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第1章.プロローグ
第04話.ダダ甘ワープホール(その1)
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シェリルのいる地上界では『白い巫女』が降臨して以来、モンスターの姿を見かけなくなりました。
まさに平和そのものです。
しかし、モンスターは全くいなくなった訳では無りません。
別の世界に逃げ、姿を眩ましているだけなんです。
別の世界に逃げる時にモンスターが使った “ 穴 ” こそが、異世界じゅうの至る所に広がるワープホールなんです。
1日目……
シェリルはグレイシア邸から外に出て、庭で改めて空を見上げます。
そして、シェリルはひとつ目の課題を思い起こします。
────────────────
☆Mission 1
シェリル専用の、異世界を自由に行き来出来るワープホールを見つけ出せ!
────────────────
でも、こんなに無数にあるワープホールの中から……
「どうやったら、ワープホールを “ ボク専用 ” とそうじゃないモノとに見分ける事が出来るのかなぁ?」
正規の方法としては、2つの手順を踏む必要があります。
まずひとつ目は「ワープホールの中に入っても逆流を起こさない」、つまりペッと吐き出されないワープホールを探す事です。
そしてふたつ目は「ワープホールを手懐ける」、つまりワープホールを見つけた時点ではワープホールは言う事を聞いてくれず安定した場所へ空間を捻じ曲げて繋げてくれないので、魔力の配分割合など空間を繋げる時の具体的条件についてワープホールと同調して折り合いを付ける必要があるんです。
しかし、実はこのシンクロ作業こそが途方も無く時間のかかる難作業なんです!
本来、この2つの手順をクリア出来て初めて自分専用のワープホールに出来るのですが……
でも、シェリル自身何ら苦労する事無く、このミッションは呆気ない幕切れを迎えてしまいます。
なぜなら、気付くとシェリルのすぐ脇に……
ワープホールが、青白く点滅しながらぷかぷか浮いていたから。
試しにシェリルがこのワープホールから離れると、一定の距離を保って付いて来ます。
数分後……
ワープホールがピンクのダダ甘♡色の点滅に変わり、自分からスリスリとシェリルに近寄って来ました!
どうやら、ワープホールになつかれてしまったみたいです……
ワープホールは、シェリルを呼ぶかの如く点滅を繰り返します。
しかも、ワープホールの入口がいつの間にか “ ♡ ” の形に変化しているではありませんか!
「え、♡の形をしたワープホールってアリなの……?
しかも、まさか……付いて来いって事?」
シェリルがワープホールに呼ばれるままに付いて行った、その先は……
何とシェリルの部屋だったんです!
「え、ココは……ボクの部屋?」
そんなシェリルを出迎えてくれたのは、リフィおばさんとチェリーだったんです!
リフィおばさんも、♡の形をしたワープホールを見て飲んでいたスメルクト茶を思わずプッ!と噴き出します。
「シェリルちゃん、もう自分専用(笑)のワープホールを見つけたの?
しかも、連れて来たのがココだなんて……」
「えっ、それってどういう事なんですか?」
「見つけたワープホールを自分専用にするには、『シンクロ作業』が必要よ。
その作業のひとつに、空間を繋げる “ 元 ” を決める項目があるの。
要は、空間を繋げる時に必ず “ どこに戻って来なくちゃいけないか ” って事ね。
一般的には、『インフィニティー』の際の魔力配分は術者に、空間を繋げる “ 元 ” はワープホール自身にイニシアティブがある事が多いのよ。」
そしてリフィは、シェリルにウィンクしながらこう言ったんです。
「ワープホールがシェリルちゃんをココに連れて来たって事は……
これからはワープホールを使って帰る度に、自分の部屋に戻って来れるって事なのよ!」
そして、その日の夜……
「ねぇ……
お兄ちゃんと一緒に寝ちゃ……ダメ?」
「すいませんね、娘がワガママ言っちゃって……」
「イイですよ!
チェリーちゃん、一緒に寝よっ!」
「お兄ちゃんの部屋で寝ると、ホッとしてリラックス出来るの!」
リフィとチェリーは、グレイシア邸に来るとよくシェリルの部屋で時間を過ごします。
何故なら、チェリーがこの部屋の匂いを嗅ぐの大好きだから。
「シェリルちゃんと一緒にいると、何故か際限無く甘えさせたくなっちゃうのよね……
何か、無理を言っちゃって悪いわね。」
「イイですよ、ボクの部屋が好きって言ってくれるとボクも嬉しいですから。」
シェリルはチェリーを呼び寄せ、ベッドの中で仲良く布団にくるまったのでした。
まさに平和そのものです。
しかし、モンスターは全くいなくなった訳では無りません。
別の世界に逃げ、姿を眩ましているだけなんです。
別の世界に逃げる時にモンスターが使った “ 穴 ” こそが、異世界じゅうの至る所に広がるワープホールなんです。
1日目……
シェリルはグレイシア邸から外に出て、庭で改めて空を見上げます。
そして、シェリルはひとつ目の課題を思い起こします。
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☆Mission 1
シェリル専用の、異世界を自由に行き来出来るワープホールを見つけ出せ!
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でも、こんなに無数にあるワープホールの中から……
「どうやったら、ワープホールを “ ボク専用 ” とそうじゃないモノとに見分ける事が出来るのかなぁ?」
正規の方法としては、2つの手順を踏む必要があります。
まずひとつ目は「ワープホールの中に入っても逆流を起こさない」、つまりペッと吐き出されないワープホールを探す事です。
そしてふたつ目は「ワープホールを手懐ける」、つまりワープホールを見つけた時点ではワープホールは言う事を聞いてくれず安定した場所へ空間を捻じ曲げて繋げてくれないので、魔力の配分割合など空間を繋げる時の具体的条件についてワープホールと同調して折り合いを付ける必要があるんです。
しかし、実はこのシンクロ作業こそが途方も無く時間のかかる難作業なんです!
本来、この2つの手順をクリア出来て初めて自分専用のワープホールに出来るのですが……
でも、シェリル自身何ら苦労する事無く、このミッションは呆気ない幕切れを迎えてしまいます。
なぜなら、気付くとシェリルのすぐ脇に……
ワープホールが、青白く点滅しながらぷかぷか浮いていたから。
試しにシェリルがこのワープホールから離れると、一定の距離を保って付いて来ます。
数分後……
ワープホールがピンクのダダ甘♡色の点滅に変わり、自分からスリスリとシェリルに近寄って来ました!
どうやら、ワープホールになつかれてしまったみたいです……
ワープホールは、シェリルを呼ぶかの如く点滅を繰り返します。
しかも、ワープホールの入口がいつの間にか “ ♡ ” の形に変化しているではありませんか!
「え、♡の形をしたワープホールってアリなの……?
しかも、まさか……付いて来いって事?」
シェリルがワープホールに呼ばれるままに付いて行った、その先は……
何とシェリルの部屋だったんです!
「え、ココは……ボクの部屋?」
そんなシェリルを出迎えてくれたのは、リフィおばさんとチェリーだったんです!
リフィおばさんも、♡の形をしたワープホールを見て飲んでいたスメルクト茶を思わずプッ!と噴き出します。
「シェリルちゃん、もう自分専用(笑)のワープホールを見つけたの?
しかも、連れて来たのがココだなんて……」
「えっ、それってどういう事なんですか?」
「見つけたワープホールを自分専用にするには、『シンクロ作業』が必要よ。
その作業のひとつに、空間を繋げる “ 元 ” を決める項目があるの。
要は、空間を繋げる時に必ず “ どこに戻って来なくちゃいけないか ” って事ね。
一般的には、『インフィニティー』の際の魔力配分は術者に、空間を繋げる “ 元 ” はワープホール自身にイニシアティブがある事が多いのよ。」
そしてリフィは、シェリルにウィンクしながらこう言ったんです。
「ワープホールがシェリルちゃんをココに連れて来たって事は……
これからはワープホールを使って帰る度に、自分の部屋に戻って来れるって事なのよ!」
そして、その日の夜……
「ねぇ……
お兄ちゃんと一緒に寝ちゃ……ダメ?」
「すいませんね、娘がワガママ言っちゃって……」
「イイですよ!
チェリーちゃん、一緒に寝よっ!」
「お兄ちゃんの部屋で寝ると、ホッとしてリラックス出来るの!」
リフィとチェリーは、グレイシア邸に来るとよくシェリルの部屋で時間を過ごします。
何故なら、チェリーがこの部屋の匂いを嗅ぐの大好きだから。
「シェリルちゃんと一緒にいると、何故か際限無く甘えさせたくなっちゃうのよね……
何か、無理を言っちゃって悪いわね。」
「イイですよ、ボクの部屋が好きって言ってくれるとボクも嬉しいですから。」
シェリルはチェリーを呼び寄せ、ベッドの中で仲良く布団にくるまったのでした。
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