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第2章.日本編
第31話.特訓合宿【日本編】(その1)
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いよいよ、京子おばあちゃんとの特訓がスタートしました。
あのインプの群れを殲滅させた京子おばあちゃんを見て、初めはとても怖く思っていたんですけど……
どんな些細な事でもすぐ、包み隠さず教えてくれるんです。
手取り足取り、それはもう過保護な程に……
普通だったらメチャクチャ怒られたり、
「技術は目で盗め!」
「ひたすら反復練習だ!」
とか言われてもおかしくなさそうなんですけどね。
それに、特訓に必要な物はなぜか初めから全て揃っています。
これらは一体、どこから調達して来たんでしょうか……?
ココで頂く食事も、シェリルの好みを完璧に把握しているみたいです。
「グレイシア家とはまた違う、こういうダダ甘♡のカタチもあるんですね……」
だからこそ、その反面不安も過ります。
今までずっと与えられるダダ甘♡を、ただそのまま享受して来ました。
ダダ甘♡に……甘えていた自分がいたんです。
本当に、コレでいいの?
今こそ、意識改革をする時では……?
強くなるきっかけやチャンスは、何を言わなくても向こうから勝手にどんどん送ってくれるんです。
ただ貰うだけじゃ、勿体無いじゃないですか!
そう理解した次の日から、シェリルは変わりました。
自分から積極的に質問し、行動する様になったんです!
それに伴い、特訓中も自ら考え思案する姿が目立つ様になって来たんです。
そんなシェリルの様子を、京子おばあちゃんと桜、人魚さんの3人は家の縁側に座って傍観しています。
「ようやく気付いたみたいよ、シェリルさん。
次は貴女ですね、桜。
確かに、『壁ドン♡ブレット』でピストルの弾丸みたいに腕に捻りを加えるって発想はいいわ。
でも、“ 1対多 ” で使うべきではないわね。
技にも使い所がある事を学びなさい、イイわね?」
やはり、弱点を見抜かれていた様です。
しかも、桜はインプの大群と実際に闘いようやく身体で実感出来た事を、京子はひと目見ただけで……
「はい……」
やっぱり、京子おばあちゃんには敵わないよね……
「シェリルさんみたいにもっともっと考えるんです、桜……」
そして、京子は座ったままくるっと人魚さんの方に向き直って言いました。
「貴女は昨日、ずっと間近で桜とシェリルさんを見て来たでしょ。
貴女は、これから……どうしたいの?」
人魚さんはジッ……とひたむきなシェリルの姿を見つめ、視線を落として目を瞑りこう言ったんです。
「ワタシ、もっと強くなりたい……
シェリルさんと桜さんの傍で、あの2人の手助けになれる様に頑張りたいんです……」
人魚さんのそのひと言を聞き、京子はニコッと笑いました。
「貴女がそう言ってくれるのを待ってたわ。
じゃあ……ちゃんとした先生の下で学んでみる気、ない?」
えっ?と驚き半分、喜び半分で人魚さんの瞳孔が見開かれます!
「はいっ、学んでみたいですっ!
でも……京子さんは、教えてくれないんですか?」
先生を紹介してくれるのは嬉しいのですが、心中はやはり、シェリル達と一緒に……
「ホラ、私は桜とシェリルくんでいっぱいいっぱいだし……
シェリルくんも、桜とワンセットにした方が強くなれるって思うの。
それに、これから紹介する先生は貴女も知っている人のお母さんなのよ。」
そして、京子は立てた人差し指をフリフリと振りながら話を続けます。
「格闘専門な私と違って、その人はスキル魔法が専門なのよ。
貴女も……どちらかと言うと、武器で闘うタイプじゃないわね。
むしろ、スキル魔法を駆使して後方支援するタイプじゃないかって思ったのよ。
だから、私よりその人の方が適任なのよ!」
この人は、今日初めて会ったばかりのアタシにこんなにも尽力してくれる……
そういう風に考えたら、もう迷いも躊躇いもありませんでした。
「お願いします、その人の所へ連れて行って下さい!」
「……分かったわ。
でもその人、今ちょうど私のお願いでひと仕事してもらってる最中なの。
その仕事が終わった後で良ければ、紹介してあげるね。
貴女のおじいちゃんにも、後から言っておくわね。」
「えっ、アタシのおじいちゃんを知っているんですか?」
「えぇ、よく知っているわ。
先の第1次キュルミー大戦の時に、おじいちゃんには大変世話になったからね。」
自分にも先生が付くと聞いて人魚さん、とても嬉しそうです。
あ、尻尾がピチピチ跳ねてます!
何か、嬉しくて尻尾を振るワンコみたいで可愛いですね!
京子おばあちゃん、アタシのおじいちゃんと知り合いだったんだぁ……♪
え……そっち?
あのインプの群れを殲滅させた京子おばあちゃんを見て、初めはとても怖く思っていたんですけど……
どんな些細な事でもすぐ、包み隠さず教えてくれるんです。
手取り足取り、それはもう過保護な程に……
普通だったらメチャクチャ怒られたり、
「技術は目で盗め!」
「ひたすら反復練習だ!」
とか言われてもおかしくなさそうなんですけどね。
それに、特訓に必要な物はなぜか初めから全て揃っています。
これらは一体、どこから調達して来たんでしょうか……?
ココで頂く食事も、シェリルの好みを完璧に把握しているみたいです。
「グレイシア家とはまた違う、こういうダダ甘♡のカタチもあるんですね……」
だからこそ、その反面不安も過ります。
今までずっと与えられるダダ甘♡を、ただそのまま享受して来ました。
ダダ甘♡に……甘えていた自分がいたんです。
本当に、コレでいいの?
今こそ、意識改革をする時では……?
強くなるきっかけやチャンスは、何を言わなくても向こうから勝手にどんどん送ってくれるんです。
ただ貰うだけじゃ、勿体無いじゃないですか!
そう理解した次の日から、シェリルは変わりました。
自分から積極的に質問し、行動する様になったんです!
それに伴い、特訓中も自ら考え思案する姿が目立つ様になって来たんです。
そんなシェリルの様子を、京子おばあちゃんと桜、人魚さんの3人は家の縁側に座って傍観しています。
「ようやく気付いたみたいよ、シェリルさん。
次は貴女ですね、桜。
確かに、『壁ドン♡ブレット』でピストルの弾丸みたいに腕に捻りを加えるって発想はいいわ。
でも、“ 1対多 ” で使うべきではないわね。
技にも使い所がある事を学びなさい、イイわね?」
やはり、弱点を見抜かれていた様です。
しかも、桜はインプの大群と実際に闘いようやく身体で実感出来た事を、京子はひと目見ただけで……
「はい……」
やっぱり、京子おばあちゃんには敵わないよね……
「シェリルさんみたいにもっともっと考えるんです、桜……」
そして、京子は座ったままくるっと人魚さんの方に向き直って言いました。
「貴女は昨日、ずっと間近で桜とシェリルさんを見て来たでしょ。
貴女は、これから……どうしたいの?」
人魚さんはジッ……とひたむきなシェリルの姿を見つめ、視線を落として目を瞑りこう言ったんです。
「ワタシ、もっと強くなりたい……
シェリルさんと桜さんの傍で、あの2人の手助けになれる様に頑張りたいんです……」
人魚さんのそのひと言を聞き、京子はニコッと笑いました。
「貴女がそう言ってくれるのを待ってたわ。
じゃあ……ちゃんとした先生の下で学んでみる気、ない?」
えっ?と驚き半分、喜び半分で人魚さんの瞳孔が見開かれます!
「はいっ、学んでみたいですっ!
でも……京子さんは、教えてくれないんですか?」
先生を紹介してくれるのは嬉しいのですが、心中はやはり、シェリル達と一緒に……
「ホラ、私は桜とシェリルくんでいっぱいいっぱいだし……
シェリルくんも、桜とワンセットにした方が強くなれるって思うの。
それに、これから紹介する先生は貴女も知っている人のお母さんなのよ。」
そして、京子は立てた人差し指をフリフリと振りながら話を続けます。
「格闘専門な私と違って、その人はスキル魔法が専門なのよ。
貴女も……どちらかと言うと、武器で闘うタイプじゃないわね。
むしろ、スキル魔法を駆使して後方支援するタイプじゃないかって思ったのよ。
だから、私よりその人の方が適任なのよ!」
この人は、今日初めて会ったばかりのアタシにこんなにも尽力してくれる……
そういう風に考えたら、もう迷いも躊躇いもありませんでした。
「お願いします、その人の所へ連れて行って下さい!」
「……分かったわ。
でもその人、今ちょうど私のお願いでひと仕事してもらってる最中なの。
その仕事が終わった後で良ければ、紹介してあげるね。
貴女のおじいちゃんにも、後から言っておくわね。」
「えっ、アタシのおじいちゃんを知っているんですか?」
「えぇ、よく知っているわ。
先の第1次キュルミー大戦の時に、おじいちゃんには大変世話になったからね。」
自分にも先生が付くと聞いて人魚さん、とても嬉しそうです。
あ、尻尾がピチピチ跳ねてます!
何か、嬉しくて尻尾を振るワンコみたいで可愛いですね!
京子おばあちゃん、アタシのおじいちゃんと知り合いだったんだぁ……♪
え……そっち?
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