25 / 26
23.魔将との一騎打ち
しおりを挟む
小生が角を光らせると、まず特殊空間の崩壊が止まった。
それだけでなく、瀕死のアレックスたち4人は人形となって小生の背中に括り付けられている。更に、今までは特殊空間の支配者だったノワールも、悪魔の姿で小生の前に立っていた。
「まさか、あたくしの空間に干渉してくるなんてね……」
『小生は逃げ馬だ。勝ち逃げできると思わないで欲しいな』
「そう……このゲームは、どう戦ったら勝利なのかしら?」
小生はスゴロクコースを眺めた。すると、全ての枠にはスタートもゴールも書かれていない。ならば、凄くシンプルなルールを付けられる。
『基本的には君が作ったルールを使わせてもらおう。ただし……ゴールはあの場所』
そう言いながら、スタート地点の方向にクビを向けると、ノワールは納得した様子で頷いた。
「なるほど。先にスタート地点に向かった方が勝ちということね」
『それから、黒いダイスを使った場合……公開されるのは自分の秘密。数字が高いほど、相手に聞かれたら不都合が内容とする。それから4のパネルごとにある秘密暴露イベントは無し』
「わかったわ」
『では、先行と後攻どっちがいい?』
「先行」
ノワールは白いダイスを振ると、出た目は5。
彼女は5マス目まで行くと、早速黒いダイスを振った。出た目は4。9マス目まで進むと、灰色のダイスが落ちてくる。
出た目は3。果たしてどんな秘密が暴露されるのだろう。
ノワールの隣に小さな人形ユニコーンが現れると、コイツもアーリマンみたいに笑いながら言った。
――ふふふ……今日は、魔王軍の内情について暴露しようかしら。
ノワールの側に現れたユニコーンは、魔王軍の大まかな魔将の数や4天王と呼ばれる存在について告げ始めた。魔将や四天王の中には、仲の悪い組み合わせもあり、下手な間者を入れるよりも多くの情報をもたらしてくれる。
「あまり気持ちのいいモノではないわね」
『今度は小生の番だね』
白いダイスを蹴ると目は3。目を瞑って気分を整えてから黒いダイスを蹴ると、こちらは6を出した。
同じように9マス進むと、小生はノワールの隣に立った。すると小生の隣にいたアーリマンも嬉々とした様子で灰色ダイスを見た。
灰色ダイスは転がってくると、出た目は5だ。
今までは低めな数字しか出なかったから、大した秘密も暴露されなかったが、果たして今回はどんな情報が公開されるのだろう。
アーリマンは嬉々とした様子で、小生の秘密を喋りはじめた。
――5に相応しいネタを探したけれど、小生自体には匹敵するような情報がないんだよ。だから、ブリーディングに関する話でもしようかな
『…………』
その話を聞いてなるほどと思った。小生のように生まれて日も浅いケンタウロスでは、対戦相手の魔将を満足させるようなネタは持っていない。
だから代案として、種族そのものの秘密が出てきたということか。
アーリマンは、インブリードの話をはじめた。簡単に言えば近親相姦の話なのだが、ウマやユニコーンの世界では、従従兄弟つまりはハトコ同士で結婚して、強い霊力を持つ仔馬を誕生させているところもある。
ノワールもしっかりと耳を傾けると、やがて頷いた。
「なるほどね……勉強になったわ」
そう頷くと、ノワールは2回目のダイスを振った。出た目は2。そして黒いダイスも振ると3の目を出した。
合わせて14マス目まで進むと、再び灰色のダイスが落ちてきた。
『……1か』
「どうする? 下さらない内容でしょうけど、一応聞く?」
『うん』
さすがに1では、アーリマンも大した情報を話してくれなかった。どんな情報を口にしたのかと言えば、ノワールの好きな食べ物と嫌いな食べ物である。まさかニンジンが嫌いとは……小生と話が合いそうだ。
『今度は小生の番だね』
「どうぞ」
再び両目を瞑って意識を集中しダイスを両方同時に蹴ると、白いダイスは2。そして黒い方は5だ。合計で7マスを進むと、16マス目まできた。
そして、灰色のダイスが振って来ると、出た目は何と6。小生は半ば当然かと思いながら静観していると、アーリマンは嬉々とした様子で秘密を暴露しはじめた。
――では、6に相応しいとっておきのネタを提供しようかな?
「5に相応しい情報がないのに6はあるの? 不思議な話ね」
半ば呆れた様子でノワールが言うと、アーリマンはニタニタと笑ったまま答えた。
――それはそうでしょう。今度暴露するのは……ディディが行っている反則スレスレの裏技についてだからね
その言葉を聞いたノワールは表情を変えた。
「その話、じっくりと聞かせてちょうだい!」
それだけでなく、瀕死のアレックスたち4人は人形となって小生の背中に括り付けられている。更に、今までは特殊空間の支配者だったノワールも、悪魔の姿で小生の前に立っていた。
「まさか、あたくしの空間に干渉してくるなんてね……」
『小生は逃げ馬だ。勝ち逃げできると思わないで欲しいな』
「そう……このゲームは、どう戦ったら勝利なのかしら?」
小生はスゴロクコースを眺めた。すると、全ての枠にはスタートもゴールも書かれていない。ならば、凄くシンプルなルールを付けられる。
『基本的には君が作ったルールを使わせてもらおう。ただし……ゴールはあの場所』
そう言いながら、スタート地点の方向にクビを向けると、ノワールは納得した様子で頷いた。
「なるほど。先にスタート地点に向かった方が勝ちということね」
『それから、黒いダイスを使った場合……公開されるのは自分の秘密。数字が高いほど、相手に聞かれたら不都合が内容とする。それから4のパネルごとにある秘密暴露イベントは無し』
「わかったわ」
『では、先行と後攻どっちがいい?』
「先行」
ノワールは白いダイスを振ると、出た目は5。
彼女は5マス目まで行くと、早速黒いダイスを振った。出た目は4。9マス目まで進むと、灰色のダイスが落ちてくる。
出た目は3。果たしてどんな秘密が暴露されるのだろう。
ノワールの隣に小さな人形ユニコーンが現れると、コイツもアーリマンみたいに笑いながら言った。
――ふふふ……今日は、魔王軍の内情について暴露しようかしら。
ノワールの側に現れたユニコーンは、魔王軍の大まかな魔将の数や4天王と呼ばれる存在について告げ始めた。魔将や四天王の中には、仲の悪い組み合わせもあり、下手な間者を入れるよりも多くの情報をもたらしてくれる。
「あまり気持ちのいいモノではないわね」
『今度は小生の番だね』
白いダイスを蹴ると目は3。目を瞑って気分を整えてから黒いダイスを蹴ると、こちらは6を出した。
同じように9マス進むと、小生はノワールの隣に立った。すると小生の隣にいたアーリマンも嬉々とした様子で灰色ダイスを見た。
灰色ダイスは転がってくると、出た目は5だ。
今までは低めな数字しか出なかったから、大した秘密も暴露されなかったが、果たして今回はどんな情報が公開されるのだろう。
アーリマンは嬉々とした様子で、小生の秘密を喋りはじめた。
――5に相応しいネタを探したけれど、小生自体には匹敵するような情報がないんだよ。だから、ブリーディングに関する話でもしようかな
『…………』
その話を聞いてなるほどと思った。小生のように生まれて日も浅いケンタウロスでは、対戦相手の魔将を満足させるようなネタは持っていない。
だから代案として、種族そのものの秘密が出てきたということか。
アーリマンは、インブリードの話をはじめた。簡単に言えば近親相姦の話なのだが、ウマやユニコーンの世界では、従従兄弟つまりはハトコ同士で結婚して、強い霊力を持つ仔馬を誕生させているところもある。
ノワールもしっかりと耳を傾けると、やがて頷いた。
「なるほどね……勉強になったわ」
そう頷くと、ノワールは2回目のダイスを振った。出た目は2。そして黒いダイスも振ると3の目を出した。
合わせて14マス目まで進むと、再び灰色のダイスが落ちてきた。
『……1か』
「どうする? 下さらない内容でしょうけど、一応聞く?」
『うん』
さすがに1では、アーリマンも大した情報を話してくれなかった。どんな情報を口にしたのかと言えば、ノワールの好きな食べ物と嫌いな食べ物である。まさかニンジンが嫌いとは……小生と話が合いそうだ。
『今度は小生の番だね』
「どうぞ」
再び両目を瞑って意識を集中しダイスを両方同時に蹴ると、白いダイスは2。そして黒い方は5だ。合計で7マスを進むと、16マス目まできた。
そして、灰色のダイスが振って来ると、出た目は何と6。小生は半ば当然かと思いながら静観していると、アーリマンは嬉々とした様子で秘密を暴露しはじめた。
――では、6に相応しいとっておきのネタを提供しようかな?
「5に相応しい情報がないのに6はあるの? 不思議な話ね」
半ば呆れた様子でノワールが言うと、アーリマンはニタニタと笑ったまま答えた。
――それはそうでしょう。今度暴露するのは……ディディが行っている反則スレスレの裏技についてだからね
その言葉を聞いたノワールは表情を変えた。
「その話、じっくりと聞かせてちょうだい!」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる