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第2章.日本編
第25話.インプからの逃避行(その2)
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シェリルが、自分とインプ達との間に存在する『空間』を削り取ったという事はすなわち……
削られた空間の分だけ、シェリルとインプ達との間が詰まった事を意味します。
それは取りも直さず、削り取った空間の分だけインプ達とか弱い女性との間に隙間が出来たという事でもあります。
その出来た隙間にサクラが割って入り、女性の手をしっかり掴みます。
「せぇ~のっ!」
女性の手を掴んだサクラが、力いっぱい引き抜きます!
引っ張られた女性はサクラの手を離れて、宙を舞います!
その女性の姿を見て、シェリルもサクラもあっ!と驚きます。
その女性は何と人魚、マーメイドだったんです!
ピチッピチッと跳ねながら宙を舞った人魚さんは、そのままシェリルの胸の中へ……
シェリルの胸の中で、口を三角にして「んまー!」って顔をしたままコチンと固まる人魚さん。
そんな人魚さんの胴体をシェリルが、脚ヒレをサクラがそれぞれ小脇に抱えて……
スタコラサッサとインプ達の前から走り去ります!
そして駐車場のトラックの所まで来たら、2人で抱えたコチンと固まったままの人魚さんをトスンと幌の中に入れ、飛び乗りながら
「おじさん、出発して下さい!」
とトラックを発車させました。
とっさの事で目を白黒させていたインプ達も、ようやく獲物が攫われた事に気付いた様です。
夕日を背に、トラックの後を追いかけます!
シェリルはピンクゴールドの曲剣をブンブン振り回してインプ達が近くに寄れない様に威嚇し、サクラは弾丸の様に空中突進して来るインプ達を壁ドン♡ブレットで迎撃して撃ち落とします。
ようやく、トラックは二又の岐路に差し掛かります。
「おじさん、ゴメンなさい!
ワタシ、ここで降りますから!」
もうこれ以上、おじさんに迷惑はかけられません!
でも今、走行中のトラックから飛び降りたら大怪我は避けられません!
でも……行かなくっちゃ!
しかしその時、人魚さんが両手をバッと広げて首をフルフル横に振ります。
「ワタシに任せて下さい!」
人魚さんはそう言って、目の前に水の膜を作ります。
それを見て、サクラは顔を引き攣らせます。
どうやら、ケルピーのウォーターシュラフの記憶がトラウマとして残っている様です!
「この膜は、ワタシの意思で自由に解除出来ます!
ワタシを信じて下さい!」
すると、フルフルと強張るサクラの身体をシェリルが優しくハグして包み込みます。
「大丈夫、この子の瞳は本気でボク達を助けたがってる。
さっき助けてくれた、恩返しがしたいんだよ。
それに、今度は水の膜の中にボクも一緒に入ってあげる。
それなら、怖くないでしょ……?」
優しい、温かいシェリルの言葉に、強張っていたサクラの身体も軟らかくなり、サクラもハグされたまま潤んだ瞳でシェリルを見上げます。
サクラ、あの時の怖さがフラッシュバックしちゃったんだ。
このフラッシュバックを鎮めてあげるには、コレしか無いかな……
「いいよ、その水の膜でボク達を包んで!」
人魚さんが水の膜でシェリル達3人を包み込む時、シェリルは見上げるサクラに優しくキスをしてあげたんです!
まるで、夜の学校のプールに忍び込んで学生服の夏服のまま2人で飛び込んだ時の様な、水の中での静かで幻想的なキス……
「ほら、全然怖くないでしょ、サクラ……」
「うんっ、まるでふたつの色が溶け合ってひとつになってるみたい……」
2人でそんな念話を交わしながら、道路が道なりに曲がったタイミングを見計らってみんなでジャンプします。
トラックの幌から飛び出した水の膜は、そのまま県道の上をバウンドしてゴロゴロと歩道へと転がって奥のガードレールで止まりました。
それと同時に、バシャンと水の膜が破れます。
人魚さんが解除してくれたんです!
その間わずか数秒の出来事だったので、びしょ濡れの3人は問題無く起き上がります。
おじさんのトラックが気付かないまま無事に走り去った事を確認し、すぐさまインプ達の群れから逃げ出します!
人魚さんは足では無く尾びれなのに、どうして逃げる事が出来るかですって?
どうやら自分の身体を水の膜でホバリングさせて、滑る様に逃げるらしいですよ。
削られた空間の分だけ、シェリルとインプ達との間が詰まった事を意味します。
それは取りも直さず、削り取った空間の分だけインプ達とか弱い女性との間に隙間が出来たという事でもあります。
その出来た隙間にサクラが割って入り、女性の手をしっかり掴みます。
「せぇ~のっ!」
女性の手を掴んだサクラが、力いっぱい引き抜きます!
引っ張られた女性はサクラの手を離れて、宙を舞います!
その女性の姿を見て、シェリルもサクラもあっ!と驚きます。
その女性は何と人魚、マーメイドだったんです!
ピチッピチッと跳ねながら宙を舞った人魚さんは、そのままシェリルの胸の中へ……
シェリルの胸の中で、口を三角にして「んまー!」って顔をしたままコチンと固まる人魚さん。
そんな人魚さんの胴体をシェリルが、脚ヒレをサクラがそれぞれ小脇に抱えて……
スタコラサッサとインプ達の前から走り去ります!
そして駐車場のトラックの所まで来たら、2人で抱えたコチンと固まったままの人魚さんをトスンと幌の中に入れ、飛び乗りながら
「おじさん、出発して下さい!」
とトラックを発車させました。
とっさの事で目を白黒させていたインプ達も、ようやく獲物が攫われた事に気付いた様です。
夕日を背に、トラックの後を追いかけます!
シェリルはピンクゴールドの曲剣をブンブン振り回してインプ達が近くに寄れない様に威嚇し、サクラは弾丸の様に空中突進して来るインプ達を壁ドン♡ブレットで迎撃して撃ち落とします。
ようやく、トラックは二又の岐路に差し掛かります。
「おじさん、ゴメンなさい!
ワタシ、ここで降りますから!」
もうこれ以上、おじさんに迷惑はかけられません!
でも今、走行中のトラックから飛び降りたら大怪我は避けられません!
でも……行かなくっちゃ!
しかしその時、人魚さんが両手をバッと広げて首をフルフル横に振ります。
「ワタシに任せて下さい!」
人魚さんはそう言って、目の前に水の膜を作ります。
それを見て、サクラは顔を引き攣らせます。
どうやら、ケルピーのウォーターシュラフの記憶がトラウマとして残っている様です!
「この膜は、ワタシの意思で自由に解除出来ます!
ワタシを信じて下さい!」
すると、フルフルと強張るサクラの身体をシェリルが優しくハグして包み込みます。
「大丈夫、この子の瞳は本気でボク達を助けたがってる。
さっき助けてくれた、恩返しがしたいんだよ。
それに、今度は水の膜の中にボクも一緒に入ってあげる。
それなら、怖くないでしょ……?」
優しい、温かいシェリルの言葉に、強張っていたサクラの身体も軟らかくなり、サクラもハグされたまま潤んだ瞳でシェリルを見上げます。
サクラ、あの時の怖さがフラッシュバックしちゃったんだ。
このフラッシュバックを鎮めてあげるには、コレしか無いかな……
「いいよ、その水の膜でボク達を包んで!」
人魚さんが水の膜でシェリル達3人を包み込む時、シェリルは見上げるサクラに優しくキスをしてあげたんです!
まるで、夜の学校のプールに忍び込んで学生服の夏服のまま2人で飛び込んだ時の様な、水の中での静かで幻想的なキス……
「ほら、全然怖くないでしょ、サクラ……」
「うんっ、まるでふたつの色が溶け合ってひとつになってるみたい……」
2人でそんな念話を交わしながら、道路が道なりに曲がったタイミングを見計らってみんなでジャンプします。
トラックの幌から飛び出した水の膜は、そのまま県道の上をバウンドしてゴロゴロと歩道へと転がって奥のガードレールで止まりました。
それと同時に、バシャンと水の膜が破れます。
人魚さんが解除してくれたんです!
その間わずか数秒の出来事だったので、びしょ濡れの3人は問題無く起き上がります。
おじさんのトラックが気付かないまま無事に走り去った事を確認し、すぐさまインプ達の群れから逃げ出します!
人魚さんは足では無く尾びれなのに、どうして逃げる事が出来るかですって?
どうやら自分の身体を水の膜でホバリングさせて、滑る様に逃げるらしいですよ。
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