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閑章1.母の過去
011縫.天界へ続く険しき路
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ついに、キョウコとシュージンは「未来の地上界」にて感動の再会を果たす事が出来ました!
しかし、その時すでにシュージンの姿は神々しい4枚の羽根を生やした『大天使』そのものだったんです。
そう、すでに “ 覚醒 ” し切っていたんです!
しかし彼の顔は、夢にも忘れるハズがありません。
だって、キョウコが一目惚れした人間の頃の「秀人」そのままなんですから!
その笑顔も、その面影すらも……!
しかし、中でもキョウコを一番ビックリさせたのはその「瞳」です!
あの日以来、“ シュージンを『網膜剥離』にしたのは私なんだ ” ってキョウコはずっと勘違いな想いを抱いたまま……
シュージンが “ 視力 ” を無くしたのは『網膜剥離』のせいじゃないのに。
シュージンの『大天使』の血のせいなのに。
シュージンに懺悔したいという想いだけで、ずっと行方を探し続けていたんです。
しかも……「現在の地上界」ばかり。
……ガーン。
実に、清々しいほど “ 残念な ” 女の子っぷりです。
ただ、シュージンの瞳はキョウコと再会した時にはもう『人間』としての “ 視力 ” を完全に失っていましたが……
その代わり、『大天使』としての “ 神眼 ” で視る事が出来る様になっていました。
「ちょっと違う形だけど……
再びちゃんと見える様になっていたのね、シュージン……!」
キョウコの目には、思わずス……ッとひと筋の涙が。
キョウコは、その事だけがずっと心残りだったんです。
その後も色々と話を聞く内に、シュージンも目的が自分と一緒である事を知ります。
それは、共に “ 7世界の王 ” 達の残りを探して、世界の終焉をもたらす『黒い巫女』を追いかける事!
キョウコとシュージンは今後の行動を共にする覚悟を決め、お互いニッコリと微笑み合います。
キョウコとシュージンは今後、「未来の地上界」へ闘いの場を移す事にしたんです。
『キュルミー大戦』という、大きな戦乱が起きたんです!
キョウコの様にきぐるみを身に纏い、捕まえたテイムモンスターを駆使して闘うジョブの人達を『獣着師』と呼びます。
『黒い巫女』を倒す為に『白い巫女』がキュルミー達と手を取り合い立ち上がったので、そう呼ばれているんです。
シュージンと『白い巫女』に “ 覚醒 ” したキョウコは、最終的に『黒い巫女』を逃げも隠れも出来ない場所へ追い込む事に成功します。
ただし、その場所は大天使族、女神族、魔神族など限られた上位神族しか踏み入れる事が許されない『天界』だったんです!
シュージンは『大天使』なのでそこへ行けますが……
このままではキョウコは『人間』なので、『天界』に入る事は赦されません。
「どうしようか、キョウコ……」
「やっと、ここまで来れたのに……
シュージン、どうしたらいいの?」
結局、『天界』に入る手段はこの “ ひとつ ” しか残されていなかったんです。
そう、たったひとつだけ……
「シュージンとキョウコがひとつに結ばれる事」
だけだったんです!
そして、キョウコのお腹の中に宿った “ 愛の結晶 ” こそ、後の朱璃……
お腹に身籠った “ 神子 ” の力を借りれば、キョウコも『天界』へ入る事が出来ますから。
女性にのみ赦される、まさに神聖なる……「奥の手」です。
そうして3ヶ月後、キョウコが神子を身籠った事を確認してから7人の王達の力を借りて『天界』へ侵入し、『黒い巫女』と最後の激戦を繰り広げます。
激戦の最中、キョウコが闘っている間もずっとニックに必死でお腹の中の “ 神子 ” を守り続けてもらいながら……
そして遂に、激戦の末『黒き巫女』を討ち滅ぼす事が出来たんです!
────────────────
キュルミーって……要は『モンスターの調教師』なの……?
きぐるみには、そんな秘密があったんですね。
実は今の話、朱璃が前から聞いてみたかった疑問の答えにもなっていたんです。
なので、ここまで話を終えた所で朱璃は思わず叫んでしまいました!
「わ、ワタシのお父さん……?
お父さんはワタシが物心つく前に “ 天に召された ” ってお母さん言っていましたよね……?
それなのに、今頃お父さんが生きてるのよって言われても……」
そう言う朱璃の背中に、ニックは今まで決して満たされる事の無かった父への恋慕を感じ取ったのです。
「つまりコレってー、ファザコンってヤツひゃなー?」
ニックはそうツッコミを入れながら、さっきからずっとコップに注いだ冷たい水をチュパチュパ。
まぁ、『天界』にいるから “ 天に召された ” という言い方をしてもあながち間違いじゃないよなぁ……
「うぃ~、この世はオトンで回っれぇ~!
ケケケケケッ、ひっく♪」
……えっ、ニックが酔っ払っちゃったぁ?
京子は慌ててコップを持ち上げ、臭いを嗅いでみます。
「まぁ、大変っ!
これ、水じゃなくて “ お酢 ” だったわ!」
これには、朱璃も思わず驚愕の表情!
何と、ニックに酢を飲ませると酔っ払ってしまうみたいなんです!
「そーゆー間違い、フツーするかなぁ、お母さん……」
zzz……zzz……
コテンと横になりスピ……と寝始めたニックを横目に、朱璃は改めて京子に思いの丈をぶつけます。
「それで、その後……お父さんはどうなったんですか?
お父さんは……生きているんですか?」
やっぱり、朱璃もお父さんの “ その後 ” がどうしても気になるよね……
でも、それを聞いたら朱璃のココロが悲鳴を上げそうなくらい辛くなっちゃうかも。
引き返せなくなるかも知れないけどイイの、朱璃……?
しかし、その時すでにシュージンの姿は神々しい4枚の羽根を生やした『大天使』そのものだったんです。
そう、すでに “ 覚醒 ” し切っていたんです!
しかし彼の顔は、夢にも忘れるハズがありません。
だって、キョウコが一目惚れした人間の頃の「秀人」そのままなんですから!
その笑顔も、その面影すらも……!
しかし、中でもキョウコを一番ビックリさせたのはその「瞳」です!
あの日以来、“ シュージンを『網膜剥離』にしたのは私なんだ ” ってキョウコはずっと勘違いな想いを抱いたまま……
シュージンが “ 視力 ” を無くしたのは『網膜剥離』のせいじゃないのに。
シュージンの『大天使』の血のせいなのに。
シュージンに懺悔したいという想いだけで、ずっと行方を探し続けていたんです。
しかも……「現在の地上界」ばかり。
……ガーン。
実に、清々しいほど “ 残念な ” 女の子っぷりです。
ただ、シュージンの瞳はキョウコと再会した時にはもう『人間』としての “ 視力 ” を完全に失っていましたが……
その代わり、『大天使』としての “ 神眼 ” で視る事が出来る様になっていました。
「ちょっと違う形だけど……
再びちゃんと見える様になっていたのね、シュージン……!」
キョウコの目には、思わずス……ッとひと筋の涙が。
キョウコは、その事だけがずっと心残りだったんです。
その後も色々と話を聞く内に、シュージンも目的が自分と一緒である事を知ります。
それは、共に “ 7世界の王 ” 達の残りを探して、世界の終焉をもたらす『黒い巫女』を追いかける事!
キョウコとシュージンは今後の行動を共にする覚悟を決め、お互いニッコリと微笑み合います。
キョウコとシュージンは今後、「未来の地上界」へ闘いの場を移す事にしたんです。
『キュルミー大戦』という、大きな戦乱が起きたんです!
キョウコの様にきぐるみを身に纏い、捕まえたテイムモンスターを駆使して闘うジョブの人達を『獣着師』と呼びます。
『黒い巫女』を倒す為に『白い巫女』がキュルミー達と手を取り合い立ち上がったので、そう呼ばれているんです。
シュージンと『白い巫女』に “ 覚醒 ” したキョウコは、最終的に『黒い巫女』を逃げも隠れも出来ない場所へ追い込む事に成功します。
ただし、その場所は大天使族、女神族、魔神族など限られた上位神族しか踏み入れる事が許されない『天界』だったんです!
シュージンは『大天使』なのでそこへ行けますが……
このままではキョウコは『人間』なので、『天界』に入る事は赦されません。
「どうしようか、キョウコ……」
「やっと、ここまで来れたのに……
シュージン、どうしたらいいの?」
結局、『天界』に入る手段はこの “ ひとつ ” しか残されていなかったんです。
そう、たったひとつだけ……
「シュージンとキョウコがひとつに結ばれる事」
だけだったんです!
そして、キョウコのお腹の中に宿った “ 愛の結晶 ” こそ、後の朱璃……
お腹に身籠った “ 神子 ” の力を借りれば、キョウコも『天界』へ入る事が出来ますから。
女性にのみ赦される、まさに神聖なる……「奥の手」です。
そうして3ヶ月後、キョウコが神子を身籠った事を確認してから7人の王達の力を借りて『天界』へ侵入し、『黒い巫女』と最後の激戦を繰り広げます。
激戦の最中、キョウコが闘っている間もずっとニックに必死でお腹の中の “ 神子 ” を守り続けてもらいながら……
そして遂に、激戦の末『黒き巫女』を討ち滅ぼす事が出来たんです!
────────────────
キュルミーって……要は『モンスターの調教師』なの……?
きぐるみには、そんな秘密があったんですね。
実は今の話、朱璃が前から聞いてみたかった疑問の答えにもなっていたんです。
なので、ここまで話を終えた所で朱璃は思わず叫んでしまいました!
「わ、ワタシのお父さん……?
お父さんはワタシが物心つく前に “ 天に召された ” ってお母さん言っていましたよね……?
それなのに、今頃お父さんが生きてるのよって言われても……」
そう言う朱璃の背中に、ニックは今まで決して満たされる事の無かった父への恋慕を感じ取ったのです。
「つまりコレってー、ファザコンってヤツひゃなー?」
ニックはそうツッコミを入れながら、さっきからずっとコップに注いだ冷たい水をチュパチュパ。
まぁ、『天界』にいるから “ 天に召された ” という言い方をしてもあながち間違いじゃないよなぁ……
「うぃ~、この世はオトンで回っれぇ~!
ケケケケケッ、ひっく♪」
……えっ、ニックが酔っ払っちゃったぁ?
京子は慌ててコップを持ち上げ、臭いを嗅いでみます。
「まぁ、大変っ!
これ、水じゃなくて “ お酢 ” だったわ!」
これには、朱璃も思わず驚愕の表情!
何と、ニックに酢を飲ませると酔っ払ってしまうみたいなんです!
「そーゆー間違い、フツーするかなぁ、お母さん……」
zzz……zzz……
コテンと横になりスピ……と寝始めたニックを横目に、朱璃は改めて京子に思いの丈をぶつけます。
「それで、その後……お父さんはどうなったんですか?
お父さんは……生きているんですか?」
やっぱり、朱璃もお父さんの “ その後 ” がどうしても気になるよね……
でも、それを聞いたら朱璃のココロが悲鳴を上げそうなくらい辛くなっちゃうかも。
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