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第2章.日本編
第24話.インプからの逃避行(その1)
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おじさんのトラックに乗せてもらい、ガタゴトガタゴト揺られる事数時間……
シェリルとサクラはトラックの幌から顔を出し、キョロキョロと外を眺めます。
向かって右側は、いつの間にか景色が一面の海岸と海に変わっています。
「あ……潮の香りが……
でも、ボクのいる異世界の海は香りがちょっと違うなぁ。」
「ワタシ、この潮の香りが大好きなの!
ね、シェリルくんの世界の海って……
どんな香りがするの?」
「んとね、ボクが住んでるスメルクト地方の海岸はね……
仄かに甘い香りがするんだよ!
神樹様の影響なんだけどね……」
「えっ、神樹さまの影響ってどういう事なの……?」
「神樹さまの樹液が海に溶け込んでいるから、甘い香りがするんだよ。
しかも樹液は栄養になるから、スメルクト地方で採れる魚や貝はみんな丸々肥えていて大きくなるんだよ!」
「へぇ、今度異世界の海に連れてってね!
愛してる、シェリルくん♡」
幌の2人は、相変わらず念話でラブラブモード全開です。
こんなこっ恥ずかしい話、誰にも聞かれたくないもんね!
さぞかし、サクラの目には周りの景色がキラキラ輝いて見えている事でしょう。
海岸沿いでは、ウィンドサーフィンをしている人が見えます。
さらに海は沖まで広がっており、大型フェリーの姿まで見えます。
向かって左側は、この道路を中心にして数多くの様々な家がそれを取り巻く様に並んでいます。
どうやら、この道路は町の基幹道路として一番車の往き来が多い県道みたいです。
あ、トラックが止まりました。
信号機が赤になった様なので、シェリルとサクラは運転席のおじさん越しにフロントガラスから前の景色を見てみます。
町のど真ん中をほぼ競り立つ台地が占めており、立地的にとても目立っています。
何か、この町のどの場所から見てもこの巨大な台地が目に飛び込んで来そうです。
「ワタシ達が今目指してる目的地は、あの大地の上にあるのよ!」
サクラが、指を差して教えてくれました。
「でもあそこだと、まだ距離は結構離れてるよね。」
問題は、距離だけではありません。
何か、あの台地に近付くのに比例してモンスターの数も少しずつ増えて行ってる様な気もするんだけど……?
「おじさんには、迷惑をかけられないわ!
この道をしばらく海沿いに進むと、二又に分かれているの。
左に進むと台地に登る道があるから、そこまで乗せて貰いましょうよ!」
「うんっ、そうだね!」
2人で今後の活動計画を立てていると、サクラが海岸沿いで何かを見つけました。
どうやら、インプが大量に群がって何かを囲っている様なんです!
「シェリルくん、よく見てみるとアレ……
インプ達の山から出てるの、誰かの手なんじゃないの?
助けを求めているのよ、きっと!」
シェリルがよく見てみると、インプ達の山の隙間から細い手が見えて……
確かに、か弱い女性がインプ達の山から必死になって手を伸ばしています。
これは、一刻の猶予も無さそうです。
「あれ、助けを求めてるんじゃない?
行こうよ、シェリルくん!」
「それにしてもサクラ、この距離でよく気付いたねぇ。」
「うん、視力は自信あるもの!」
そしてサクラは念話を中止し、おじさんにお願いしました。
「おじさん、ワタシちょっと……お花を摘みに行きたいの。
どこかで停めて貰えません?」
「おぅ、あそこの海沿いの駐車場に停めるだども!」
そう言って、おじさんは急いで海岸に降りれる駐車場に停まってくれました。
そして、シェリルとサクラはおじさんの視界から外れた途端にインプの群れへと走り出しました。
「……インフィニティー!」
ザザッとインプ達の前に滑り込んだシェリルは、シャンパンゴールドの曲剣を構えて自分の前をスーッと横切りします。
「ワープホール……ディメンション!」
シェリルの掛け声と共に、インプ達の目の前の空間が空気ごと吸い込まれて行きます。
何と、シェリルは自分とインプ達の間にある『次元』を削り取ってみせたんです!
シェリルとサクラはトラックの幌から顔を出し、キョロキョロと外を眺めます。
向かって右側は、いつの間にか景色が一面の海岸と海に変わっています。
「あ……潮の香りが……
でも、ボクのいる異世界の海は香りがちょっと違うなぁ。」
「ワタシ、この潮の香りが大好きなの!
ね、シェリルくんの世界の海って……
どんな香りがするの?」
「んとね、ボクが住んでるスメルクト地方の海岸はね……
仄かに甘い香りがするんだよ!
神樹様の影響なんだけどね……」
「えっ、神樹さまの影響ってどういう事なの……?」
「神樹さまの樹液が海に溶け込んでいるから、甘い香りがするんだよ。
しかも樹液は栄養になるから、スメルクト地方で採れる魚や貝はみんな丸々肥えていて大きくなるんだよ!」
「へぇ、今度異世界の海に連れてってね!
愛してる、シェリルくん♡」
幌の2人は、相変わらず念話でラブラブモード全開です。
こんなこっ恥ずかしい話、誰にも聞かれたくないもんね!
さぞかし、サクラの目には周りの景色がキラキラ輝いて見えている事でしょう。
海岸沿いでは、ウィンドサーフィンをしている人が見えます。
さらに海は沖まで広がっており、大型フェリーの姿まで見えます。
向かって左側は、この道路を中心にして数多くの様々な家がそれを取り巻く様に並んでいます。
どうやら、この道路は町の基幹道路として一番車の往き来が多い県道みたいです。
あ、トラックが止まりました。
信号機が赤になった様なので、シェリルとサクラは運転席のおじさん越しにフロントガラスから前の景色を見てみます。
町のど真ん中をほぼ競り立つ台地が占めており、立地的にとても目立っています。
何か、この町のどの場所から見てもこの巨大な台地が目に飛び込んで来そうです。
「ワタシ達が今目指してる目的地は、あの大地の上にあるのよ!」
サクラが、指を差して教えてくれました。
「でもあそこだと、まだ距離は結構離れてるよね。」
問題は、距離だけではありません。
何か、あの台地に近付くのに比例してモンスターの数も少しずつ増えて行ってる様な気もするんだけど……?
「おじさんには、迷惑をかけられないわ!
この道をしばらく海沿いに進むと、二又に分かれているの。
左に進むと台地に登る道があるから、そこまで乗せて貰いましょうよ!」
「うんっ、そうだね!」
2人で今後の活動計画を立てていると、サクラが海岸沿いで何かを見つけました。
どうやら、インプが大量に群がって何かを囲っている様なんです!
「シェリルくん、よく見てみるとアレ……
インプ達の山から出てるの、誰かの手なんじゃないの?
助けを求めているのよ、きっと!」
シェリルがよく見てみると、インプ達の山の隙間から細い手が見えて……
確かに、か弱い女性がインプ達の山から必死になって手を伸ばしています。
これは、一刻の猶予も無さそうです。
「あれ、助けを求めてるんじゃない?
行こうよ、シェリルくん!」
「それにしてもサクラ、この距離でよく気付いたねぇ。」
「うん、視力は自信あるもの!」
そしてサクラは念話を中止し、おじさんにお願いしました。
「おじさん、ワタシちょっと……お花を摘みに行きたいの。
どこかで停めて貰えません?」
「おぅ、あそこの海沿いの駐車場に停めるだども!」
そう言って、おじさんは急いで海岸に降りれる駐車場に停まってくれました。
そして、シェリルとサクラはおじさんの視界から外れた途端にインプの群れへと走り出しました。
「……インフィニティー!」
ザザッとインプ達の前に滑り込んだシェリルは、シャンパンゴールドの曲剣を構えて自分の前をスーッと横切りします。
「ワープホール……ディメンション!」
シェリルの掛け声と共に、インプ達の目の前の空間が空気ごと吸い込まれて行きます。
何と、シェリルは自分とインプ達の間にある『次元』を削り取ってみせたんです!
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