8 / 50
第1章.プロローグ
第08話.許嫁もダダ甘♡です(その3)
しおりを挟む
その頃、フィリルは自分の中に芽生えたある疑念を確かめる為に、グレイシア邸の書斎へと向かいます。
「まさかとは思うけどぉ~、シェリルがすでに何らかの能力に目覚めてたりしてぇ~?」
果たしてその疑念は、当たってしまうのでしょうか……?
モヤモヤした気持ちのまま、フィリルは書斎に着きました。
ん、中に人影が……?
どうやら、書斎には先客がいた様です。
妹のリフィです。
「どうやら、お義姉さんも同じ事を考えていたみたいね。」
「えぇ。」
そして、2人で書斎にある本を片っ端から読み漁ります。
「あっ、お義姉さん、コレがそうみたいよ!」
「リフィ、ありがとうねぇ~!」
2人が探していたのは、布地の表紙に金字で『ジョブ大全』と刺繍された分厚い本でした。
ペラペラ……と捲ると、とあるページに2人の目が止まりました!
【ジョブ大全】─────────
職業スキルの中には、テイムする事で仲間を増やす『テイム種』と呼ばれる種類があります。
テイム種には、現存では2種類が存在します。
ひとつは主にモンスターをテイムし、きぐるみを身に纏う「獣着師」です。
そしてもうひとつは冒険者をテイムし、薄着である程縛りが強くなる「隷属師」です。
────────────────
「私ね、シェリルがこの『クリーチャー』の能力に目覚めてるんじゃないかって思うのぉ~。」
確かにこの場合、“ 縛りが強くなる ” って部分を『ダダ甘♡』で縛り付けると解釈すれば辻褄が合います。
『シェリルちゃんと一緒にいると、何故か際限無く甘えさせたくなっちゃう』
リフィを始め、みんなが口々にそう言っていた理由も説明が付くというものです。
しかし、そのページの最後に記された文章を見て……
2人とも、思わず表情が固まってしまいました。
そこには、こういう風に記されてあったんです。
「『この縛りを根本から解く方法は、現時点では存在していません』って……」
縛りが一生消えないと言う、恐るべき中毒性の高さから『禁忌』に指定されたジョブ……
口伝でのみその存在が伝えられていたという、云わばジョブスキルとしては異例のレア中のレア……
「まさか一生、ダダ甘♡キャラのまんま……って事になるんでしょうかぁ~?」
「えぇ……そういう事になるわね……」
さぞかし、絶望で2人とも顔が真っ青になっているかと思ったら……
フィリルもリフィも互いに顔を見合わせて、ニヤリと笑い合って言いました。
「でも、ダダ甘キャラなのはシェリルの前だけだしぃ~。」
「……ま、いっかぁ~!
デメリットがコレなら、リスクよりもむしろご褒美よねっ!」
『禁忌』という言葉に物怖じするどころか、うふっ♪とほくそ笑んでるお2人なのでした。
3日目……
今日は朝早く、サクラとモンスターから身を護る訓練をする約束をしていました。
シェリルは目が覚めて布団を捲ると、ベッドの縁にフィリルが腰掛けていました。
「おはよっ、シェリルぅ~!」
「おはよー、母さん!」
フィリルは、シェリルの顔を覗き込む様に言いました。
「今日は、朝早く異世界へ行くのぉ~?
その前に、聞いて欲しい話があるんだけどなぁ~。」
シェリルは、寝ぼけた目を擦って聞き返します。
「どうしたの、母さん?」
フィリルはキョロ……キョロ……と周りを見回し、ポッと頬を赤らめて聞きました。
「最近シェリルの周り、私を含めて妙にダダ甘♡に接して来たり……してなぁい?」
「……うん、ちょっと感じるよね。」
フィリルは、意を決してシェリルに打ち明けます。
「昨日ね、リフィと書斎で調べものをしてたのよね。
シェリル、ひょっとすると “ とんでもないジョブスキル ” に目覚めてるかも知れないわよぉ~。」
しかしその後、シェリルの口からとんでも無い “ 爆弾発言 ” が飛び出すんです!
「まさかとは思うけどぉ~、シェリルがすでに何らかの能力に目覚めてたりしてぇ~?」
果たしてその疑念は、当たってしまうのでしょうか……?
モヤモヤした気持ちのまま、フィリルは書斎に着きました。
ん、中に人影が……?
どうやら、書斎には先客がいた様です。
妹のリフィです。
「どうやら、お義姉さんも同じ事を考えていたみたいね。」
「えぇ。」
そして、2人で書斎にある本を片っ端から読み漁ります。
「あっ、お義姉さん、コレがそうみたいよ!」
「リフィ、ありがとうねぇ~!」
2人が探していたのは、布地の表紙に金字で『ジョブ大全』と刺繍された分厚い本でした。
ペラペラ……と捲ると、とあるページに2人の目が止まりました!
【ジョブ大全】─────────
職業スキルの中には、テイムする事で仲間を増やす『テイム種』と呼ばれる種類があります。
テイム種には、現存では2種類が存在します。
ひとつは主にモンスターをテイムし、きぐるみを身に纏う「獣着師」です。
そしてもうひとつは冒険者をテイムし、薄着である程縛りが強くなる「隷属師」です。
────────────────
「私ね、シェリルがこの『クリーチャー』の能力に目覚めてるんじゃないかって思うのぉ~。」
確かにこの場合、“ 縛りが強くなる ” って部分を『ダダ甘♡』で縛り付けると解釈すれば辻褄が合います。
『シェリルちゃんと一緒にいると、何故か際限無く甘えさせたくなっちゃう』
リフィを始め、みんなが口々にそう言っていた理由も説明が付くというものです。
しかし、そのページの最後に記された文章を見て……
2人とも、思わず表情が固まってしまいました。
そこには、こういう風に記されてあったんです。
「『この縛りを根本から解く方法は、現時点では存在していません』って……」
縛りが一生消えないと言う、恐るべき中毒性の高さから『禁忌』に指定されたジョブ……
口伝でのみその存在が伝えられていたという、云わばジョブスキルとしては異例のレア中のレア……
「まさか一生、ダダ甘♡キャラのまんま……って事になるんでしょうかぁ~?」
「えぇ……そういう事になるわね……」
さぞかし、絶望で2人とも顔が真っ青になっているかと思ったら……
フィリルもリフィも互いに顔を見合わせて、ニヤリと笑い合って言いました。
「でも、ダダ甘キャラなのはシェリルの前だけだしぃ~。」
「……ま、いっかぁ~!
デメリットがコレなら、リスクよりもむしろご褒美よねっ!」
『禁忌』という言葉に物怖じするどころか、うふっ♪とほくそ笑んでるお2人なのでした。
3日目……
今日は朝早く、サクラとモンスターから身を護る訓練をする約束をしていました。
シェリルは目が覚めて布団を捲ると、ベッドの縁にフィリルが腰掛けていました。
「おはよっ、シェリルぅ~!」
「おはよー、母さん!」
フィリルは、シェリルの顔を覗き込む様に言いました。
「今日は、朝早く異世界へ行くのぉ~?
その前に、聞いて欲しい話があるんだけどなぁ~。」
シェリルは、寝ぼけた目を擦って聞き返します。
「どうしたの、母さん?」
フィリルはキョロ……キョロ……と周りを見回し、ポッと頬を赤らめて聞きました。
「最近シェリルの周り、私を含めて妙にダダ甘♡に接して来たり……してなぁい?」
「……うん、ちょっと感じるよね。」
フィリルは、意を決してシェリルに打ち明けます。
「昨日ね、リフィと書斎で調べものをしてたのよね。
シェリル、ひょっとすると “ とんでもないジョブスキル ” に目覚めてるかも知れないわよぉ~。」
しかしその後、シェリルの口からとんでも無い “ 爆弾発言 ” が飛び出すんです!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
きぐるみ♡女神伝
きぐるみんZ
ファンタジー
【ワタシ、日本一アキラメの悪い女神ですから!】
【ストーリー】
「何かを手に入れる為には、何か大切なモノを犠牲にしなくちゃダメなんです。」
生まれつき、少女は異世界の住人達と『闘う力』を持っていました。
なぜ少女は、普通の人には持ち得ない力を扱う事が出来るんでしょうか?
実は少女には……出生の秘密があったからなんです。
その秘密、一緒に紐解いて行きましょう。
ゆっくりと、ね……
【新しい技をリクエストして頂ければ、新技として登場するかも?】
『胸キュン♡流格闘術』……
それは、女の子らしい可愛らしさ、所作を最大限に活かした、しかし技の威力を疎かにしていない「女の子の、女の子による、女の子の為の」格闘術。
その中には、懇意にして頂いている読者さんのリクエストから生まれた技もあります。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる