3 / 3
Episode.002 人間だけじゃないよ!
しおりを挟む
現在、海皇中学の学生食堂にて昼食を取りながら久し振りの再会に話に花を咲かせているこの2人。
スパゲティの皿にフォークをくるくる回しているのが2年B組の奉力院秀人で、サンドイッチをパクついているのが1年C組の上村京子です。
「はむはむはむ……
ほら、シュージン、あそこ見てみてよ。」
京子はサンドイッチを頬張りながら、ある方向をつんつんっと指差します。
「ん?」
秀人は丸めたスパゲッティをパクッと口に入れて、指差した方を見ます。
「あそこの女の子、そこの女の子、あの壁沿いに立ってる男の子、そこでひとり食べてる先生も……」
果たして、京子が指差す先には何があるんでしょうか……?
「そうか、キョウコにも “ 視えて ” いるんだよな……アイツらが。」
正確に言うと、秀人と京子にしか視えない世界があるんです。
先ほど京子が指差した男子生徒、女子生徒、そして先生に共通するもの、それは……
「だってあの人達、『異世界の住人』達と霊体レベルで融合した証として……
融合し切れなかった部分がヒラヒラはみ出して旗みたいに靡いてるんだもん。」
ただし、霊視出来ない他の子達は一切気付く事は無いんですけど。
いや、融合しちゃった子も恐らく気付いていないんではないでしょうか?
「まさか、コイツら……
『モンスターチルドレン』なのか……?」
『モンスターチルドレン』って……
意味が合っていれば、最近よくテレビのニュースで見る “ アレ ” の事よね?
「え……何ソレ???」
えっ、『モンスターチルドレン』って……そーゆー意味なの?
「よくラノベとかでも、『異世界転生』って言ってこちらの世界で死んだ人間が異世界で生まれ変わって、“ 異世界の住人 ” 達と闘ったって小説、一杯あるだろ?」
秀人は京子に向かって、こんな事を言い出します。
「うんっ、私もよく読んだよ!」
私もそのジャンルの小説はよく読むし……
それどころか、実際に “ 異世界の住人 ” 達に襲われた事もあるし!
どこから出て来たのか、今も分からないままだし!
どーやったのか分からないけど、気付いたらいつの間にかいなくなってたし!
そんな事があったから、“ 異世界の住人 ” 達の存在を信じろ!って言われたら理屈抜きで信じるしかないし。
京子は、脳内で怒涛のセルフツッコミをカマします。
「それくらい、今や『異世界転生』って言葉はポピュラーになってるけど……
実は本当はさ……『異世界転生』出来るのは人間だけじゃ無いんだぜ?」
へ?……『異世界転生』は人間サマだけのモノでは無いですと!?
「何と逆に、“ 異世界の住人 ” 達が『異世界転生』して人間としてこちらの世界にやって来る事もあるんだよ。
そんな異世界転生した異世界の住人達の事を、『モンスターチルドレン』って言うんだよ。
そして、あそこの先生みたいに異世界転生した異世界の住人達が人間の姿のまま誰にも気付かれずに大人になると、『モンスターペアレント』って名前に昇格するんだ。」
まさか『モンスターペアレント』って、“ 出世魚扱い ” なの!?
「『モンスターチルドレン』も『モンスターペアレント』も、半分異世界の住人の血が入っているから、当然社会の規律みたいなのは存在しない。
己の杓子定規で行動しようとするから、社会に馴染めず社会に迷惑ばかりかけてしまうのがコイツらの共通する特徴なんだ。」
やっぱり、最近よくテレビで見る “ アレ ” なんだぁ!
っていう事は、あの言葉の “ モンスター ” って……ホンモノの事だったの!??
「手っ取り早くコイツらをどうこうするには、人間の霊体とコイツら “ 異世界の住人 ” 達の霊体とを切り離してやれば異世界へ送り返してやれるんだが……
いかんせん、お互いの霊体が霊子レベルで結合しているから普通の人間では切り離すのは不可能なんだ。」
だから、そんな『モンスターチルドレン』達を唯一相手に出来るシュージンに白羽の矢が立ったのね。
「そこで必要なのが、オレの……『奉力院流棒術』なんだ!
“ 異世界の住人 ” 達の霊子を断ち切る為に、オレの棒術は……棒の先をオレの霊子で伸ばすんだ。
だから、人間の霊体は伸ばしたオレの霊子の影響を直接受けなくてさ。
その結果、“ 組稽古 ” だと間合いが合わずに空振っちゃって『実戦では使えない棒術』って呼ばれちゃうんだよな。」
ここまで聞いて、京子は秀人にある疑問をぶつけてみます。
「シュージンが『モンスターチルドレン』と相対する事になったのって、誰かからの依頼なの?」
秀人は、首をぶんぶんと横に振ります。
「オレはただただ単に『モンスターチルドレン』って人種がキライだっただけさ。
たまたまその背後に “ 異世界の住人 ” 達の姿がチラ付いていたから、オマケでこんな事を趣味でしているだけ!」
そして、秀人は京子に共闘しないかと持ち掛けます。
「京子もコイツらの姿が視えるんだろ?
どうだい、オレの助手としてこの学校に蔓延る『モンスターチルドレン』達を退治してやらないかい?」
確かに、京子にも生徒達の背後に融合する『モンスターチルドレン』の姿が視えます。
しかし、実は秀人と京子は彼らの視え方が違いますし、視える方法も違います。
それはすなわち、『モンスターチルドレン』との接し方の違いに繋がって来る事にも為りはしないのでしょうか?
果たして、京子は秀人と行動を共にして行くのでしょうか……?
スパゲティの皿にフォークをくるくる回しているのが2年B組の奉力院秀人で、サンドイッチをパクついているのが1年C組の上村京子です。
「はむはむはむ……
ほら、シュージン、あそこ見てみてよ。」
京子はサンドイッチを頬張りながら、ある方向をつんつんっと指差します。
「ん?」
秀人は丸めたスパゲッティをパクッと口に入れて、指差した方を見ます。
「あそこの女の子、そこの女の子、あの壁沿いに立ってる男の子、そこでひとり食べてる先生も……」
果たして、京子が指差す先には何があるんでしょうか……?
「そうか、キョウコにも “ 視えて ” いるんだよな……アイツらが。」
正確に言うと、秀人と京子にしか視えない世界があるんです。
先ほど京子が指差した男子生徒、女子生徒、そして先生に共通するもの、それは……
「だってあの人達、『異世界の住人』達と霊体レベルで融合した証として……
融合し切れなかった部分がヒラヒラはみ出して旗みたいに靡いてるんだもん。」
ただし、霊視出来ない他の子達は一切気付く事は無いんですけど。
いや、融合しちゃった子も恐らく気付いていないんではないでしょうか?
「まさか、コイツら……
『モンスターチルドレン』なのか……?」
『モンスターチルドレン』って……
意味が合っていれば、最近よくテレビのニュースで見る “ アレ ” の事よね?
「え……何ソレ???」
えっ、『モンスターチルドレン』って……そーゆー意味なの?
「よくラノベとかでも、『異世界転生』って言ってこちらの世界で死んだ人間が異世界で生まれ変わって、“ 異世界の住人 ” 達と闘ったって小説、一杯あるだろ?」
秀人は京子に向かって、こんな事を言い出します。
「うんっ、私もよく読んだよ!」
私もそのジャンルの小説はよく読むし……
それどころか、実際に “ 異世界の住人 ” 達に襲われた事もあるし!
どこから出て来たのか、今も分からないままだし!
どーやったのか分からないけど、気付いたらいつの間にかいなくなってたし!
そんな事があったから、“ 異世界の住人 ” 達の存在を信じろ!って言われたら理屈抜きで信じるしかないし。
京子は、脳内で怒涛のセルフツッコミをカマします。
「それくらい、今や『異世界転生』って言葉はポピュラーになってるけど……
実は本当はさ……『異世界転生』出来るのは人間だけじゃ無いんだぜ?」
へ?……『異世界転生』は人間サマだけのモノでは無いですと!?
「何と逆に、“ 異世界の住人 ” 達が『異世界転生』して人間としてこちらの世界にやって来る事もあるんだよ。
そんな異世界転生した異世界の住人達の事を、『モンスターチルドレン』って言うんだよ。
そして、あそこの先生みたいに異世界転生した異世界の住人達が人間の姿のまま誰にも気付かれずに大人になると、『モンスターペアレント』って名前に昇格するんだ。」
まさか『モンスターペアレント』って、“ 出世魚扱い ” なの!?
「『モンスターチルドレン』も『モンスターペアレント』も、半分異世界の住人の血が入っているから、当然社会の規律みたいなのは存在しない。
己の杓子定規で行動しようとするから、社会に馴染めず社会に迷惑ばかりかけてしまうのがコイツらの共通する特徴なんだ。」
やっぱり、最近よくテレビで見る “ アレ ” なんだぁ!
っていう事は、あの言葉の “ モンスター ” って……ホンモノの事だったの!??
「手っ取り早くコイツらをどうこうするには、人間の霊体とコイツら “ 異世界の住人 ” 達の霊体とを切り離してやれば異世界へ送り返してやれるんだが……
いかんせん、お互いの霊体が霊子レベルで結合しているから普通の人間では切り離すのは不可能なんだ。」
だから、そんな『モンスターチルドレン』達を唯一相手に出来るシュージンに白羽の矢が立ったのね。
「そこで必要なのが、オレの……『奉力院流棒術』なんだ!
“ 異世界の住人 ” 達の霊子を断ち切る為に、オレの棒術は……棒の先をオレの霊子で伸ばすんだ。
だから、人間の霊体は伸ばしたオレの霊子の影響を直接受けなくてさ。
その結果、“ 組稽古 ” だと間合いが合わずに空振っちゃって『実戦では使えない棒術』って呼ばれちゃうんだよな。」
ここまで聞いて、京子は秀人にある疑問をぶつけてみます。
「シュージンが『モンスターチルドレン』と相対する事になったのって、誰かからの依頼なの?」
秀人は、首をぶんぶんと横に振ります。
「オレはただただ単に『モンスターチルドレン』って人種がキライだっただけさ。
たまたまその背後に “ 異世界の住人 ” 達の姿がチラ付いていたから、オマケでこんな事を趣味でしているだけ!」
そして、秀人は京子に共闘しないかと持ち掛けます。
「京子もコイツらの姿が視えるんだろ?
どうだい、オレの助手としてこの学校に蔓延る『モンスターチルドレン』達を退治してやらないかい?」
確かに、京子にも生徒達の背後に融合する『モンスターチルドレン』の姿が視えます。
しかし、実は秀人と京子は彼らの視え方が違いますし、視える方法も違います。
それはすなわち、『モンスターチルドレン』との接し方の違いに繋がって来る事にも為りはしないのでしょうか?
果たして、京子は秀人と行動を共にして行くのでしょうか……?
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる