自衛官日記

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決意

不安

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季節は変わり冬。

この頃にはある程度の問題なら解けるようになり、少しずつ自信もついていた。

このまま続けていれば筆記試験はパスできるだろう。少しだけ安心していた。


12月中旬。

俺たちは模擬面接というものを行う事になっていた。
入社するときの面接を、ラフにした感じだ。
そんなに気負いすることではないと思ったので、特に心配することもなく、自分の順番を待った。

15分くらい経って、前の人の模擬面接が終わり、自分の番になった。

コンコンコン。
ノックを3回し、中に入る。

あとはマニュアル通り行って、席に着き、淡々と質問に答える。はずだった。


面接官の質問に全然答えられないのだ。

それもそのはずだった。なんの準備もしていないし、受けると決めたきっかけもたいしたことではない。

頭の中が真っ白になった。

これまでしてきた勉強が無になるように感じて嫌だった。

面接官に

「溝口、お前なかなかやばいぞ」

そう言われたが、そんな事自分が1番よくわかっている。

まとめ上げられた、指摘項目を読み上げられたが全く頭に入らなかった。

こんな所で大きな壁にぶつかってしまった。

1番の問題は、『何故警察官になりたいのか』という質問だった。

特に警察にお世話になった経験などないし、ましてや機嫌が悪くてその場の雰囲気で決めたなど以ての外だ。

俺はこの警察官の面接で嘘を塗りたくらなければならないことに今更ながら気づいた。

やるからには全力は尽くすが、答えている途中でボロが出て、バレてしまうのがとてつもなく怖い。
警察はそういったことには鼻が効きそうだと思ったからだ。

その日は何もやる気が起きず、家に帰ってからも特に何もすることなく眠りについた。



次の日の朝。少し前から日課になっていた早朝駆け足をサボり、二度寝をした。

二度寝から目覚めると、なかなか危ない時間だったので、すぐに準備をして学校に向かう。

学校に着き、自分の席に着くと直斗が近寄ってきた。

「模擬面接どうだった?」

「ボロボロ、諦めようかと思った」

「諦めてないなら良かった、面接も手伝ってやるよ」

「まじで助かるよ、ありがとう」

この日からは直斗にアドバイスをもらいながら、面接の受け答えを考えたり、練習をしたりし始めた。

次の模擬面接は年明け。

それまでに完璧に仕上げようと心に決めた。
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