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41.ニート一角獣と元ニート転移者
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スティレット支部長のニート息子、チャクラムがやってきて3日。
僕はどうしても確かめたいことがあったので、キンバリーに話をしていた。
「チャクラムさんに……ですか?」
「うん、まだ会話らしい会話をしたことがなかったんだけど、これ……」
僕はそう言いながら、自分の透明な首輪を指さした。
「あのチャクラムという牡ユニコーン。僕の喉元をじっと眺めていたんだ」
「そう……でしたか?」
どうやらキンバリーは気づいていないようだが、これは間違いない。
チャクラムはやって来て父親と話をしながら、横目で僕のことを眺めていた。
最初は東洋人だから珍しいのかと思っていたが、よく観察すると、その視線は僕の首元に向いている感じがしたのである。
「だから、挨拶も兼ねて一度……前線基地に行ってみようと思うんだ」
そう提案してみると、キンバリーも頷いた。
「そうですね。スカーレットも誘って3人で行ってきましょうか」
彼女はニコニコと笑っていたが、耳をピクリと動かすと窓を開けて隣の部屋を見ていた。そこにはスカーレットだけでなく、ウェアウルフのクロエも聞き耳を立てていて、彼女たちは笑いながら誤魔化そうとしていた。
「……あなた、どうやらジェシカさんも誘って5人で行くことになりそうです」
部隊で挨拶、というのも一興かもしれない。
こうして僕は、パーティーを率いてチャクラムのいる前線基地へと向かった。
そこでは、スカーレットの妹が掃き掃除をしており、チャクラムはと言えば、前線基地の庭に設けられた放牧エリアでのんびりとしている。
スカーレットの妹は、にっこりと笑って挨拶をしてくれた。
「アキノスケ隊長! 今日はどのようなご要件でしょうか?」
「チャクラムさんと少しお話したいことがあってね」
自分の名前を聞くと、一角獣チャクラムはゆっくりと歩み寄ってきた。
『愚生になにかようかい?』
「少し、これのことについて……」
そう言いながら、僕自身の首に指を向けると、チャクラムは目を細めた。
『少し、医務室に行こうか……キンバリーお姉さんもね』
その反応を見て、やはり単なるニートウマではないことを確信した。
一角獣チャクラムには、やはり見えているのだろう。
チャクラムは僕とキンバリーを医務室に招くと、雰囲気をガラリと変えて僕の首元を睨んだ。
『厄介なモノを付けられてしまったね。これはいつ頃からだい?』
キンバリーは視線を上げて考え込んだ。
「アキノスケ様と出逢ったときからですから、もう……1ヶ月ほどでしょうか?」
『御神木からも聞きましたが、ダークギフトですよね?』
チャクラムは険しい顔をしたまま頷いた。
『身体に違和感とかは?』
僕は少し考えてから答えた。
「……特には」
「私も異常はなさそうです」
『なるほど……』
チャクラムは、キンバリーの首元も見てから言った。
『確かに、ダークギフトの一種だろうと思うけど、ここまで悪意を感じない代物は初めてだ。逆に……それが不気味になる』
「チャクラムさんは、これをどう診ますか?」
『…………』
チャクラムは難しい顔をした。
『不可解なもの……としか言えない。直接、付けた本人に会って確認したいところだけど……』
「残念ながら、僕は誰が付けたのかさえもわかりません」
キンバリーに視線を向けると、彼女も困り顔になった。
「……私もです」
チャクラムは『そうだろうね……』と呟きながら、少し考えると、視線を上げた。
『あれ……?』
「どうしました?」
『廊下を歩いているときに、お父さんや御神木でも見ることが出来なかったって言ってたよね?』
「はい。そうみたいですが?」
チャクラムは視線を上げた。
『どうして愚生には見えているんだろう……?』
そういえば、彼にだけ見えているというのもおかしな話である。
僕たちも少し考えると、キンバリーが言った。
「チャクラムさんだけが、持っている特別なアビリティがある……とか?」
チャクラムは視線を上げて考え込んだ。
『愚生の持っているアビリティは……【ヒーリング】と、【ウイングユニコーン】と、【ペネトレーション】と、【アブソルートマナセンス】くらいだよ』
僕とキンバリーは、すぐに反応した。
「それだ!」
『え……? どれのこと??』
意外と本人は気づかないらしく、アブソルートマナセンスであることを理解するには、少し時間がかかった。
【一角獣チャクラム(普段)】
僕はどうしても確かめたいことがあったので、キンバリーに話をしていた。
「チャクラムさんに……ですか?」
「うん、まだ会話らしい会話をしたことがなかったんだけど、これ……」
僕はそう言いながら、自分の透明な首輪を指さした。
「あのチャクラムという牡ユニコーン。僕の喉元をじっと眺めていたんだ」
「そう……でしたか?」
どうやらキンバリーは気づいていないようだが、これは間違いない。
チャクラムはやって来て父親と話をしながら、横目で僕のことを眺めていた。
最初は東洋人だから珍しいのかと思っていたが、よく観察すると、その視線は僕の首元に向いている感じがしたのである。
「だから、挨拶も兼ねて一度……前線基地に行ってみようと思うんだ」
そう提案してみると、キンバリーも頷いた。
「そうですね。スカーレットも誘って3人で行ってきましょうか」
彼女はニコニコと笑っていたが、耳をピクリと動かすと窓を開けて隣の部屋を見ていた。そこにはスカーレットだけでなく、ウェアウルフのクロエも聞き耳を立てていて、彼女たちは笑いながら誤魔化そうとしていた。
「……あなた、どうやらジェシカさんも誘って5人で行くことになりそうです」
部隊で挨拶、というのも一興かもしれない。
こうして僕は、パーティーを率いてチャクラムのいる前線基地へと向かった。
そこでは、スカーレットの妹が掃き掃除をしており、チャクラムはと言えば、前線基地の庭に設けられた放牧エリアでのんびりとしている。
スカーレットの妹は、にっこりと笑って挨拶をしてくれた。
「アキノスケ隊長! 今日はどのようなご要件でしょうか?」
「チャクラムさんと少しお話したいことがあってね」
自分の名前を聞くと、一角獣チャクラムはゆっくりと歩み寄ってきた。
『愚生になにかようかい?』
「少し、これのことについて……」
そう言いながら、僕自身の首に指を向けると、チャクラムは目を細めた。
『少し、医務室に行こうか……キンバリーお姉さんもね』
その反応を見て、やはり単なるニートウマではないことを確信した。
一角獣チャクラムには、やはり見えているのだろう。
チャクラムは僕とキンバリーを医務室に招くと、雰囲気をガラリと変えて僕の首元を睨んだ。
『厄介なモノを付けられてしまったね。これはいつ頃からだい?』
キンバリーは視線を上げて考え込んだ。
「アキノスケ様と出逢ったときからですから、もう……1ヶ月ほどでしょうか?」
『御神木からも聞きましたが、ダークギフトですよね?』
チャクラムは険しい顔をしたまま頷いた。
『身体に違和感とかは?』
僕は少し考えてから答えた。
「……特には」
「私も異常はなさそうです」
『なるほど……』
チャクラムは、キンバリーの首元も見てから言った。
『確かに、ダークギフトの一種だろうと思うけど、ここまで悪意を感じない代物は初めてだ。逆に……それが不気味になる』
「チャクラムさんは、これをどう診ますか?」
『…………』
チャクラムは難しい顔をした。
『不可解なもの……としか言えない。直接、付けた本人に会って確認したいところだけど……』
「残念ながら、僕は誰が付けたのかさえもわかりません」
キンバリーに視線を向けると、彼女も困り顔になった。
「……私もです」
チャクラムは『そうだろうね……』と呟きながら、少し考えると、視線を上げた。
『あれ……?』
「どうしました?」
『廊下を歩いているときに、お父さんや御神木でも見ることが出来なかったって言ってたよね?』
「はい。そうみたいですが?」
チャクラムは視線を上げた。
『どうして愚生には見えているんだろう……?』
そういえば、彼にだけ見えているというのもおかしな話である。
僕たちも少し考えると、キンバリーが言った。
「チャクラムさんだけが、持っている特別なアビリティがある……とか?」
チャクラムは視線を上げて考え込んだ。
『愚生の持っているアビリティは……【ヒーリング】と、【ウイングユニコーン】と、【ペネトレーション】と、【アブソルートマナセンス】くらいだよ』
僕とキンバリーは、すぐに反応した。
「それだ!」
『え……? どれのこと??』
意外と本人は気づかないらしく、アブソルートマナセンスであることを理解するには、少し時間がかかった。
【一角獣チャクラム(普段)】
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