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第3章.地上界編
第48話.異世界イイ旅夢気分(その2)
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サクラとスーリア、受付のお姉さんにはどちらが彼女に見えたのでしょうか?
いろんな意味で、聞くのがコワイ質問です。
するとスーリアがススッと寄って来て、耳元でひと言……
「きっと、サクラですよ!
お2人のラブラブオーラ、周りに “ 全力ダダ漏れ中 ” ですからね……」
……さいですか。
ちなみにその後、受付のお姉さんはこう呟いたそうです。
「傍に寄り添うサクラさんは『彼女』に見えるけど、慎ましく半歩下がるスーリアさんは『奥さん』に見えるよね……」
確かに彼女に見えるのはサクラですけど、何となく残念な結果に……
サクラ、まだまだ精進が必要みたいですよ。
試しに、シェリルはぶ厚いファイルブックをインベントリに入れてみます。
がま口は多少の伸縮が利くみたいで、ファイルブックも難なく呑み込んでくれました。
インベントリ自体はすごく軽いし、大きさも手の平サイズなのでサクラに持っていて
貰います。
しかも、マジックアイテムなのに関わらず無詠唱で何度も出し入れ出来るみたいなんです。
「でも、借り物ですからちゃんと返しに行きます!」
こういう事はきちっと守って行くシェリルだから、みんなシェリルに力を貸してあげたくなるのかも知れませんね。
例え『クリーチャー』の力が無かったとしても、きっと。
こうしてシェリル達は受付嬢のお姉さんにフリフリ手を振って別れ、3泊4日クルージングの旅が始まりました。
目指すはトンポイ大陸で1番の観光地、トンポイの町です!
しかし、ある程度モンスターはシェリルとフィリルの連携で連れ戻されているって言うけれど……
未だ大多数のモンスターがこの異世界から外に逃げ出したままになっているので、行く手にモンスターはおらずストレスフリーで快適そのものです!
しかも、船上ではウェルカムディップ、ウェルカムドリンクのプレゼント!
何と、船賃どころか3泊4日クルージング中の食費までタダで済んでしまったんです。
「旅費、全然使わなかったね……」
「だったらシェリルくん、このお金は別の使い途に回そうよ!
だって今の時代、有益な情報を得るのだってお金がいるのよ?」
なるほど、超現実主義のサクラさん。
お金にそんな使い途があったなんて、シェリルでは思い付けません。
スーリアも感心して、ニッコリ笑って尻尾をペチペチ叩いて鳴らしています。
3泊4日のクルージングを、目いっぱいエンジョイします。
女性陣は、観光船の中を船上デッキから船底リラクゼーションサロンまでキャッキャ言いながら満喫し尽くします。
スーリア、サクラにあっちこっち引っ張り廻されていますね……
一方シェリルは自分の部屋でのんびり過ごします。
やる事が無い彼は、何と……!
一緒に連れて来て、彼のココロとリンクして幸せでへべれけ~になって (?) いるワープホールを、試しに天日干ししてあげてみたんです!
すると、何という事でしょう……!
天日干しにされたワープホールから、潮風の味付けもあってイイ匂いが漂って来たではありませんか……!
「ワープホールって……
天日干しすると、イイ匂いがするんですね……」
笑撃の事実を前に、シェリルは……
こうして、クルージングを続けること4日後……
ついに観光船は、トンポイ大陸にあるシャントーの町に着いたんです!
クルージングも終わり、シェリルとサクラ、スーリアの3人はジェズ山へ行く馬車を探しています。
「ねぇ、スーリアって人魚なんでしょ?
もしかして、そのおサカナぴちぴちからスラリ生足に変身なんて出来る?」
サクラは日本の代表的なおとぎ話のひとつ、『人魚姫』を思い出してスーリアに聞いてみました。
「えぇ、変身出来ますよ。
“ ヒト形態 ” に戻ればチョチョイのチョイです!
やってみせましょうか?」
……へぇ、ヒト形態なんてあるんだぁ。
シェリルとサクラがそんな事を考えていると、スーリアが「んっ!」と気を込めました。
シュワワワワ……と脚先から泡が立ち込め、次第にサカナの尾びれからヒトの生足へと……あわわわわ!
ヤバイ!
普段のスーリアは上半身だけ服を着ていて、下半身は尾びれの邪魔になるからと何も履いてないんです!
「スーリア、コレ履いてっ!」
サクラは、咄嗟に自分の予備のスカートをスーリアに投げ入れます!
「何か下、スースーします……」
「うんっ、やっぱりコレよコレっ!」
変身したスーリアの姿を見て、サクラもご満悦です。
なぜなら……
「クルージングまではおサカナぴちぴちだったけど……
これから “ 馬車ヒッチハイク ” するんだから、やっぱりこの姿じゃないとね!
こだわりって、とっても大事なのよ!」
あ、またヒッチハイクするんだ……
並々ならぬこだわりを持ってるね、サクラ。
「あの……シェリルさん、サクラ、『ヒッチハイク』って何ですか?」
スーリアが、首を傾げてシェリルとサクラに聞いて来ます。
「ヒッチハイクっていうのはね、見ず知らずの人の馬車に乗せてもらって満喫する、旅の醍醐味なのよ!」
サクラは、ここぞとばかりに身振り手振りでヒッチハイクの良さを力説します。
せっかくリフィおばさんが作ってくれた渾身の力作、観光ファイルブックをジャイアントスイングで遠くへブン投げそうなハリキリぶりです!
「いい、スーリア?
このタイミングで腰に手を当てて……こうよ!」
「……こうですか?」
ちなみに、今のスーリアは “ ヒト形態 ” になっているので下半身はスラリとした女の子のおみ足、腰だってくびれだってちゃんとあります。
コレこそが、サクラのこだわりなんです!
しかし、サクラとスーリアはヒッチハイクをする時に決定的に必要になるモノがまだひとつ揃っていない事に気付いていません。
そんな準備不足なまま、馬車を捕まえる事は出来るんでしょうか……?
いろんな意味で、聞くのがコワイ質問です。
するとスーリアがススッと寄って来て、耳元でひと言……
「きっと、サクラですよ!
お2人のラブラブオーラ、周りに “ 全力ダダ漏れ中 ” ですからね……」
……さいですか。
ちなみにその後、受付のお姉さんはこう呟いたそうです。
「傍に寄り添うサクラさんは『彼女』に見えるけど、慎ましく半歩下がるスーリアさんは『奥さん』に見えるよね……」
確かに彼女に見えるのはサクラですけど、何となく残念な結果に……
サクラ、まだまだ精進が必要みたいですよ。
試しに、シェリルはぶ厚いファイルブックをインベントリに入れてみます。
がま口は多少の伸縮が利くみたいで、ファイルブックも難なく呑み込んでくれました。
インベントリ自体はすごく軽いし、大きさも手の平サイズなのでサクラに持っていて
貰います。
しかも、マジックアイテムなのに関わらず無詠唱で何度も出し入れ出来るみたいなんです。
「でも、借り物ですからちゃんと返しに行きます!」
こういう事はきちっと守って行くシェリルだから、みんなシェリルに力を貸してあげたくなるのかも知れませんね。
例え『クリーチャー』の力が無かったとしても、きっと。
こうしてシェリル達は受付嬢のお姉さんにフリフリ手を振って別れ、3泊4日クルージングの旅が始まりました。
目指すはトンポイ大陸で1番の観光地、トンポイの町です!
しかし、ある程度モンスターはシェリルとフィリルの連携で連れ戻されているって言うけれど……
未だ大多数のモンスターがこの異世界から外に逃げ出したままになっているので、行く手にモンスターはおらずストレスフリーで快適そのものです!
しかも、船上ではウェルカムディップ、ウェルカムドリンクのプレゼント!
何と、船賃どころか3泊4日クルージング中の食費までタダで済んでしまったんです。
「旅費、全然使わなかったね……」
「だったらシェリルくん、このお金は別の使い途に回そうよ!
だって今の時代、有益な情報を得るのだってお金がいるのよ?」
なるほど、超現実主義のサクラさん。
お金にそんな使い途があったなんて、シェリルでは思い付けません。
スーリアも感心して、ニッコリ笑って尻尾をペチペチ叩いて鳴らしています。
3泊4日のクルージングを、目いっぱいエンジョイします。
女性陣は、観光船の中を船上デッキから船底リラクゼーションサロンまでキャッキャ言いながら満喫し尽くします。
スーリア、サクラにあっちこっち引っ張り廻されていますね……
一方シェリルは自分の部屋でのんびり過ごします。
やる事が無い彼は、何と……!
一緒に連れて来て、彼のココロとリンクして幸せでへべれけ~になって (?) いるワープホールを、試しに天日干ししてあげてみたんです!
すると、何という事でしょう……!
天日干しにされたワープホールから、潮風の味付けもあってイイ匂いが漂って来たではありませんか……!
「ワープホールって……
天日干しすると、イイ匂いがするんですね……」
笑撃の事実を前に、シェリルは……
こうして、クルージングを続けること4日後……
ついに観光船は、トンポイ大陸にあるシャントーの町に着いたんです!
クルージングも終わり、シェリルとサクラ、スーリアの3人はジェズ山へ行く馬車を探しています。
「ねぇ、スーリアって人魚なんでしょ?
もしかして、そのおサカナぴちぴちからスラリ生足に変身なんて出来る?」
サクラは日本の代表的なおとぎ話のひとつ、『人魚姫』を思い出してスーリアに聞いてみました。
「えぇ、変身出来ますよ。
“ ヒト形態 ” に戻ればチョチョイのチョイです!
やってみせましょうか?」
……へぇ、ヒト形態なんてあるんだぁ。
シェリルとサクラがそんな事を考えていると、スーリアが「んっ!」と気を込めました。
シュワワワワ……と脚先から泡が立ち込め、次第にサカナの尾びれからヒトの生足へと……あわわわわ!
ヤバイ!
普段のスーリアは上半身だけ服を着ていて、下半身は尾びれの邪魔になるからと何も履いてないんです!
「スーリア、コレ履いてっ!」
サクラは、咄嗟に自分の予備のスカートをスーリアに投げ入れます!
「何か下、スースーします……」
「うんっ、やっぱりコレよコレっ!」
変身したスーリアの姿を見て、サクラもご満悦です。
なぜなら……
「クルージングまではおサカナぴちぴちだったけど……
これから “ 馬車ヒッチハイク ” するんだから、やっぱりこの姿じゃないとね!
こだわりって、とっても大事なのよ!」
あ、またヒッチハイクするんだ……
並々ならぬこだわりを持ってるね、サクラ。
「あの……シェリルさん、サクラ、『ヒッチハイク』って何ですか?」
スーリアが、首を傾げてシェリルとサクラに聞いて来ます。
「ヒッチハイクっていうのはね、見ず知らずの人の馬車に乗せてもらって満喫する、旅の醍醐味なのよ!」
サクラは、ここぞとばかりに身振り手振りでヒッチハイクの良さを力説します。
せっかくリフィおばさんが作ってくれた渾身の力作、観光ファイルブックをジャイアントスイングで遠くへブン投げそうなハリキリぶりです!
「いい、スーリア?
このタイミングで腰に手を当てて……こうよ!」
「……こうですか?」
ちなみに、今のスーリアは “ ヒト形態 ” になっているので下半身はスラリとした女の子のおみ足、腰だってくびれだってちゃんとあります。
コレこそが、サクラのこだわりなんです!
しかし、サクラとスーリアはヒッチハイクをする時に決定的に必要になるモノがまだひとつ揃っていない事に気付いていません。
そんな準備不足なまま、馬車を捕まえる事は出来るんでしょうか……?
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