3 / 13
ツッコミどころが満載です。
しおりを挟む「リリアーナ?」
ジェラルドさんの綺麗な青い瞳が不安気に揺れている。
「あ、すみません。少し混乱してしまって。」
「いやそれは仕方ないことだ。いきなり君は公爵夫人なんだと言われて戸惑うのも無理もない。」
そう。そうなんです。
私、貴族の令嬢ってことにも驚いたけど公爵夫人って聞いたときには白目剥きそうだったわ。
貴族とか自分の勝手なイメージしかないし、しっくりしないのが正直な話しだ。
そのしっくりしないものに私がなっているのだ。混乱しないわけがない。
それにこの世界に来てしまったのだ。
転生したのか、リリアーナとして生きていたけど記憶がなくなった弾みで前世の記憶を思い出しただけなのか、自分の現状も定かではない。が、正直そこはどうでもいい。
だって結論、私は今リリアーナなのだから。
これからリリアーナとして生きていくのだ。
しっかりしろ私。
そしてふと疑問を口に出していた。
「私って何歳なんですか?」
自分の手を見ながら質問した。
今、気がついたのだが手が若々しくみえる。
水の弾きが悪くなってきたなぁーと感じた28歳。30歳を迎えた歳には今まで感じていた身体の衰えを目に見て感じた。
それが今ない。
「リリアーナは20歳だよ。そして私は27歳だ。」
っまじかー。
転生万歳というべきか何なのか。
嬉しいような嬉しくないような。
10歳も見た目が若返ったと思えば喜ぶべきなのか…。
そしてジェラルドさん、あなた27歳って。27歳がその美貌ってどういうことよ。
何故かあまり思い出せない私の以前の夫は27歳のときには中年腹が酷くて残念体系だったのに。
「リリアーナからしたら私がいきなり君の夫だと聞かされて驚いたことだと思う。今はまだ受け入れて貰えないかもしれないが、私は努力したいと思っている。」
「ジェラルドさん…。」
すごく真剣な青い瞳から目を逸らすことができなかった。
窓から差し込む光が、彼のプラチナブロンドをキラキラと輝かせている。
「私のことはジェラルドと呼んでくれ。さん、なんて他人のような呼び方は少し寂しい。」
「わ、わかりました。」
あぁー。
眉が八の字に垂れてもイケメンはイケメンだわ。
「今日はまだゆっくり横になった方がいい。」
そう言ってジェラルドは椅子から立ち上がると扉へむかった。
そして振り返ると少し躊躇うように言葉を発した。
「その、君さえよければ昼食を一緒にどうだろうか?」
「よ、宜しくお願いします。」
「それじゃ後程。」
ジェラルドが部屋から出て行った瞬間、後ろにパタリと倒れた。
嬉しそうな顔をしたイケメンは神々しいです。
あんな少しはに噛んだような顔したイケメンの誘いを断れる人なんていないと思う。
それに、ジェラルドからしたら自分の嫁の記憶がなくなったのだ。それをまた一からやり直すなんて勇気のいることだろう。歩みよってくれようとしている。
私もリリアーナとして生きる覚悟をしっかりしよう。
ジェラルドのことまわりのこと、まぁまず自分のことかもしれないが、きちんと知っていこう。
努力しようと思ったところで目蓋が重くなる。
少し疲れた…。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。
イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。
きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。
そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……?
※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。
※他サイトにも掲載しています。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる