16 / 50
第1章.プロローグ
第16話.真の力へ覚醒します(その3)
しおりを挟む
・サクラの本心
シェリルが虚無の空間にいるのと同時刻、サクラの意識は中空をさ迷っていました。
ココって、もしかして……三途の川なのかなぁ?
ふと何かの気配に気付いて横を見ると、自分とウリふたつの女性が寄り添っていたんです!
この女性、よくよく見ると白いウサギのきぐるみを身に纏っており、背中には眩いばかりに白い4枚の羽根が生えています。
しかも、この羽根から発せられる気はサクラみたいな人間が持つ “ 気力 ” でも、シェリルみたいな異世界の住人が持つ “ 魔力 ” でもありません!
これは、“ 気力 ” でも “ 魔力 ” でも無いんですよ。
ワタシを含む女神だけが持つ、“ 神力 ” というものです。
えっ、口に出して発していないのに、何で今ワタシの考えている事が分かったの……?
サクラは女神さまを見て、目をパチクリ。
め、女神さま……?
とても神々しいけど……
何か、とっても懐かしい感じ……
それに、きぐるみを着てる女神さまって……ちょっとカワイイ♡
女神さま、ちょっと顔を紅くしてモジモジします。
その考え方は逆ですね……
女神ってね、きぐるみを着て現れるのが当たり前なんですよ……♪
気付くと、サクラは女神さまの気に触れて涙を流していました。
ワタシ、死んじゃったの……?
いいえ、アナタはまだ死んではいませんよ……
何で分かるのよ……?
愛しの「彼」が迎えに来てくれるからですよ……
女神さまがサクラにひとつ、シェリルと同じ質問を投げ掛けます。
彼は、アナタにとってどんな存在なんですか……?
フィリルくんは、ワタシの未来のダンナ様なのっ!
サクラは、胸を張ってキッパリ言い切りました。
フフッ、アナタの未来がそうなるのを楽しみに待っていますよ。
では、コレを差し上げましょう……
そう言って女神さまが渡してくれたのは、シャンパンゴールドに輝く光の帯の、もう一方の片端だったんです。
じゃあ、お姫さまはココで白馬の王子さまが来るのを待ちましょうね、サクラ……
・再び、対ケルピー戦
「サクラを失いたくないんだっ!」
ケルピーを見てみると……
水の寝袋の中、水の尻尾で絞め落とされて失神した直後でピクリとも動かないままサクラが水中を漂っています。
どうやら時が止まる前、そのままの状態らしいです。
しかし、サクラは失神したまま水に溺れている危険な状態です。
脳に酸素が行かない状態の時では、蘇生措置が間に合うのは2分がタイムリミットと言われています。
蘇生措置をする為にもまずサクラを包み込む、ケルピーのウォーターシュラフを何とかしなきゃ……!
時が止まる前まではケルピーに勝つ算段がまるで思い付かなかったんですが、今なら勝てそうな気が……
その理由は、さっきから金色に光っている右手です。
さっき、止まった時間の中で女神さまから貰ったのも、金色に光る帯でしたから。
自分の本当のキモチに気付いた今のアナタなら、言霊たちも本当の姿を見せますよ……
その光る右手で言霊の剣を持つと棒状の黒いブロックがボロボロと剥がれ落ちます。
すると、その下から現れたのは……
向こう側が透けて見える、剣の幅広刃の真ん中に孔の空いた “ シャンパンゴールドの曲剣 ” だったんです!
コレが、言霊の剣の本当の姿なんだ……
しかし、驚く事はそれだけではありません!
あたかも、昔から知っていたみたいにワープホールを自分の手元に呼び寄せました。
ワープホールも、呼んでくれたのが嬉しくてピンク色に点滅しています。
このスキルは、ワープホールがピンクに染まっていないと出来ないんだ……
何故か、分かる。
今なら、分かる。
女神さまのお陰かな……?
シェリルは、頭の中に降って来た言葉を唱えます。
「……インフィニティー!」
すると剣の幅広刃にピンクのワープホールがスッポリはまり、曲剣と一体化したんです!
「ケルピー、悪いけどサクラを失う訳に行かないからココで決めさせてもらうよ!」
シェリルはそう言って、ケルピーに……ではなく、自分の近くの空間をヒュンッと斬ったんです!
すると、斬った空間がまんまズリュッと消失し、ワープホールになってしまったんです。
「ワープホール……ウォーター!」
シェリルは、新たに出来たワープホールに「吸い込む対象」を設定します。
すると、ワープホールは猛烈な勢いでウォーターシュラフの水を吸い込み始めました。
それと同時にケルピーの水の尻尾もみるみる痩せ細り、サクラを救出する事に成功したんです!
シェリルが虚無の空間にいるのと同時刻、サクラの意識は中空をさ迷っていました。
ココって、もしかして……三途の川なのかなぁ?
ふと何かの気配に気付いて横を見ると、自分とウリふたつの女性が寄り添っていたんです!
この女性、よくよく見ると白いウサギのきぐるみを身に纏っており、背中には眩いばかりに白い4枚の羽根が生えています。
しかも、この羽根から発せられる気はサクラみたいな人間が持つ “ 気力 ” でも、シェリルみたいな異世界の住人が持つ “ 魔力 ” でもありません!
これは、“ 気力 ” でも “ 魔力 ” でも無いんですよ。
ワタシを含む女神だけが持つ、“ 神力 ” というものです。
えっ、口に出して発していないのに、何で今ワタシの考えている事が分かったの……?
サクラは女神さまを見て、目をパチクリ。
め、女神さま……?
とても神々しいけど……
何か、とっても懐かしい感じ……
それに、きぐるみを着てる女神さまって……ちょっとカワイイ♡
女神さま、ちょっと顔を紅くしてモジモジします。
その考え方は逆ですね……
女神ってね、きぐるみを着て現れるのが当たり前なんですよ……♪
気付くと、サクラは女神さまの気に触れて涙を流していました。
ワタシ、死んじゃったの……?
いいえ、アナタはまだ死んではいませんよ……
何で分かるのよ……?
愛しの「彼」が迎えに来てくれるからですよ……
女神さまがサクラにひとつ、シェリルと同じ質問を投げ掛けます。
彼は、アナタにとってどんな存在なんですか……?
フィリルくんは、ワタシの未来のダンナ様なのっ!
サクラは、胸を張ってキッパリ言い切りました。
フフッ、アナタの未来がそうなるのを楽しみに待っていますよ。
では、コレを差し上げましょう……
そう言って女神さまが渡してくれたのは、シャンパンゴールドに輝く光の帯の、もう一方の片端だったんです。
じゃあ、お姫さまはココで白馬の王子さまが来るのを待ちましょうね、サクラ……
・再び、対ケルピー戦
「サクラを失いたくないんだっ!」
ケルピーを見てみると……
水の寝袋の中、水の尻尾で絞め落とされて失神した直後でピクリとも動かないままサクラが水中を漂っています。
どうやら時が止まる前、そのままの状態らしいです。
しかし、サクラは失神したまま水に溺れている危険な状態です。
脳に酸素が行かない状態の時では、蘇生措置が間に合うのは2分がタイムリミットと言われています。
蘇生措置をする為にもまずサクラを包み込む、ケルピーのウォーターシュラフを何とかしなきゃ……!
時が止まる前まではケルピーに勝つ算段がまるで思い付かなかったんですが、今なら勝てそうな気が……
その理由は、さっきから金色に光っている右手です。
さっき、止まった時間の中で女神さまから貰ったのも、金色に光る帯でしたから。
自分の本当のキモチに気付いた今のアナタなら、言霊たちも本当の姿を見せますよ……
その光る右手で言霊の剣を持つと棒状の黒いブロックがボロボロと剥がれ落ちます。
すると、その下から現れたのは……
向こう側が透けて見える、剣の幅広刃の真ん中に孔の空いた “ シャンパンゴールドの曲剣 ” だったんです!
コレが、言霊の剣の本当の姿なんだ……
しかし、驚く事はそれだけではありません!
あたかも、昔から知っていたみたいにワープホールを自分の手元に呼び寄せました。
ワープホールも、呼んでくれたのが嬉しくてピンク色に点滅しています。
このスキルは、ワープホールがピンクに染まっていないと出来ないんだ……
何故か、分かる。
今なら、分かる。
女神さまのお陰かな……?
シェリルは、頭の中に降って来た言葉を唱えます。
「……インフィニティー!」
すると剣の幅広刃にピンクのワープホールがスッポリはまり、曲剣と一体化したんです!
「ケルピー、悪いけどサクラを失う訳に行かないからココで決めさせてもらうよ!」
シェリルはそう言って、ケルピーに……ではなく、自分の近くの空間をヒュンッと斬ったんです!
すると、斬った空間がまんまズリュッと消失し、ワープホールになってしまったんです。
「ワープホール……ウォーター!」
シェリルは、新たに出来たワープホールに「吸い込む対象」を設定します。
すると、ワープホールは猛烈な勢いでウォーターシュラフの水を吸い込み始めました。
それと同時にケルピーの水の尻尾もみるみる痩せ細り、サクラを救出する事に成功したんです!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる