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第1章 転生
アポロンのアイス①
しおりを挟む料理長がぼくをじっと見てくる。ぼくもじっと見つめ返す。残り二人はなんでか慌てている。
「俺は若い頃、いろんな国に行ったことがあるが、そんな料理は聞いたことがねえな。どんなもんだ?」
「うーん、つめたいくりーむみたいな?」
うまく説明できないな。まあ、やってみればいいか!
「あぽろんのみ、ちょっとちょうだい!」
「おいレオ!勿体無いだろうが!やめとけ!」
シルヴァが慌ててぼくから実を取り上げる。それを無視して、料理長に声をかけた。
「だめ?」
くらえ、上目遣いの必殺おねだり!!!
「…そうだな、俺も興味がある。やってみろ。他にどんな素材が必要だ?」
効果はバツグン!かはわかんないけどオッケーもらえた!後ろでノエルがショックを受けているが無視して必要なものを伝える。
「カウーのミルクに、シュガ、コッコの卵だな。すぐに持ってくる」
料理長はすぐに必要なものを持って来てくれた。作業を交代するかと聞かれたけど、初めての料理だしやっぱ自分でやりたいから断った!確かエスティエインが料理のスキルをつけてくれたはずだし、多分大丈夫?
まずは卵を割ってボールに入れる。それを溶いて、次は牛乳、砂糖を混ぜ合わせる。それを、火にかけ、トロトロになるくらいまで焦がさないようにかき混ぜる。あとは少し冷ます。
そしたら次は、料理長にアポロンの実を軽く潰してもらう。また悲鳴が起こったけど無視して、ぼくは例の魔道具を使う。
魔道具の中にバットを入れておいたので、バットはとても冷えている。そこに、少しずつ溶いたものを流していき、凍ってきたらヘラで軽くかき混ぜる。また少し量を増やして混ぜる。途中でアポロンのみを混ぜ込みながらそれを繰り返して、全部が固まってきたら丸く整えてお皿に移して完成!
牛乳とアポロンの実だけで作ったからちょっと物足りないけど、初めての料理が完成した!
ーーー
アポロンのアイス ☆☆☆☆
甘酸っぱいアポロンの実がアクセントになっているミルクアイス。優しい味がする。
素材…アポロンの実☆☆☆
カウーのミルク☆
シュガ☆☆
コッコの卵☆
作り方…レシピブックに記載
成分…タンパク質、脂質、炭水化物他
効果…幸運上昇・小(一年間)
ーーー
あれ?効果が付いてる?それにレシピブックって…。考えていると、やたらと周りが静かなことに気がついた。
料理長も、ノエルもシルヴァも、アイスを見つめて動かない。と思ったらいち早く復活したシルヴァが叫んだ。
「レオお前なんでそんな手際いいんだよ!!料理作った事ないよな!?」
「ふむ、見たことのない料理方法だ」
「僕だってあんなに手際よくできないのに…」
料理長は興味深そうにアイスをじっと見ている。ノエルは、がっくりとうなだれた。
「え、えっと、もっとつくる?みんなのぶん!」
「ふむ、そうだな。今度は俺もやろう」
「え!じゃあ僕にもやらせてください!!!」
「じゃあ俺も」
「しるはやめといたほうがいいよ…」
なんでだ!と叫んでるシルヴァは結局見学になった。なんか不器用そうだよね。
さあ!みんなで作るぞ!
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