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4.マルクフリーダを中ボスに
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僕は鏡に映った魔王のメニューではなく、フリーダに視線を向けた。
「あの……私の顔に何かついていますか?」
「いや、ちょっとじっとしてて」
彼女をじっと眺めていると、僕の脳裏にダンジョンの見取り図のようなイメージが浮かんできた。
僕はフリーダを意識しながら、ダンジョンのどこに配置するのが適任かを考えていく。
彼女はダンジョン生成の要なのだから、盾のように入り口や途中の道に配置するのは良くない。むしろ、安全な多くのようなエリアに配置して、後方支援を担当すべき人材だろう。
そう思ったとき、本能的にダンジョンのレベルが足りないという結論が出た。これは……ひと工夫する必要がありそうだ。
【SP300/300】
―――――――――――――――――――
100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大2頭)
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
―――――――――――――――――――
僕は再び、鏡に映っている文字に目を向けた。
やはり気になるのは、宝箱という項目と、大銀貨5枚生成という言葉だ。これを例えば……ボスの間の後ろに配置するのはどうだろう。
SPを40ポイントほど使うと、ボスの間の隅に宝箱が現れ、更に箱の中には大きな銀貨が5枚現れた。
配置はここでいいと判断すると、宝箱は自動的に閉じていく。
「あるじさま。どうやら、財宝を出したことでダンジョンがより成長したようです」
「うん。ではフリーダ……君を新しく広がった、奥の間のエリアマスターに任命する!」
そう伝えると、フリーダは胸に拳を当てて騎士のように跪いた。
「謹んでお受けします!」
彼女が答えると、おや……フリーダの霊力が強まっていく。
「…………」
「…………」
フリーダの頭には月桂樹の冠が現れ、更に青色のマントを見に付けていた。
それだけでなく、彼女の瞳にも何か数字や文字のようなモノが映っている。もしかして……彼女にも僕と同じような能力が付いたのではないだろうか。
彼女は言う。
「あるじさま。どうやら私も100ほど、スペシャルポイントを使えるようになったようです。それに……あるじさまの霊力も強まったみたいですよ」
「え? どれどれ……?」
試しに自分の能力を確認してみると……
【SP310/350】
―――――――――――――――――――
100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大2頭)
50P エリアマスター除名権
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
―――――――――――――――――――
確かにスペシャルポイントが増えている。
この50は、大いに意味のある数字だろう。
ところで、エリアマスターを除名するにもチケットが必要なのか。こうやって考えると、誰かを新たに任命する場合は、特に気を付けて任命しなければいけないことになるな。
そんなことを考えていたら、フリーダもまた別の手鏡を出して、自分の項目を調べていた。
僕も興味をそそられたので、少し調べてみると……
【SP100/100】
―――――――――――――――――――
100P 退職代行チケット
10P 宝箱設置
15P 小銀貨10枚生成
30P 大銀貨2枚生成
10P ウッドパペット設置
20P ストーンゴーレム設置
30P グリーンスライム設置
50P トレント設置
―――――――――――――――――――
僕とフリーダは、しばらくお互いの召喚項目やコインの交換レートなどを眺めた。
「ねえ、これさ……コインとかは僕が出した方がお得じゃないかな?」
「確かに……私は、モンスターの設置を優先すべきですね」
彼女はまず、ストーンゴーレムを設置することを選んだ。
配置場所は、僕のエリアと彼女のエリアの境界線だ。ちょうど木の陰に隠れるように配置しているので、敵からも気づかれにくいから奇襲もできるだろう。
次に彼女は、奥のエリアのボスの間の前に、グリーンスライムを設置していた。
確かに敵によっては、獣道を見つけたりして僕を避け、後方支援要員を直接攻略にくる可能性もある。そういう連中にグリーンスライムをけしかければ、それなりの時間を稼ぐことも可能だろう。
彼女は、残り50ポイントになった自分の項目を見てから、こちらに視線を向けた。
「とりあえず、これで経過を見守りましょうか?」
「そうだね。こんな森の奥に誰が来るとも限らないけど……一応、用心はしておこう」
こうして、ダンジョンマスターの初日は終わった。
5年以内に、およそ8割が脱落すると言われる、この魔王の世界……僕は果たしてどれくらい生き延びることができるだろう。
【エリアマスターになったフリーダ】
「あの……私の顔に何かついていますか?」
「いや、ちょっとじっとしてて」
彼女をじっと眺めていると、僕の脳裏にダンジョンの見取り図のようなイメージが浮かんできた。
僕はフリーダを意識しながら、ダンジョンのどこに配置するのが適任かを考えていく。
彼女はダンジョン生成の要なのだから、盾のように入り口や途中の道に配置するのは良くない。むしろ、安全な多くのようなエリアに配置して、後方支援を担当すべき人材だろう。
そう思ったとき、本能的にダンジョンのレベルが足りないという結論が出た。これは……ひと工夫する必要がありそうだ。
【SP300/300】
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100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大2頭)
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
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僕は再び、鏡に映っている文字に目を向けた。
やはり気になるのは、宝箱という項目と、大銀貨5枚生成という言葉だ。これを例えば……ボスの間の後ろに配置するのはどうだろう。
SPを40ポイントほど使うと、ボスの間の隅に宝箱が現れ、更に箱の中には大きな銀貨が5枚現れた。
配置はここでいいと判断すると、宝箱は自動的に閉じていく。
「あるじさま。どうやら、財宝を出したことでダンジョンがより成長したようです」
「うん。ではフリーダ……君を新しく広がった、奥の間のエリアマスターに任命する!」
そう伝えると、フリーダは胸に拳を当てて騎士のように跪いた。
「謹んでお受けします!」
彼女が答えると、おや……フリーダの霊力が強まっていく。
「…………」
「…………」
フリーダの頭には月桂樹の冠が現れ、更に青色のマントを見に付けていた。
それだけでなく、彼女の瞳にも何か数字や文字のようなモノが映っている。もしかして……彼女にも僕と同じような能力が付いたのではないだろうか。
彼女は言う。
「あるじさま。どうやら私も100ほど、スペシャルポイントを使えるようになったようです。それに……あるじさまの霊力も強まったみたいですよ」
「え? どれどれ……?」
試しに自分の能力を確認してみると……
【SP310/350】
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100P 魔将軍の求人票作成
100P 分身召喚(最大2頭)
50P エリアマスター除名権
10P 宝箱設置
50P 鍵付き宝箱設置
30P 大銀貨5枚生成
50P 小金貨1枚生成
―――――――――――――――――――
確かにスペシャルポイントが増えている。
この50は、大いに意味のある数字だろう。
ところで、エリアマスターを除名するにもチケットが必要なのか。こうやって考えると、誰かを新たに任命する場合は、特に気を付けて任命しなければいけないことになるな。
そんなことを考えていたら、フリーダもまた別の手鏡を出して、自分の項目を調べていた。
僕も興味をそそられたので、少し調べてみると……
【SP100/100】
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100P 退職代行チケット
10P 宝箱設置
15P 小銀貨10枚生成
30P 大銀貨2枚生成
10P ウッドパペット設置
20P ストーンゴーレム設置
30P グリーンスライム設置
50P トレント設置
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僕とフリーダは、しばらくお互いの召喚項目やコインの交換レートなどを眺めた。
「ねえ、これさ……コインとかは僕が出した方がお得じゃないかな?」
「確かに……私は、モンスターの設置を優先すべきですね」
彼女はまず、ストーンゴーレムを設置することを選んだ。
配置場所は、僕のエリアと彼女のエリアの境界線だ。ちょうど木の陰に隠れるように配置しているので、敵からも気づかれにくいから奇襲もできるだろう。
次に彼女は、奥のエリアのボスの間の前に、グリーンスライムを設置していた。
確かに敵によっては、獣道を見つけたりして僕を避け、後方支援要員を直接攻略にくる可能性もある。そういう連中にグリーンスライムをけしかければ、それなりの時間を稼ぐことも可能だろう。
彼女は、残り50ポイントになった自分の項目を見てから、こちらに視線を向けた。
「とりあえず、これで経過を見守りましょうか?」
「そうだね。こんな森の奥に誰が来るとも限らないけど……一応、用心はしておこう」
こうして、ダンジョンマスターの初日は終わった。
5年以内に、およそ8割が脱落すると言われる、この魔王の世界……僕は果たしてどれくらい生き延びることができるだろう。
【エリアマスターになったフリーダ】
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