自衛官日記

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決意

決心

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午前6時、この日はなぜか自然と目が覚めた。
窓から差し込む陽の光を一瞬恨んだが、昨日の雨が嘘のように、今日の空は雲ひとつない快晴だった。

とりあえず、シャワーを浴びて朝食を作る。といってもめんどくさいので、だいたい毎朝冷奴とご飯だ。

適当に飯を済ませて、学校に行く準備をする。
嫌々ではあるが、警察官の問題集もカバンに入れて学校に行った。


教室に入ると、勉強熱心な生徒はすでに席に着き、自分の世界に入り込んでいる。

自分もあれくらいになれたら警察の試験なんか余裕だろうな、なんて考えるだけ考えて席に着き、夢の世界に行こうとするが、邪魔が入った。

「お前、進路決めた?」

問いかけてきたのは同じクラスの
『竹中 直斗』中学高校と一緒の友達だ。
こいつは頭も中々に良く、スポーツもできる。そこそこに女にモテるやつだ。

「決めたよ。警察」

「は!?お前が!?嘘だろ!世も末だな!」

「うるせぇよ、俺が警察なったら真っ先にお前を捕まえると今決めた」

「汚職警官だな」

そう言うと、笑いながら自分の席に戻って行った。
直斗は全国的にも結構有名な企業を受けると決めていたので、勉強をかなりしている。

直斗が勉強しているならと思い、俺もカバンの中から、持ってきた問題集を取り出して、勉強をしている雰囲気を出した。


全然わからないが、ここで直斗に聞くのは癪だ。何も言わずに問題集と見つめ合っていると、ニヤニヤしながら直斗が俺の前に来た。

「わかんねーんだろ笑」

「わかるわ、余裕だわこんなの」

「強がんなって、教えてやろーか?」

「早く教えろよ」

「素直に言えば可愛いのに」

そこから朝礼までの間にある程度の量の問題を解き、俺の頭はパンク寸前だった。

「理解できた?」

「できてたら、こんな顔しねーよ」

「だよな、徐々にやればいーから笑」

この日から、朝と放課後は、直斗と一緒に問題を解き、休み時間は自分で復習ややり直しをするのが日課になっていった。自分が気持ち悪い。



放課後、直斗と勉強が終わるといつもよりも遅めの電車に乗り家に帰った。

玄関を開け家に入ると

「おかえり。珍しく遅かったね」

「勉強してたんだよ。問題集をプレゼントされたんでね」

「あんたの口から勉強って言葉が…母さん涙でちゃうわ」

大げさに泣いたふりをする母親を無視して自分の部屋に戻る。
慣れないことをして、かなり疲れていたので、そのまま風呂に入って飯を済ませた。

時刻は午後9時、寝るにしてはまだ早かった。最近はゲームに飽きていて何もすることが無かったので仕方なく机に座り、直斗とした勉強のノートを開いた。

朝解いたばかりなので、スラスラ解ける。なぜかそれが気持ち良かった。 
今なら勉強が好きなやつの気持ちが少しだけわかるかもしれない。
俺は絶対にならないが。

1時間程、勉強をしてから、スマホに届いていたメールに適当に返事をして、この日は眠りについた。

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