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第1章.プロローグ
第01話.旅立ちもダダ甘です(その1)
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ここは日本とは異なる世界、地上界……
広大な海に点在する5つの大陸、『地上界5大陸』。
その大陸の1つ、北東にあるのがスメルクト大陸です。
スメルクト大陸の南、クロワッサンの2つの尖った先みたいにひときわ存在感を放つ三日月湾の一番細い部分に、まるで丸く盛り土をしたみたいに樹上で発展した都市があります。
そう……
城壁の様に高くセーリングツリーに囲まれた都市、それが『樹上都市コキア』です。
【樹上都市コキア】───────
活き活きと神々しい気を巨木全体に纏っている神樹イグドラシルの周りを、セーリングツリーがうねうねとまるで蔓の様に網編みに絡み付いています。
そして、セーリングツリーの木の幹の隙間から巨枝を伸ばして大きな葉を広げます。
神樹のあちこちに巨大都市の名の由来になった紅い低層樹コキアが根を張り、まるで夕日の様な雄大さを見せます。
この神樹の巨木は東側の「住居エリア」、西側の「商業エリア」、北側の「港湾エリア」、南側の「城郭エリア」の4エリアに分かれています。
そして、各エリアが独立して神樹の巨枝、大きな葉、セーリングツリーの木の幹にそれぞれ別々に、階段状に点在しています。
セーリングツリーの木の幹を伝って歩く事で取り合えず4エリア同士の行き来は出来て、しかも地上まで降りられます。
そして、巨花が割れた4エリアの真ん中から神樹イグドラシルの一番頂上までせり上がっています。
樹上都市コキアに住む人達が言うには、この巨花には桃郷郷、もとい桃源龍が守護者として鎮座しているらしいんですが……
そんな『桃源郷伝説』で有名な都市でもあるんです。
────────────────
そして、この樹上都市の南側である城郭エリアにて軒並み並ぶ高層建築物に並んで唯一建てる事が許された屋敷があります。
ここに居を構えるのが6大名家のひとつ、名門グレイシア家です。
グレイシア家とは、「獄炎の大公」フェンリルウルフと異種族の女性との混血児であるフェンリル=ハーフの血を脈々と受け継ぐ、地揺狼一族の家系なんです。
この一族の分かりやすい特徴として、『瞳』があります。
目の色は普段は両目とも翡翠色なのですが、血が昂ると右目だけ瑠璃色で左目は翡翠色の “ オッドアイ ” に変化するんです。
そのグレイシア家の中でも、唯一ひとりだけ “ 7世界の王 ” の全ての王から信頼を得て信用を勝ち取ったのは……
5大陸の名前の由来となった
アルカディア家、プクポン家、スメルクト家、マガンティ家、デルジア家
の5大名家に加わり、新しく名家を名乗る事を許されているのは……
ひとえに現当主、フィリル=グレイシアの功績が大きいんです。
今日も、屋敷の窓から外を眺めている人影がひとつ。
どうやら、遠くに見えるワープホールをただぼーっと見ていた様です。
この異世界には、ワープホールと呼ばれる孔が至る所に散在しています。
伝承によると……
大昔、別の異世界から「白い巫女」が降臨した時にその聖なる光を嫌がって全てのモンスター達がワープホールを作り他の異世界へと逃げ出してしまったそうなんです。
だから、今のこの世界にはモンスターがいないらしいんです。
「ワープホール、かぁ……」
窓から外を眺めてため息をついているのは、シェリル=グレイシア。
もうすぐ15才を迎える、あの現当主フィリルのひとり息子です。
「シェリル、もうすぐ “ 儀式 ” が始まるわよぉ~!」
「うわ、母さん!
ボク、それ受けたくないよぉ!」
「こら待って、シェリル~!
エプロン姿って、意外に走りにくいわねぇ~。」
読者の皆さん、もし威厳の欠片すら感じられない様ならホントすみません。
パタパタとシェリルの服を持って後を追いかけ回しているこの “ エプロン母さん ” こそが、実は……
グレイシア家現当主、フィリル=グレイシアなんです!
広大な海に点在する5つの大陸、『地上界5大陸』。
その大陸の1つ、北東にあるのがスメルクト大陸です。
スメルクト大陸の南、クロワッサンの2つの尖った先みたいにひときわ存在感を放つ三日月湾の一番細い部分に、まるで丸く盛り土をしたみたいに樹上で発展した都市があります。
そう……
城壁の様に高くセーリングツリーに囲まれた都市、それが『樹上都市コキア』です。
【樹上都市コキア】───────
活き活きと神々しい気を巨木全体に纏っている神樹イグドラシルの周りを、セーリングツリーがうねうねとまるで蔓の様に網編みに絡み付いています。
そして、セーリングツリーの木の幹の隙間から巨枝を伸ばして大きな葉を広げます。
神樹のあちこちに巨大都市の名の由来になった紅い低層樹コキアが根を張り、まるで夕日の様な雄大さを見せます。
この神樹の巨木は東側の「住居エリア」、西側の「商業エリア」、北側の「港湾エリア」、南側の「城郭エリア」の4エリアに分かれています。
そして、各エリアが独立して神樹の巨枝、大きな葉、セーリングツリーの木の幹にそれぞれ別々に、階段状に点在しています。
セーリングツリーの木の幹を伝って歩く事で取り合えず4エリア同士の行き来は出来て、しかも地上まで降りられます。
そして、巨花が割れた4エリアの真ん中から神樹イグドラシルの一番頂上までせり上がっています。
樹上都市コキアに住む人達が言うには、この巨花には桃郷郷、もとい桃源龍が守護者として鎮座しているらしいんですが……
そんな『桃源郷伝説』で有名な都市でもあるんです。
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そして、この樹上都市の南側である城郭エリアにて軒並み並ぶ高層建築物に並んで唯一建てる事が許された屋敷があります。
ここに居を構えるのが6大名家のひとつ、名門グレイシア家です。
グレイシア家とは、「獄炎の大公」フェンリルウルフと異種族の女性との混血児であるフェンリル=ハーフの血を脈々と受け継ぐ、地揺狼一族の家系なんです。
この一族の分かりやすい特徴として、『瞳』があります。
目の色は普段は両目とも翡翠色なのですが、血が昂ると右目だけ瑠璃色で左目は翡翠色の “ オッドアイ ” に変化するんです。
そのグレイシア家の中でも、唯一ひとりだけ “ 7世界の王 ” の全ての王から信頼を得て信用を勝ち取ったのは……
5大陸の名前の由来となった
アルカディア家、プクポン家、スメルクト家、マガンティ家、デルジア家
の5大名家に加わり、新しく名家を名乗る事を許されているのは……
ひとえに現当主、フィリル=グレイシアの功績が大きいんです。
今日も、屋敷の窓から外を眺めている人影がひとつ。
どうやら、遠くに見えるワープホールをただぼーっと見ていた様です。
この異世界には、ワープホールと呼ばれる孔が至る所に散在しています。
伝承によると……
大昔、別の異世界から「白い巫女」が降臨した時にその聖なる光を嫌がって全てのモンスター達がワープホールを作り他の異世界へと逃げ出してしまったそうなんです。
だから、今のこの世界にはモンスターがいないらしいんです。
「ワープホール、かぁ……」
窓から外を眺めてため息をついているのは、シェリル=グレイシア。
もうすぐ15才を迎える、あの現当主フィリルのひとり息子です。
「シェリル、もうすぐ “ 儀式 ” が始まるわよぉ~!」
「うわ、母さん!
ボク、それ受けたくないよぉ!」
「こら待って、シェリル~!
エプロン姿って、意外に走りにくいわねぇ~。」
読者の皆さん、もし威厳の欠片すら感じられない様ならホントすみません。
パタパタとシェリルの服を持って後を追いかけ回しているこの “ エプロン母さん ” こそが、実は……
グレイシア家現当主、フィリル=グレイシアなんです!
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