ダダ甘♡ワードオーダー

きぐるみんZ

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第2章.日本編

第20話.内緒のお話蜜の味♡(その2)

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 リフィは、頃合いを見計らいシェリルに頭の中で言いました。


……もうイイわよ、シェリルちゃん!
サクラちゃんから手を放してもね!

 リフィからの合図で、シェリルはサクラの肩からパッと手を放します。


……サクラちゃん、触れているシェリルちゃんの手を放して貰ったけど、まだアタシの声が聞こえてる?


「あっ、聞こえるわ!」


……もう今なら、頭の中で思っただけで念話が楽しめるわよ!
実はね、アタシのスキル能力の発動条件はサクラちゃんに “ カミングアウトする事 ” なのよ。
これでもう、サクラちゃんもアタシの『インフィニティー』を経由して誰とでも頭の中で念話出来る様になってるハズよ。
シェリルちゃんとも、ね!


 え、コレでもう終わりなの……?
リフィからそう言われ、サクラは試しにシェリルの頭の中に呼びかけてみました。

「シェリルくん……聞こえる?」

「うんっ、サクラ、クリアに聞こえるよ!」

 サクラの頭の中に、シェリルからの念話が返って来ました!
これからは、念話で会話した方が日本ではシェリルとの旅がしやすそうですね。

「これでまた、堂々とカギカッコで会話が出来るね♪」

「え?シェリルくん、何か言った?」

「…………いや、何でもないよ。」

ハズカシイ……(汗)

「シェリルくん、これから日本にいる間は念話で過ごそうね!」

「うん、その方がボクも人目を気にせずにサクラとお話出来るし、気がラクだよ!」

「ありがとう、リフィおばさま!」

「アタシも、グレイシア軍団の中ではこーゆー任務を受け持ってるからね♪
シェリルちゃんもサクラちゃんも、困った事があったらいつでも念話をちょうだいね!」

 最後に、シェリルの方にだけ念話を繋げて、と……

「シェリルちゃん、晴れてサクラちゃんと念話が繋がったから……
これで人の目をはばかる事無く、思う存分ダダ甘♡ボイスが聞ける、蜜の味の様な時間が送れる、なんて思ったでしょー♪」

うぐ……図星。

「ハイ、ごちそーさまー♡」

 そして、プツッとリフィからの念話は途切れたのでした。


 改めて、再びシェリルとサクラが自動車の群れに目を向けると……

 あっ、この鉄のハコがよっぽどお気に召したのか……
ブラウニー達が自動車の天井に乗ってキャッキャはしゃいでいます。
コレが俗に言う “ ハコ乗り ” ってヤツでしょうか?

 あっ、今度はボンネットに乗っています!
人間たちは大騒ぎしないんでしょうか?

「でも、あのままじゃあブラウニー達が危ないなぁ。」

 シェリルはそう言って、信号待ちしている自動車にテクテク近付いて天井とボンネットに乗っているブラウニー達の首根っこを掴んでひょいと持ち上げます。
そして歩道に降ろしてやると、信号待ちが解除された自動車はブロロロ……と走り去って行きました。
ブラウニー達は今まで車にハコ乗りしていた事も忘れ、踊りながら姿を消してしまいました。

「さぁシェリルくん、行こ行こっ!
シェリルくんを連れて行きたい場所があるの。」

 シェリルとサクラは歩き出しました。
歩きながら、シェリルはサクラに聞きます。

「ねぇ、何でボクの姿はこの世界の人達に視えないのかな?」

 さっきのリフィとのねん話で、改めて考えさせられた様です。

「何故かって言うと、“ 視える ” っていうのはね……」

 しょうがないわねぇ、って顔をしながらもサクラはニッコリ笑って教えます。
どうやら、サクラは年下の子にお姉ちゃんするのが大好きな様です。
それとも、これがサクラの “ ダダ甘♡ ” なのかな?

「人間族からモンスター、果ては妖精族に至るまで全種族が必ず持っているモノ……それは “ 霊体 ” なの。
だからどの種族でも、量に個体差はあるけど必ずその “ 霊体 ” から『霊的波動』が滲み出ているわ。
その『霊的波動』がキャッチ出来る事を “ 視える ” と言って、相手が “ 視えた ” 時点で存在認識が成立しているのよ。
存在認識が成立したモンスターがどの様な行動を取るか……シェリルくんなら想像付くでしょ?」


















 ワタシの知識も、おばあちゃんからの受け売りなのよね……
でもシェリルくんが知りたいのなら、ワタシの知っている範囲でどんどん教えてあげるつもりよ。









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