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第1章.母 Ⅰ
007縫.フェアリーバード!
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光の合間からひょっこり覗かせた、トリさんの顔をよく見てみると……
紅い顔に黄色の嘴、何故か真ん丸お目目は大きな白目とは対照的にごま塩みたいな小さな黒目が1粒乗っかっているだけみたいに見えます。
そして綺麗な七色にグラデーション分けされた鶏冠毛は、先がぜんまいの様にクルンとカールしています。
じ……っ。 ……!!!
トリさんは京子を見付けると、喜んでスクリューみたく螺旋を描いてスッ飛んで来たんです!
「久し振り、ニック!」
「ご~しゅ~じ~ん~さ……」
一瞬、スローになったかなーって思った、次の瞬間……
ごいんっ!!!
どうやら喜び勇んでスッ飛んで来た拍子に、抱き締めようと両手を広げた京子のおでこと派手にぶつかった様なんです!
さすがは残念な生き物、螺旋を描いて突っ込んだ時点で弾丸みたいに勢いがついてこーゆー結果を招くって、予想が付かなかったんでしょうか?
頭が横を向いたり真下を向いたり、フラフラと危なっかしい飛び方をした挙げ句……
ひゅるるる~ ぽてっ。
あらら、完全に目を回しています。
ナルト目ですね。
片や、京子の方はというと……あらら、こちらの方もナルト目になっています。
両者ダブルノックアウトという、何とも残念な幕切れです!
……あ~ぁ。
しばらく経って、トリさんの意識が回復したみたいです。
コキコキ……ぺき。
何事も無かったかの様に左右に首を傾げ、ムクッと起き上がりました。
ちなみに京子の方は、朱璃が用意してくれた氷嚢を首の後ろに乗っけて介抱してもらっています。
朱璃は驚愕を受けました。
ナニ、この “ お約束 ” とでも言いたげなこの空気は……?
コレは早速『異世界ファンタジー』の手厚い “ 洗礼 ” を受けたって感じですか……?
コレが噂の「異世界あるある」とか……?
だってこのトリさん、この世界では見た事ありませんもの!
でも、どこかで見た事がある様な気が……
そうです、昨日学校の図書館で借りた鳥類図鑑に載っていた……
あれは確か、「ゴクラクチョウ」です!
だけど、この世界では……
こんなに全身、燃え盛ってはいないんですけどね♪
トリさんがプルルーっと体躯を震わせると、燃え盛る全身から小っちゃなネズミ花火がいくつもひゅるひゅるひゅる~っと……
おーっ、パチパチパチ……ってそう風流に浸ってる場合じゃなくて!
「いえいえお姉ちゃん、そんな絵本の中のお話じゃないよー。
全て、今現在目の前で起きている “ リアル ” なんだからさー。」
トリさんが喋ってるコト自体、もうすでにあり得ない事なんですけど……
喋り方もどことなく “ 子供っぽい ” し……
とってもフレンドリーだし……
でも、明るくハキハキと言う子ですよね!
京子はニヤッと笑って、朱璃にトンでもない事を言い出します!
「朱璃、この子は時々ボケるからツッコんであげると喜ぶのよ!
ホラ、自己紹介はーッ?」
えーッ、このトリさん “ ボケとツッコミ ” が理解出来るんですかぁ???
どうやら、あの “ ネズミ花火 ” の件はトリさんのボケだったみたいです!
「ども、ボクはご主人さまであるキョウコ様の “ テイムちゃん ” 、フェアリーバードのニックって言いまーす。
ヨロシクねー!」
す……スラスラと流暢な日本語……喋れるじゃないのーッ!
それに……「テイムちゃん」って……?
何ですか、このカワイイ生き物は……?
京子は、しみじみとした顔でニックに聞きます。
「でもニック、アナタ “ あれ ” からよく無事に戻って来れたわね。」
「ボク、ご主人さまとは『天界』で離ればなれになったきりー。
今まで探すの大変だったんですよー。」
そう言ったニックの顔は、喜びで緩みきっています。
「ごめんなさい、ニックさん……ワタシ、今の状況にまだ頭が追い付いていなくて……分かる様に説明して……もらえませんか?」
ニックはうーん……としばらく考えて、どうする?って京子と顔を見合わせてヒソヒソ話をします。
しかし、先ほどボケとツッコミの事を聞いてしまったせいで……
朱璃には、どうしても京子とニックが『お笑いコントのネタ合わせ』をしている様にしか見えません!
プププ……っ!
朱璃は、込み上げる笑いを堪えるのに必死です。
しばらくして京子とニックはお互いに納得したのか、2人で頷き合いました。
「説明なんて廻りくどくてヤだからー、これからお姉ちゃんに一発で理解してもらいたいと思いまーす!」
2人で散々話し合って、結局結論はソレかーいッ!
なんてツッコミ、ワタシには無理でしょうね……
朱璃、さっきまで笑いを堪えていたと思ったら現在、理由は分からないけどひとりで打ち拉がれている模様……
多感なお年頃であるが故、なんでしょうか?
しかし、すぐハッと我に返り……
朱璃は、ニックに小声で聞き直します。
「これから……一発で?」
「朱璃に、これを開けて欲しいの。
この小型のアタッシュケースを、ね。」
京子は事も無げに、サラリと答えたんです。
……ただ、普通の開け方じゃダメなんだけど、ね。
朱璃は、この小型のアタッシュケースを無事に開ける事は出来るんでしょうか……?
紅い顔に黄色の嘴、何故か真ん丸お目目は大きな白目とは対照的にごま塩みたいな小さな黒目が1粒乗っかっているだけみたいに見えます。
そして綺麗な七色にグラデーション分けされた鶏冠毛は、先がぜんまいの様にクルンとカールしています。
じ……っ。 ……!!!
トリさんは京子を見付けると、喜んでスクリューみたく螺旋を描いてスッ飛んで来たんです!
「久し振り、ニック!」
「ご~しゅ~じ~ん~さ……」
一瞬、スローになったかなーって思った、次の瞬間……
ごいんっ!!!
どうやら喜び勇んでスッ飛んで来た拍子に、抱き締めようと両手を広げた京子のおでこと派手にぶつかった様なんです!
さすがは残念な生き物、螺旋を描いて突っ込んだ時点で弾丸みたいに勢いがついてこーゆー結果を招くって、予想が付かなかったんでしょうか?
頭が横を向いたり真下を向いたり、フラフラと危なっかしい飛び方をした挙げ句……
ひゅるるる~ ぽてっ。
あらら、完全に目を回しています。
ナルト目ですね。
片や、京子の方はというと……あらら、こちらの方もナルト目になっています。
両者ダブルノックアウトという、何とも残念な幕切れです!
……あ~ぁ。
しばらく経って、トリさんの意識が回復したみたいです。
コキコキ……ぺき。
何事も無かったかの様に左右に首を傾げ、ムクッと起き上がりました。
ちなみに京子の方は、朱璃が用意してくれた氷嚢を首の後ろに乗っけて介抱してもらっています。
朱璃は驚愕を受けました。
ナニ、この “ お約束 ” とでも言いたげなこの空気は……?
コレは早速『異世界ファンタジー』の手厚い “ 洗礼 ” を受けたって感じですか……?
コレが噂の「異世界あるある」とか……?
だってこのトリさん、この世界では見た事ありませんもの!
でも、どこかで見た事がある様な気が……
そうです、昨日学校の図書館で借りた鳥類図鑑に載っていた……
あれは確か、「ゴクラクチョウ」です!
だけど、この世界では……
こんなに全身、燃え盛ってはいないんですけどね♪
トリさんがプルルーっと体躯を震わせると、燃え盛る全身から小っちゃなネズミ花火がいくつもひゅるひゅるひゅる~っと……
おーっ、パチパチパチ……ってそう風流に浸ってる場合じゃなくて!
「いえいえお姉ちゃん、そんな絵本の中のお話じゃないよー。
全て、今現在目の前で起きている “ リアル ” なんだからさー。」
トリさんが喋ってるコト自体、もうすでにあり得ない事なんですけど……
喋り方もどことなく “ 子供っぽい ” し……
とってもフレンドリーだし……
でも、明るくハキハキと言う子ですよね!
京子はニヤッと笑って、朱璃にトンでもない事を言い出します!
「朱璃、この子は時々ボケるからツッコんであげると喜ぶのよ!
ホラ、自己紹介はーッ?」
えーッ、このトリさん “ ボケとツッコミ ” が理解出来るんですかぁ???
どうやら、あの “ ネズミ花火 ” の件はトリさんのボケだったみたいです!
「ども、ボクはご主人さまであるキョウコ様の “ テイムちゃん ” 、フェアリーバードのニックって言いまーす。
ヨロシクねー!」
す……スラスラと流暢な日本語……喋れるじゃないのーッ!
それに……「テイムちゃん」って……?
何ですか、このカワイイ生き物は……?
京子は、しみじみとした顔でニックに聞きます。
「でもニック、アナタ “ あれ ” からよく無事に戻って来れたわね。」
「ボク、ご主人さまとは『天界』で離ればなれになったきりー。
今まで探すの大変だったんですよー。」
そう言ったニックの顔は、喜びで緩みきっています。
「ごめんなさい、ニックさん……ワタシ、今の状況にまだ頭が追い付いていなくて……分かる様に説明して……もらえませんか?」
ニックはうーん……としばらく考えて、どうする?って京子と顔を見合わせてヒソヒソ話をします。
しかし、先ほどボケとツッコミの事を聞いてしまったせいで……
朱璃には、どうしても京子とニックが『お笑いコントのネタ合わせ』をしている様にしか見えません!
プププ……っ!
朱璃は、込み上げる笑いを堪えるのに必死です。
しばらくして京子とニックはお互いに納得したのか、2人で頷き合いました。
「説明なんて廻りくどくてヤだからー、これからお姉ちゃんに一発で理解してもらいたいと思いまーす!」
2人で散々話し合って、結局結論はソレかーいッ!
なんてツッコミ、ワタシには無理でしょうね……
朱璃、さっきまで笑いを堪えていたと思ったら現在、理由は分からないけどひとりで打ち拉がれている模様……
多感なお年頃であるが故、なんでしょうか?
しかし、すぐハッと我に返り……
朱璃は、ニックに小声で聞き直します。
「これから……一発で?」
「朱璃に、これを開けて欲しいの。
この小型のアタッシュケースを、ね。」
京子は事も無げに、サラリと答えたんです。
……ただ、普通の開け方じゃダメなんだけど、ね。
朱璃は、この小型のアタッシュケースを無事に開ける事は出来るんでしょうか……?
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