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49.街で起こった騒動
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間もなく僕は表へと出ると、スモック使いの上に出て身体で押しつぶしていた。
「………?」
「ぐえええええええ!?」
どうしてこうなっているのか理解できなかったが、目の前にいるジェシカが頬を腫らしているのを見て納得した。
スモック使いはタイミング悪くジェシカを殴っており、そこに石破壊をした僕が登場。
しかし、スモック使いが手を伸ばしている状態だったので、僕が出る場所がなく、頭上か何かに出て、タイミングよく上から押しつぶす格好になったのだろう。
「君の能力は、決して無敵の能力なんかではない。インパクトの瞬間0.1秒くらいは肉体が実体化する」
「そ、そうなのか……ぐああああ……」
「そして、一度こうやって捕まると、もうスモックは発動しないみたいだね?」
「ギブ……ギブギブギブ! 潰れる、潰れるって!」
「川に投げた女の人の石が戻るまではこのままだ。しばらく地獄を味わえ!」
そう脅迫すると男は指をはじいて、自分の手元に石を呼び寄せた。
どうやら【ザ・コレクションズ】には、こういうことをする力もあるようだ。
キンバリーは男から石を取り上げると、レフトダガーで器用に石を壊していき、中にいた女性を解放した。
「あ、ありがとうございます!」
「ここは危険です。すぐに安全な場所に避難してください」
「はい!」
「た、助けたぞ……いい加減にしてくれ、マジで潰れる!」
「スカーレット」
彼女は頷くと指をはじいて、スモック使いを収納・鷲掴みにした。
「では、兵士たちに突き出してきます」
「頼んだよ!」
彼女が飛び去ったあと、キンバリーは少し興奮した様子で僕を見てきた。
「すごかったですね……まさかユニコーンホーンには、あの石の空間から出る力もあるなんて!」
「この角だけだと不可能だっただろうけど、ちょうど君のレフトダガーが思い浮かんでね。固有魔法化させてもらった」
そう伝えると、キンバリーよりもクロエとジェシカが驚いていた。
「う、うそ……ちょっと待って、キンバリーのレフトダガーって、異世界勇者カイトさんとお揃いの能力だよ!?」
「一般魔法と元のアビリティがなくても、固有魔法を作ることができるのですか!?」
「これは本当に特殊な例だよ。キンバリーとは恋人同士だったからこそできた……というべきかな」
「……そういうものなのですか」
ジェシカとクロエは呆然とした様子でキンバリーを見ていたが、キンバリーはどこか嬉しそうだった。
「お役に立てたのなら……幸いです!」
その後、残った4人で戻っていると、先ほど向かったはずのスカーレットが血相を変えて戻ってきた。いったい、どうしたんだろう?
「ど、どうしたんだい?」
「大変です! 街で……夜中にも関わらずに多くの人々が出歩いていました!」
「え……?」
スカーレットの報告に、僕は自分の耳を疑っていた。
今は真夜中である。祭りのあった日ならともかく、こういう平常時に人が外を歩いていたら、兵士などに怒られて追い返されるモノではないのだろうか。
「なに? 暴動でも起こっているのかい?」
「それが……歩き方も妙だったんです。なんというか不自然というか……」
その直後にスモック使いの声も聞こえてきた。
「あの動き方はまるでゾンビだったよぉ……」
「ゾンビ!? ゾンビって……ゲームとか映画とかに出てくる、あのゾンビかい?」
そう質問を返すと、スモック使いは「そう、それ!」という答えを返してきた。
「オイラも、あの中に放り込まれるのだけは勘弁だな……」
僕は少し考えこんだ。
途中で裏切られるリスクもあるから危険な選択だが、コイツのコレクションの力なら……ゾンビ化した人たちを隔離することができるのではないだろうか?
「ねえ……スモック使い」
そう声をかけると、スモック使いは「ん、なんだい?」と声をかけてきた。
「今後、人狩りを止めると約束するのなら……うちのギルドに入れるように、支部長に働きかけてもいいよ」
仲間たちは驚いた顔で僕を眺めてきた。
「ほ、本気で言っているの……隊長!?」
「寝込みを襲われるかもしれませんよ!」
クロエとスカーレットは、すぐに反論してきたが僕にだって勝算はある。
「そんなこと言って……どうせブラックギルドなんでしょ。こき使われるのはごめんだよ」
僕はスモック使いを見た。
「うちのギルドの取り分は2割だよ」
「え……? いま、なんと??」
「我がフロンティア・トリトンズの中間マージンは、報酬の20パーセント」
「や、や、や……安っ!」
その直後にスモック使いは言った。
「この……烽火山肇をぜひ、あなたの部隊に入れてください!」
きみ……そういう名前だったのか……
「………?」
「ぐえええええええ!?」
どうしてこうなっているのか理解できなかったが、目の前にいるジェシカが頬を腫らしているのを見て納得した。
スモック使いはタイミング悪くジェシカを殴っており、そこに石破壊をした僕が登場。
しかし、スモック使いが手を伸ばしている状態だったので、僕が出る場所がなく、頭上か何かに出て、タイミングよく上から押しつぶす格好になったのだろう。
「君の能力は、決して無敵の能力なんかではない。インパクトの瞬間0.1秒くらいは肉体が実体化する」
「そ、そうなのか……ぐああああ……」
「そして、一度こうやって捕まると、もうスモックは発動しないみたいだね?」
「ギブ……ギブギブギブ! 潰れる、潰れるって!」
「川に投げた女の人の石が戻るまではこのままだ。しばらく地獄を味わえ!」
そう脅迫すると男は指をはじいて、自分の手元に石を呼び寄せた。
どうやら【ザ・コレクションズ】には、こういうことをする力もあるようだ。
キンバリーは男から石を取り上げると、レフトダガーで器用に石を壊していき、中にいた女性を解放した。
「あ、ありがとうございます!」
「ここは危険です。すぐに安全な場所に避難してください」
「はい!」
「た、助けたぞ……いい加減にしてくれ、マジで潰れる!」
「スカーレット」
彼女は頷くと指をはじいて、スモック使いを収納・鷲掴みにした。
「では、兵士たちに突き出してきます」
「頼んだよ!」
彼女が飛び去ったあと、キンバリーは少し興奮した様子で僕を見てきた。
「すごかったですね……まさかユニコーンホーンには、あの石の空間から出る力もあるなんて!」
「この角だけだと不可能だっただろうけど、ちょうど君のレフトダガーが思い浮かんでね。固有魔法化させてもらった」
そう伝えると、キンバリーよりもクロエとジェシカが驚いていた。
「う、うそ……ちょっと待って、キンバリーのレフトダガーって、異世界勇者カイトさんとお揃いの能力だよ!?」
「一般魔法と元のアビリティがなくても、固有魔法を作ることができるのですか!?」
「これは本当に特殊な例だよ。キンバリーとは恋人同士だったからこそできた……というべきかな」
「……そういうものなのですか」
ジェシカとクロエは呆然とした様子でキンバリーを見ていたが、キンバリーはどこか嬉しそうだった。
「お役に立てたのなら……幸いです!」
その後、残った4人で戻っていると、先ほど向かったはずのスカーレットが血相を変えて戻ってきた。いったい、どうしたんだろう?
「ど、どうしたんだい?」
「大変です! 街で……夜中にも関わらずに多くの人々が出歩いていました!」
「え……?」
スカーレットの報告に、僕は自分の耳を疑っていた。
今は真夜中である。祭りのあった日ならともかく、こういう平常時に人が外を歩いていたら、兵士などに怒られて追い返されるモノではないのだろうか。
「なに? 暴動でも起こっているのかい?」
「それが……歩き方も妙だったんです。なんというか不自然というか……」
その直後にスモック使いの声も聞こえてきた。
「あの動き方はまるでゾンビだったよぉ……」
「ゾンビ!? ゾンビって……ゲームとか映画とかに出てくる、あのゾンビかい?」
そう質問を返すと、スモック使いは「そう、それ!」という答えを返してきた。
「オイラも、あの中に放り込まれるのだけは勘弁だな……」
僕は少し考えこんだ。
途中で裏切られるリスクもあるから危険な選択だが、コイツのコレクションの力なら……ゾンビ化した人たちを隔離することができるのではないだろうか?
「ねえ……スモック使い」
そう声をかけると、スモック使いは「ん、なんだい?」と声をかけてきた。
「今後、人狩りを止めると約束するのなら……うちのギルドに入れるように、支部長に働きかけてもいいよ」
仲間たちは驚いた顔で僕を眺めてきた。
「ほ、本気で言っているの……隊長!?」
「寝込みを襲われるかもしれませんよ!」
クロエとスカーレットは、すぐに反論してきたが僕にだって勝算はある。
「そんなこと言って……どうせブラックギルドなんでしょ。こき使われるのはごめんだよ」
僕はスモック使いを見た。
「うちのギルドの取り分は2割だよ」
「え……? いま、なんと??」
「我がフロンティア・トリトンズの中間マージンは、報酬の20パーセント」
「や、や、や……安っ!」
その直後にスモック使いは言った。
「この……烽火山肇をぜひ、あなたの部隊に入れてください!」
きみ……そういう名前だったのか……
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