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32話
しおりを挟む馬車の御者をしていたギルドの職員が叫ぶ。
「どの方向からですか!?」
馬車を急停止させ御者の席に乗り込み立つ。
「左の方向から、索敵の魔晶の反応を見ると中型の魔物5体です」
「よし分かった!あんたは馬車の中に入ってな!」
馬車の外にカインさん共々出る。
「中型なんだろ?じゃあ俺1人で十分だ!!」
カインがまだ姿も見えてないのに魔物が来るであろう方向にある森に走っていく。
「また…あんの馬鹿が、ジン!ちょうどいい機会だ!ランダのフォローと実力を示してみろ!」
カインさんが前を見たまま俺に言う。
確かにカインさんの大斧は森の中じゃ邪魔だし、クルスさんの魔法も山火事の可能性ある。
ここは俺が適任だろう。
「あいつが突っ込んだせいで!行きますよ!行ってやるよ!!」
ナイフを抜いて、エンチャントでは無く身体強化をする。
「ブモォォォオオ!!」
出てきたのはオーク5体。
さすがに片手剣で5体相手はきついだろう、ランダもオーク5体だと気付いた瞬間失速したし。
「シッ!」
跳んで太い樹の枝を足場にしてオーク達に突っ込む。
「ランダ!2体は殺った!あと1体は俺が相手してやるから残りは何とかしてみろ!!!!」
オークに攻撃をしてターゲットを俺に向ける。
「俺に、命令するなぁ!!」
勢いを乗せた1撃をオークにぶちかまし1体倒す。
流石に4級じゃオークは余裕か?
「ブモォ!」
仲間を殺され怒ったオークが単純に突撃してくる。それをかわしてバックスタブ、オークは崩れ落ちる。オークが完全に絶命してることを確認して、ランダの方に目を向けるとランダもちょうどオークを倒した所だった。
それぞれが倒したオークをアイテムボックスにしまい、馬車での進行を再開する。
「暗くなってきたな。もうそろそろアジトに着く。作戦はさっき話した通りジンが突っ込む。俺たちが監視する、何かあればフォローする。以上だ」
基本的に監督の炎龍の咆哮は俺の監視。
盗賊は16人で構成されている。住処は大きめの洞窟らしい。
「ここからは歩きでの移動になります。こちらです」
ギルド職員についていくと洞窟の入り口が見えた。
(ここからは俺たちは監視に徹するぜ、何かあったら…走って洞窟から出てこい)
(…分かった。行ってくる)
見張りにバレないよう音を立てず草むらを屈んで歩いていく。
よし、入り口真横だ。
(エンチャント:攻6重、速5重)
投げナイフを構え、エンチャントをかける。
見張りが1人とか、馬鹿な盗賊だ。
投げナイフが頭部に深々と突き刺さる。
すぐに近寄り息があるか確認する。
まぁ、柄の部分まで刺さってたから即死だけど。
カインさん達が居る方を見て身振り手振りで今から入る事を伝え、入り口の中を確認する。
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