルの背中に跨りながら答える。
「そういうフリーダさまだって、トレントを出したでしょう?」
「それとこれとは話が違いますよ」
僕は宝箱の中から、今まで手に入れた小銭の一部を出すと、ジルーとフリーダに手渡した。
「これを君たちの区画のどこでもいい。好きな場所に配置してくれ」
「わかりました」
「早速手配します」
2人が、それぞれの区画に戻ると、僕はどこに宝箱を配置するのか楽しみながら眺めた。
まずフリーダは、何もないところに銅貨の入っている宝箱だけをポツンとおいていた。これは……あれだ。あえて何もしないことがトラップというパターンだ。
普通の冒険者なら、宝箱ポツンをかえって罠だと思ってスルーしたり、無意味に鑑定魔法を使ったりする。
そしてジルーはと言えば、侵入した冒険者が遠回りする場所に設置していた。
それだけでなく、番人としてコボルド1匹とアタックドッグ3匹を配置している。これ……ジルーが侵入に気付いて近づけば、番人と協力して侵入者を挟み撃ちにできるのではないだろうか。
僕は僕で、自分のボスエリアの傍に固めて置いているし……宝箱の設置1つで、それぞれのフロアマスターの考え方の違いが出るからおもしろいものだ。
さて、自分のアイテムを見直すと……
【SP167/400】
―――――――――――――――――――
100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大3頭まで)
100P 婚約指輪
50P エリアマスター除名チケット
5P ゴブリン召喚
10P 従者の首輪
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
―――――――――――――――――――
【中ボスになったジルー】
僕は秘薬そのものを通して、サラという少女の容態を確認していた。
どうやら彼女は僕が伝えた通り、朝と晩に1錠ずつ食後に飲んでくれているようだ。
すると、最初の1錠を服用して1時間もすると、まずは咳が止まり、翌日の朝には微熱も下がったらしく、3日目の朝になると、すっかり顔色もよくなって上機嫌に針仕事をしているみたいだ。
彼らなら、用法を守って最後まで服用してくれるだろう。
安心すると、僕は自分のポイントを眺めた。
今の僕のスペシャルポイントは137。
だいたい6時間ごとに9ポイントが入るうえに、ゴブリンなどの襲撃でもあるので、3日も経てばポイントはここまで回復するのである。
これだけのスペシャルポイントがあれば、まあ……不測の事態にも対処できるだろう。
そう思うと、僕はジルーを見た。
「魔王さま。今日は攻めてきたコボルドを倒しました」
「お疲れ様。そろそろ……ジルーもエリアマスターに昇格したいな」
そう伝えると、フリーダも頷いた。
「賛成です。彼女なら今まで以上に活躍してくれるでしょう」
「では、ジルー……僕の前に座って」
彼女は顔を赤らめながら近づいてくると、そのまま跪いた。
僕はジルーの背中に、ユニコーンの角を優しくつける。イメージとしては王が騎士に剣を付けるような感じだ。
すると、ユニコーンの角が光りを放ち、ジルーの纏っている霊力が増した。
フリーダが持っていた鏡にもジルーの持っているメンタルポイントや、使用可能な項目が映し出されていく。
【SP100/100】
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10P 宝箱設置
15P 小銀貨10枚生成
30P 大銀貨2枚生成
20P 武具修繕
5P アタックドッグ召喚
10P コボルド召喚
30P ミニフェンリル召喚
75P 迷いの森エリア設定
―――――――――――――――――――
3人でジルーの能力を覗くと、低コストだが扱いやすそうな能力が揃っている。
迷いの森は、オスカーの援軍に行ったときに、自分もこういう森の長になりたいという……まあ、憧れのようなモノが具現化したのだろう。
そして僕にとって嬉しいことは、ダンジョンもより広がって、入り口から普段ジルーのいる辺りまでは、彼女の区画になっているところだ。
後でジルーに小銭を支給して、ダンジョンに配置してもらおう。
彼女はしばらく自分の能力を眺めると、ミニフェンリルに興味を持ったようだ。
「魔王さま……」
「なんだい?」
「このミニフェンリルというモンスターを、召喚してもいいでしょうか?」
僕はすぐに頷いて許可を出した。
彼女は実際にミニフェンリルを召喚すると、ちょうど僕……つまりウマくらいの大きさのオオカミが現れる。
オオカミとして見ると大きいが、フェンリルとして見ればまだまだ子供という感じのサイズだ。
「よしよし……」
「グルルルルル……」
フェンリルはジルーによく懐いており、乗り物として使うこともバトルに使うこともできそうだ。
「フェンリルに跨るウェアウルフ……もうこれは、誰がどう見てもモンスターを統べる者ですね!」
フリーダが言うと、ジルーもフェンリルの背中に跨りながら答える。
「そういうフリーダさまだって、トレントを出したでしょう?」
「それとこれとは話が違いますよ」
僕は宝箱の中から、今まで手に入れた小銭の一部を出すと、ジルーとフリーダに手渡した。
「これを君たちの区画のどこでもいい。好きな場所に配置してくれ」
「わかりました」
「早速手配します」
2人が、それぞれの区画に戻ると、僕はどこに宝箱を配置するのか楽しみながら眺めた。
まずフリーダは、何もないところに銅貨の入っている宝箱だけをポツンとおいていた。これは……あれだ。あえて何もしないことがトラップというパターンだ。
普通の冒険者なら、宝箱ポツンをかえって罠だと思ってスルーしたり、無意味に鑑定魔法を使ったりする。
そしてジルーはと言えば、侵入した冒険者が遠回りする場所に設置していた。
それだけでなく、番人としてコボルド1匹とアタックドッグ3匹を配置している。これ……ジルーが侵入に気付いて近づけば、番人と協力して侵入者を挟み撃ちにできるのではないだろうか。
僕は僕で、自分のボスエリアの傍に固めて置いているし……宝箱の設置1つで、それぞれのフロアマスターの考え方の違いが出るからおもしろいものだ。
さて、自分のアイテムを見直すと……
【SP167/400】
―――――――――――――――――――
100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大3頭まで)
100P 婚約指輪
50P エリアマスター除名チケット
5P ゴブリン召喚
10P 従者の首輪
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
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【中ボスになったジルー】
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