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捧げられるのは大嫌い
しおりを挟むMが良く口にする
「Sに私の全てを捧げたい」
があるけれど、俺はあの言葉が大嫌い
と、パートナーのSさんに言われたことがあります。
言われた当時はなぜ彼がそう思うのかわからなかったし、私自身がパートナーのSさんに命や魂を捧げたいと思ってたので余計にですね...。
実際に私はSさんに向かって、命まで含めて全部、捧げたい!と言ったこともある。
彼は....無返答でした(笑)
しかしいま、冷静になって考えるとその真意がわかるような気がします。
Sさんが私をパートナーにしたいと思った最大の理由は...
「Sに甘えたいから加虐が欲しい」という私のブログの一文であったと思います。
彼は、私がどんなプレイができるか?よりも、私のそのマゾの心こそ、共感できると思ったようなのです。
もちろんSさんはバリバリの苦痛系Onlyのサディストですから、私が苦痛系が好きと言ってたのも大切な要素でしょう。
けど...苦痛系のマゾは探せばいます。
鞭が好きなマゾさんも沢山います。
いるのは知ってても、彼はそれだけでは自分からは何もしなかったといいます。
彼はそれよりも、
SMを通して甘えたいと言っている私をみて、この人が良い!!!と思って直ぐにDMしたと言っていました。
彼が大事にしていたのは
SMに対してどんな心を持っているのか?なのではないでしょうか。
もう一つ、よくあるMの発言で
「本当は痛いのは嫌いだけど、ご主人様が喜ぶことなら、鞭でも針でも頑張りたい。そして最後は褒めて欲しい」
があります。
S側のやりたいSMプレイを何でも頑張って受けてくれそうな理想的なMの姿なのだけど、、、
私のパートナーのSさんが大嫌いな「私の全てを捧げたい」に似たニュアンスも感じます。
この言葉の裏にあるのって、
やはり“M側の我慢”なんですよね。
もちろん、そのMや我慢や努力に対して可愛い、嬉しいと感じるSの人もいるでしょうし、必ずしも間違いとは思いません。
しかしパートナーのSさんの場合はあくまでパートナーが“可愛い”から“可愛がりたい”だけなんです。
とにかく鞭が打ちたい!それじゃないとムラムラが解消しないんだ!という、わけでもないんですよね。
彼が欲しかったのは
体や命を捧げ、限界ギリギリまで鞭が打てるマゾじゃなくて
「自分が可愛いと思って“普通に“付き合える異性」
だったのかな、と思います。
Sさんはサディストですから
ノーマルの女性とは付き合えません。
だって愛し合いたいと思った時に、鞭を持ち出したらノーマルの場合は絶対に嫌がられるし、なんなら警察に突き出されてしまうかもしれません。
本当は嫌でも彼氏が喜ぶから!と彼女が耐えてくれたとしても
ただ愛し合いたいだけなのに、なんで好きな女性を我慢させて頑張らさせなきゃいけないんだろう?と徐々に罪悪感ばかりが増すのではないでしょうか。だって彼は鞭がうちたいのではなく、彼女を可愛がりたいだけなのです。彼女が本当に喜んでくれなきゃ意味がないのです。
つまり、
命や体をSに捧げたい
この言葉は
「私は本当は嫌だけど、奴隷(従者)だから全てを我慢する」
に聞こえるんじゃないかなと思うんですよね。
そうじゃなくて
好き好き大好き。キスしたい。触れ合いたい。抱き合いたい。
という、普通の、、本当に普通の男女の恋愛感情こそ、パートナーのSさんの中にあるSMerとしての「心」なのだと思います。
かつての私はSMがしたくて、加虐被虐が欲しすぎて、自分の体を対価にしてSMを求めていました。
パートナーのSさんに出会った当時、私は自分の求めていた理想的な加虐被虐を与えられて、嬉しすぎて“死んでもいい”と本気で思っていました。けど、その死は彼に対する愛ではなく、自分がマゾヒストとして満たされた!という長年の想いが極まっただけだろうなと思います。
でも、今は違います。
パートナーのSさんが本当に好きという“心”から自然と湧きでてくるんですよね。
彼に全て愛されたいから、“殺されたい”と...殺してくれると、、、
だって死ぬ瞬間まで愛でられたいじゃないですか? 彼の全てを刻まれたいと思うんです。
だから彼に殺されるのは当たり前だと思っているのです。
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