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39.ギルドに帰還してみると……
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最後の薬草を摘み終えると、僕たちは舟へと戻った。
「じゃあ出るよ~」
全ての薬草やキノコを揃えたモーヴは、ニコニコと笑っていた。
「こんなにスムーズに全ての薬草が揃ったのは初めてです」
「お役に立てたのなら幸いです。ぜひ、今後もトリトンズをよろしくお願いします」
和やかな雰囲気のまま薬草摘みも終わり、僕たちの初任務は大成功を収めた。
「舟は私が手入れしておくから、隊長たちはモーヴさんの見送りよろしくね!」
「わかった」
この薬草摘みの任務は、依頼主をギルドまで送り届けるところまでとなっているので、僕はジェシカやスカーレットの3人で、モーヴの護衛につくことにした。
ちなみにキンバリーには、ギルドへの書類提出などをお願いしている。
僕たちは、新冒険者街の中央通りに向かっていた。
モーヴのいるグリーンスタッフは、中央通りを越えた先の商店街にあるギルドなので、あと10分もあれば十分に着けるだろう。
雑談をしながら進んでいくと、おや中央通りの方角が騒がしい。
「何かあったのか?」
ジェシカが首をひねると、スカーレットは翼を広げてジャンプした。
彼女は5メートルほど上空から、中央通りの様子を眺めたが、すぐに血相を変えた様子で降りてきた。
「た、大変……すぐに退避しないと!」
「どうしたの?」
「レッドトマホークのギルド員と、アイアンメイスのギルド員が争っているの! このままじゃ巻き込まれちゃう!!」
「なんだって!?」
僕たちはすぐに道を引き返して、フロンティアトリトンズの事務所へと退避した。
受付嬢ソフィアや、書類を書いていたキンバリーは、モーヴが戻ってきたことに驚いていたが、事情を説明するとすぐに納得した。
「武力衝突ですか……その様子だと交渉も決裂したというわけですね」
「モーヴさんのギルド、確か教会とそれほど離れていませんでしたよね?」
「はい。申し訳ありませんが、街の中が落ち着くまで滞在させていただいてもよろしいでしょうか?」
その話を聞いたソフィアは、すぐにお茶を出した。
「もちろんです! ゆっくりしていってください」
この街中で起きた内乱は、圧倒的なギルド員を持つレッドトマホークが勝利する形で終わったようだ。
アイアンメイス側は、多数の死傷者を出しただけでなく、何人ものギルド員がレッドトマホークに拉致されることとなり、被害を受けたアイアンメイスは国にレッドトマホークの処罰を求める行動に出た。
当然のことながら、フロンティア王国側は街中で争ったアイアンメイスの訴えを退け、レッドトマホークとアイアンメイスに短期間の業務停止命令と、捕虜の速やかな返還を行うように警告した。
兵士たちが警備に着いたおかげで、モーヴも無事にギルドへと帰ることができたが、街の荒れ具合に、僕たちは声を失いながらギルドへと帰還した。
「凄い有り様だったね……」
そう呟くように言うと、キンバリーが頷いた。
「はい。あれでは……ギルドで協力して街を守るという話も……難しいでしょうね」
「そうだね。ギルド同士の仲が悪すぎる」
この新冒険者街には、大小合わせて200近い冒険者ギルドがあるけれど、大きいのはレッドトマホークをはじめとした4つのギルドだ。
アキノスケ・キンバリー世代版は、こんな感じになる。
レッドトマホークから各ギルドへ。
対インディゴメイルズ →くたばれ偽善者
対シャドーアローズ →魔物にレア能力者さらわれてやんの。めっちゃ笑える!
対アイアンメイス →善人の皮を被った最悪のゴミ。逝ってよし!
対トリトンズ →面倒くさい人魚軍団。つーか勇者……特にスティレット親子がウザうらやま
インディゴメイルズから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →街を荒らすんじゃねえクソ犯罪者ども
対シャドーアローズ →魔物にギルド破壊されてザマァ!
対アイアンメイス →お前らさぁ……なにバカやってんだよ(怒)
対トリトンズ →スティレット一門が素敵すぎ。もっと仲良くしよう!
シャドーアローズから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →くたばれ犯罪者
対インディゴメイルズ →くたばれ偽善者
対アイアンメイス →くたばれ大カルト集団
対トリトンズ →いなければいないで困るが、スティレットがとにかくうぜぇ
アイアンメイスから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →地獄に落ちろ犯罪者ども
対インディゴメイルズ →なんで助けてくれないんだよ、酷いじゃないか(怒)
対シャドーアローズ →テメーらは害獣駆除だけしてろks!
対トリトンズ →スティレットがウザうらやま。つーか、正しい神様を信仰しろ!
「……ごらんの通り、仲の悪いギルドばっかりだよね」
各ギルドメンバーが、酒場などで愚痴った言葉で多いモノをピックアップした紙を見ると、全員が苦笑していた。
「これは……協力は難しいね」
「というか、アイアンメイスの言葉遣いが汚いな……」
ジェシカが言うと、キンバリーも苦笑したまま答えた。
「最近の神兵や僧兵には、荒くれ者も多いと聞いていますからね……」
けっきょく、亀裂だらけの冒険者街だったが、王国側は強引に各ギルドに北門を守るためのギルド員を派遣するように通達を出した。
各ギルドの不満がくすぶるなか、頭から押さえつける形となったが、果たしてうまくいくのだろうか?
【王国の偉い人(こいつらは、自分たちの街も守れんのか……このゴロツキどもめ!)】
「じゃあ出るよ~」
全ての薬草やキノコを揃えたモーヴは、ニコニコと笑っていた。
「こんなにスムーズに全ての薬草が揃ったのは初めてです」
「お役に立てたのなら幸いです。ぜひ、今後もトリトンズをよろしくお願いします」
和やかな雰囲気のまま薬草摘みも終わり、僕たちの初任務は大成功を収めた。
「舟は私が手入れしておくから、隊長たちはモーヴさんの見送りよろしくね!」
「わかった」
この薬草摘みの任務は、依頼主をギルドまで送り届けるところまでとなっているので、僕はジェシカやスカーレットの3人で、モーヴの護衛につくことにした。
ちなみにキンバリーには、ギルドへの書類提出などをお願いしている。
僕たちは、新冒険者街の中央通りに向かっていた。
モーヴのいるグリーンスタッフは、中央通りを越えた先の商店街にあるギルドなので、あと10分もあれば十分に着けるだろう。
雑談をしながら進んでいくと、おや中央通りの方角が騒がしい。
「何かあったのか?」
ジェシカが首をひねると、スカーレットは翼を広げてジャンプした。
彼女は5メートルほど上空から、中央通りの様子を眺めたが、すぐに血相を変えた様子で降りてきた。
「た、大変……すぐに退避しないと!」
「どうしたの?」
「レッドトマホークのギルド員と、アイアンメイスのギルド員が争っているの! このままじゃ巻き込まれちゃう!!」
「なんだって!?」
僕たちはすぐに道を引き返して、フロンティアトリトンズの事務所へと退避した。
受付嬢ソフィアや、書類を書いていたキンバリーは、モーヴが戻ってきたことに驚いていたが、事情を説明するとすぐに納得した。
「武力衝突ですか……その様子だと交渉も決裂したというわけですね」
「モーヴさんのギルド、確か教会とそれほど離れていませんでしたよね?」
「はい。申し訳ありませんが、街の中が落ち着くまで滞在させていただいてもよろしいでしょうか?」
その話を聞いたソフィアは、すぐにお茶を出した。
「もちろんです! ゆっくりしていってください」
この街中で起きた内乱は、圧倒的なギルド員を持つレッドトマホークが勝利する形で終わったようだ。
アイアンメイス側は、多数の死傷者を出しただけでなく、何人ものギルド員がレッドトマホークに拉致されることとなり、被害を受けたアイアンメイスは国にレッドトマホークの処罰を求める行動に出た。
当然のことながら、フロンティア王国側は街中で争ったアイアンメイスの訴えを退け、レッドトマホークとアイアンメイスに短期間の業務停止命令と、捕虜の速やかな返還を行うように警告した。
兵士たちが警備に着いたおかげで、モーヴも無事にギルドへと帰ることができたが、街の荒れ具合に、僕たちは声を失いながらギルドへと帰還した。
「凄い有り様だったね……」
そう呟くように言うと、キンバリーが頷いた。
「はい。あれでは……ギルドで協力して街を守るという話も……難しいでしょうね」
「そうだね。ギルド同士の仲が悪すぎる」
この新冒険者街には、大小合わせて200近い冒険者ギルドがあるけれど、大きいのはレッドトマホークをはじめとした4つのギルドだ。
アキノスケ・キンバリー世代版は、こんな感じになる。
レッドトマホークから各ギルドへ。
対インディゴメイルズ →くたばれ偽善者
対シャドーアローズ →魔物にレア能力者さらわれてやんの。めっちゃ笑える!
対アイアンメイス →善人の皮を被った最悪のゴミ。逝ってよし!
対トリトンズ →面倒くさい人魚軍団。つーか勇者……特にスティレット親子がウザうらやま
インディゴメイルズから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →街を荒らすんじゃねえクソ犯罪者ども
対シャドーアローズ →魔物にギルド破壊されてザマァ!
対アイアンメイス →お前らさぁ……なにバカやってんだよ(怒)
対トリトンズ →スティレット一門が素敵すぎ。もっと仲良くしよう!
シャドーアローズから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →くたばれ犯罪者
対インディゴメイルズ →くたばれ偽善者
対アイアンメイス →くたばれ大カルト集団
対トリトンズ →いなければいないで困るが、スティレットがとにかくうぜぇ
アイアンメイスから各ギルドへ。
対レッドトマホーク →地獄に落ちろ犯罪者ども
対インディゴメイルズ →なんで助けてくれないんだよ、酷いじゃないか(怒)
対シャドーアローズ →テメーらは害獣駆除だけしてろks!
対トリトンズ →スティレットがウザうらやま。つーか、正しい神様を信仰しろ!
「……ごらんの通り、仲の悪いギルドばっかりだよね」
各ギルドメンバーが、酒場などで愚痴った言葉で多いモノをピックアップした紙を見ると、全員が苦笑していた。
「これは……協力は難しいね」
「というか、アイアンメイスの言葉遣いが汚いな……」
ジェシカが言うと、キンバリーも苦笑したまま答えた。
「最近の神兵や僧兵には、荒くれ者も多いと聞いていますからね……」
けっきょく、亀裂だらけの冒険者街だったが、王国側は強引に各ギルドに北門を守るためのギルド員を派遣するように通達を出した。
各ギルドの不満がくすぶるなか、頭から押さえつける形となったが、果たしてうまくいくのだろうか?
【王国の偉い人(こいつらは、自分たちの街も守れんのか……このゴロツキどもめ!)】
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