282 / 431
お嬢様と秘密の部屋③ ✧
しおりを挟む
落ち着いたのか、それとも気を取り直したのか、クストディアはどこか諦念の漂う顔で一息つくと、「こっちよ」と言って人差し指をくいくいと動かした。
その令嬢らしからぬ動作が妙に似合っていて面白いなと思うリリアーナだったが、口に出せば怒ることくらいは想像がつくので黙ってついて行く。
「そういえば、シャムサレムの鎧は軋む音がしなくなったな。専門の者に見てもらったのか?」
「えぇ、暇だったから職人を呼んで調整をさせたわ。まだ背が伸びているなんて、そのうち天井まで届くんじゃないかしら」
「結構なことじゃないか。体に合わない鎧のせいで、成長が阻害されでもしたら大変だ」
背後からついてくる黒鎧を見上げると、軽い会釈が返された。
年齢がいくつなのか容姿から判別するのは苦手でも、歳若い青年であることは確かだ。きっとまだまだ伸びるのだろう。少し羨ましい。
「わたしもお前くらい背が伸びたら良いのだが……」
「はぁ? そんなに縦に伸びてどうするのよ。シャムは護衛だから見た目がいかつくても良いけれど、あんたは守られる側でしょうが」
「標的が大きいと危ない、ということか」
「そうじゃなくて! ……まぁ別に、あんたがゴツくなろうがどうでもいいわ。山猿みたいな姫がいるって聞くし、山狒々みたいな令嬢がいてもおかしくはないでしょう」
少し想像してみて、確かに今の自分が大きくなりすぎるのは、立場的にあまり収まりが良くないかと思い直した。馬車が窮屈になるし、ドレスを新調するのも大変そうだ。
生前、事あるごとに体の小ささを揶揄されたものだから、つい大きいほうが良いという発想になってしまう。
……周囲が種族的に大きすぎただけで、ヒトと比べれば普通の背丈だったはず。カミロやファラムンドともそう変わらない。
「ここよ」
「うん?」
クストディアに案内されて着いたのは、広い部屋の一角。
刺繍張りの衝立で目隠しをした奥に、簡素なひとりがけの椅子と木製のチェストが置かれていた。
隣の部屋に置かれた品々と比べれば、彫刻も金飾りもない極めて質素な戸棚だ。中に何が収められているのか、妙に薄い造りで壁際にぽつんと設置されている。
「何が入っているんだ?」
「ふふ、あんたでもきっと驚くわよ。大丈夫だけど念のため、あまり大きな声は出さないでちょうだい」
「……?」
疑問符を浮かべるリリアーナを置いて、クストディアはチェストの金具に手をかけ、両開きの扉を開いた。
横から中をのぞき込むと、棚の薄さよりもずっと奥行きがある。壁をくり抜いているのかと気づいたところで、伸ばされた白い指が金属製の管についたフタを外す。
『――れなら、次の機会に儂からも言っておこう。この件に関してはどこも口が重いはずだ、そう易々とは聞き出せまい』
「え?」
壁から飛び出た金属の管、そこから聴こえてきた老人の声には覚えがある。少しだけ篭っているが間違いない、これはブエナペントゥラの声だ。
「この管は……伝声管になっているのか?」
「なんだ、思ったほど驚かないのね、つまらない」
「いや、十分驚いているさ。これは魔法具だな、音波を一方通行に制限しているし……あちら側では音を広く拾うような仕掛けをしてあるのだろう?」
「ええ、そうらしいわね。何度か試してみたけれど、こちら側の声は向こうに聴こえないみたい」
どうやって試したのか気になったが、あえて聞かないでおくことにした。
真鍮製の管は壁の中からまるでキノコのように生えている。同じような太さのものが全部で四本。それぞれに小さなタグがぶら下がっており、今フタを開けている管には『執務室』と書かれていた。
「どうも昔の……この屋敷が建てられた頃の、ご隠居の置き土産らしいわ。前に書斎で調べたの。領主の椅子を譲った後も、ご意見番としてあれこれ口うるさかったらしくて。老いて死ぬまでひとりでこのフロアを使っていたんですって」
「じゃあ、もしかしてここは元々、お前の部屋ではなかったのか?」
「ええ、おじい様にねだって私の部屋に改装する前は、長らく物置みたいになっていたわ。シャムとかくれんぼをしている時に、偶然見つけたの。その頃はまだ小さくて、これが何なのかわからなかったけれど」
クストディアが『執務室』のフタを下ろし、右端にある『侍女控室』のフタを開けた途端、今度はけたたましい女の笑い声が響いてきた。
『アッハハハ! だから言ったじゃない、近づくのも無理だって!』
『ちょっと差し入れのお菓子を持って行っただけなのにさ、あそこの侍女ってばガード固すぎんのよ。あーあ、一度でいいから近くでお顔を拝んでみたいわぁ』
『かっわいい顔してるよね、あの次男坊。たしか長男もいんでしょ、父親にそっくりだとかいう』
『そうそう、美形揃いじゃない、領主があんなイイ男なんて羨ましいったらないわ。今は独り身なんだし、うっかりお手付きになれたら領主夫人に――』
パタンと音をたててクストディアがフタを閉めた。構成による補助が効いているためか、音の減衰も少なく複数人の会話が明瞭に聞き取れる。
「……つまり、そのご隠居とやらは、屋敷内の会話を盗み聞くためにこれを設置したのか?」
「そういうことじゃない? 屋敷中に耳を置いているわけだから、知らないはずの話をいつのまにか知られて、秘密を掴まれて。当時の使用人も新しい領主も、気の休まることがなかったでしょうね」
にやりと口の端で笑って見せるクストディアだったが、その顔にはどこか自嘲が透ける。当時の隠居老人と自分を重ねでもしているのだろうか。
外に一歩も出ることなく、こっそり屋敷内外の情報を得られる秘密の部屋。
本やシャムサレムから得られそうな話以外にも、妙に外の事情に詳しいと思っていたら、こんな情報源を隠し持っていたとは。これがあったからクストディアは引き籠りのくせに情報通だったのか、とここへ来てようやく腑に落ちた。
大人たちの会話を盗み聞くだけなら、自分とてアルトの音声探査を用いればいくらでも執務室での話を聞くことができる。
だが、それは幼い娘のためを思って与える情報を制限している大人たちの配慮を無にしてしまう不当な行為だ。
隠されていることを知りたいという欲求はあるけれど、リリアーナとしての生をまっとうすると決めた以上、できるだけそういう裏切りのような真似はしたくなかった。
「何よ、不服そうな顔ね。盗み聞きがはしたないとでも?」
「自分ではしたないと理解しているなら、わたしから言うことは特にないさ。まぁ、聞くだけでそれを悪用しないのなら別に、……お前自身が盗み聞きのために設置した物でもないしな」
「あら、悪用しているかもしれないじゃない?」
「その判断はお前の節度に任せよう」
まだクストディアのことを理解したとは言い難いが、しばらく付き合ってみた限り、無差別に他者へ危害を加えるような悪童でもないようだし。ひどい癇癪さえ起こさなければ、普段の言動が偽悪的なだけでわりと理知的な娘だ。
だから行為自体は褒められたものでなくとも、ここでとやかく言うほどのものではないと判断した。
……もっとも、知らない所で『悪辣魔王』だの『歴史上最も嫌われた魔王』だのという悪評が立っていた自分では、あまり善悪の判断基準はあてにならない。
聖王国中から魔物が減ったことで、素材の減少という事態を招いた浅慮については反省しているものの、それ以外ではヒトに迷惑をかけるほどのことは何もしていなかったはずなのに。
軍を率いて侵攻することもなかったし、そもそもベチヂゴの森を越えたことはないし、サルメンハーラたち武装商団のことも手厚くもてなしたし。なぜそこまで嫌われてしまったのか、未だにさっぱりわからない。
リリアーナが逸れた思考のままに悩んでいると、隣のクストディアが訝しげな顔を向けてきた。
「何よ?」
「あぁ、いや。うーん。……そういえばお前はいくつも『勇者』関係の本を読んでいるのだったな。もしかして『魔王』についても詳しかったりするか?」
「はぁ? 何よ唐突に、そんなものに詳しい人間なんていないでしょう。どの時代の本を読んだって『魔王』について大した記述はないわよ」
「そうか……」
そういえば歴史の教師による熱い語りの中でも、『魔王』の容姿や行使した魔法については言及されなかった。エルシオンは討伐後に王宮で報告をしたと言っていたが、その際に『魔王』のことはあまり語らなかったのだろうか?
それとも『勇者』の活躍に焦点を当てるため、歴代いずれの本でもその辺りはぼかすことになっているのか……。
「こないだの、あの変質者の言ったことでも気にしてるわけ?」
「え? あの男の言っていたことって……嘘の書かれた脚本で上演されるのは困るとかいう話か?」
「それもあるけど。例の稀覯本といい、あんたは妙にエルシオンの話を気にしてるじゃない」
エルシオンのことを気にしているなんて言われると語弊しかない。あんな奴のこと、全く微塵もこれっぽっちも気にしてなんかいない。
リリアーナはそんなモヤモヤしたものを飲み下しながら、何か『魔王』の伝承について知っていることはあるだろうかと、思い切って訊ねてみることにした。
その令嬢らしからぬ動作が妙に似合っていて面白いなと思うリリアーナだったが、口に出せば怒ることくらいは想像がつくので黙ってついて行く。
「そういえば、シャムサレムの鎧は軋む音がしなくなったな。専門の者に見てもらったのか?」
「えぇ、暇だったから職人を呼んで調整をさせたわ。まだ背が伸びているなんて、そのうち天井まで届くんじゃないかしら」
「結構なことじゃないか。体に合わない鎧のせいで、成長が阻害されでもしたら大変だ」
背後からついてくる黒鎧を見上げると、軽い会釈が返された。
年齢がいくつなのか容姿から判別するのは苦手でも、歳若い青年であることは確かだ。きっとまだまだ伸びるのだろう。少し羨ましい。
「わたしもお前くらい背が伸びたら良いのだが……」
「はぁ? そんなに縦に伸びてどうするのよ。シャムは護衛だから見た目がいかつくても良いけれど、あんたは守られる側でしょうが」
「標的が大きいと危ない、ということか」
「そうじゃなくて! ……まぁ別に、あんたがゴツくなろうがどうでもいいわ。山猿みたいな姫がいるって聞くし、山狒々みたいな令嬢がいてもおかしくはないでしょう」
少し想像してみて、確かに今の自分が大きくなりすぎるのは、立場的にあまり収まりが良くないかと思い直した。馬車が窮屈になるし、ドレスを新調するのも大変そうだ。
生前、事あるごとに体の小ささを揶揄されたものだから、つい大きいほうが良いという発想になってしまう。
……周囲が種族的に大きすぎただけで、ヒトと比べれば普通の背丈だったはず。カミロやファラムンドともそう変わらない。
「ここよ」
「うん?」
クストディアに案内されて着いたのは、広い部屋の一角。
刺繍張りの衝立で目隠しをした奥に、簡素なひとりがけの椅子と木製のチェストが置かれていた。
隣の部屋に置かれた品々と比べれば、彫刻も金飾りもない極めて質素な戸棚だ。中に何が収められているのか、妙に薄い造りで壁際にぽつんと設置されている。
「何が入っているんだ?」
「ふふ、あんたでもきっと驚くわよ。大丈夫だけど念のため、あまり大きな声は出さないでちょうだい」
「……?」
疑問符を浮かべるリリアーナを置いて、クストディアはチェストの金具に手をかけ、両開きの扉を開いた。
横から中をのぞき込むと、棚の薄さよりもずっと奥行きがある。壁をくり抜いているのかと気づいたところで、伸ばされた白い指が金属製の管についたフタを外す。
『――れなら、次の機会に儂からも言っておこう。この件に関してはどこも口が重いはずだ、そう易々とは聞き出せまい』
「え?」
壁から飛び出た金属の管、そこから聴こえてきた老人の声には覚えがある。少しだけ篭っているが間違いない、これはブエナペントゥラの声だ。
「この管は……伝声管になっているのか?」
「なんだ、思ったほど驚かないのね、つまらない」
「いや、十分驚いているさ。これは魔法具だな、音波を一方通行に制限しているし……あちら側では音を広く拾うような仕掛けをしてあるのだろう?」
「ええ、そうらしいわね。何度か試してみたけれど、こちら側の声は向こうに聴こえないみたい」
どうやって試したのか気になったが、あえて聞かないでおくことにした。
真鍮製の管は壁の中からまるでキノコのように生えている。同じような太さのものが全部で四本。それぞれに小さなタグがぶら下がっており、今フタを開けている管には『執務室』と書かれていた。
「どうも昔の……この屋敷が建てられた頃の、ご隠居の置き土産らしいわ。前に書斎で調べたの。領主の椅子を譲った後も、ご意見番としてあれこれ口うるさかったらしくて。老いて死ぬまでひとりでこのフロアを使っていたんですって」
「じゃあ、もしかしてここは元々、お前の部屋ではなかったのか?」
「ええ、おじい様にねだって私の部屋に改装する前は、長らく物置みたいになっていたわ。シャムとかくれんぼをしている時に、偶然見つけたの。その頃はまだ小さくて、これが何なのかわからなかったけれど」
クストディアが『執務室』のフタを下ろし、右端にある『侍女控室』のフタを開けた途端、今度はけたたましい女の笑い声が響いてきた。
『アッハハハ! だから言ったじゃない、近づくのも無理だって!』
『ちょっと差し入れのお菓子を持って行っただけなのにさ、あそこの侍女ってばガード固すぎんのよ。あーあ、一度でいいから近くでお顔を拝んでみたいわぁ』
『かっわいい顔してるよね、あの次男坊。たしか長男もいんでしょ、父親にそっくりだとかいう』
『そうそう、美形揃いじゃない、領主があんなイイ男なんて羨ましいったらないわ。今は独り身なんだし、うっかりお手付きになれたら領主夫人に――』
パタンと音をたててクストディアがフタを閉めた。構成による補助が効いているためか、音の減衰も少なく複数人の会話が明瞭に聞き取れる。
「……つまり、そのご隠居とやらは、屋敷内の会話を盗み聞くためにこれを設置したのか?」
「そういうことじゃない? 屋敷中に耳を置いているわけだから、知らないはずの話をいつのまにか知られて、秘密を掴まれて。当時の使用人も新しい領主も、気の休まることがなかったでしょうね」
にやりと口の端で笑って見せるクストディアだったが、その顔にはどこか自嘲が透ける。当時の隠居老人と自分を重ねでもしているのだろうか。
外に一歩も出ることなく、こっそり屋敷内外の情報を得られる秘密の部屋。
本やシャムサレムから得られそうな話以外にも、妙に外の事情に詳しいと思っていたら、こんな情報源を隠し持っていたとは。これがあったからクストディアは引き籠りのくせに情報通だったのか、とここへ来てようやく腑に落ちた。
大人たちの会話を盗み聞くだけなら、自分とてアルトの音声探査を用いればいくらでも執務室での話を聞くことができる。
だが、それは幼い娘のためを思って与える情報を制限している大人たちの配慮を無にしてしまう不当な行為だ。
隠されていることを知りたいという欲求はあるけれど、リリアーナとしての生をまっとうすると決めた以上、できるだけそういう裏切りのような真似はしたくなかった。
「何よ、不服そうな顔ね。盗み聞きがはしたないとでも?」
「自分ではしたないと理解しているなら、わたしから言うことは特にないさ。まぁ、聞くだけでそれを悪用しないのなら別に、……お前自身が盗み聞きのために設置した物でもないしな」
「あら、悪用しているかもしれないじゃない?」
「その判断はお前の節度に任せよう」
まだクストディアのことを理解したとは言い難いが、しばらく付き合ってみた限り、無差別に他者へ危害を加えるような悪童でもないようだし。ひどい癇癪さえ起こさなければ、普段の言動が偽悪的なだけでわりと理知的な娘だ。
だから行為自体は褒められたものでなくとも、ここでとやかく言うほどのものではないと判断した。
……もっとも、知らない所で『悪辣魔王』だの『歴史上最も嫌われた魔王』だのという悪評が立っていた自分では、あまり善悪の判断基準はあてにならない。
聖王国中から魔物が減ったことで、素材の減少という事態を招いた浅慮については反省しているものの、それ以外ではヒトに迷惑をかけるほどのことは何もしていなかったはずなのに。
軍を率いて侵攻することもなかったし、そもそもベチヂゴの森を越えたことはないし、サルメンハーラたち武装商団のことも手厚くもてなしたし。なぜそこまで嫌われてしまったのか、未だにさっぱりわからない。
リリアーナが逸れた思考のままに悩んでいると、隣のクストディアが訝しげな顔を向けてきた。
「何よ?」
「あぁ、いや。うーん。……そういえばお前はいくつも『勇者』関係の本を読んでいるのだったな。もしかして『魔王』についても詳しかったりするか?」
「はぁ? 何よ唐突に、そんなものに詳しい人間なんていないでしょう。どの時代の本を読んだって『魔王』について大した記述はないわよ」
「そうか……」
そういえば歴史の教師による熱い語りの中でも、『魔王』の容姿や行使した魔法については言及されなかった。エルシオンは討伐後に王宮で報告をしたと言っていたが、その際に『魔王』のことはあまり語らなかったのだろうか?
それとも『勇者』の活躍に焦点を当てるため、歴代いずれの本でもその辺りはぼかすことになっているのか……。
「こないだの、あの変質者の言ったことでも気にしてるわけ?」
「え? あの男の言っていたことって……嘘の書かれた脚本で上演されるのは困るとかいう話か?」
「それもあるけど。例の稀覯本といい、あんたは妙にエルシオンの話を気にしてるじゃない」
エルシオンのことを気にしているなんて言われると語弊しかない。あんな奴のこと、全く微塵もこれっぽっちも気にしてなんかいない。
リリアーナはそんなモヤモヤしたものを飲み下しながら、何か『魔王』の伝承について知っていることはあるだろうかと、思い切って訊ねてみることにした。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】番を監禁して早5年、愚かな獣王はようやく運命を知る
紺
恋愛
獣人国の王バレインは明日の婚儀に胸踊らせていた。相手は長年愛し合った美しい獣人の恋人、信頼する家臣たちに祝われながらある女の存在を思い出す。
父が他国より勝手に連れてきた自称"番(つがい)"である少女。
5年間、古びた離れに監禁していた彼女に最後の別れでも伝えようと出向くと、そこには誰よりも美しく成長した番が待ち構えていた。
基本ざまぁ対象目線。ほんのり恋愛。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる