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Chapter4 コテコテの委員長キャラだってたまには弾けたい
Chapter 4-5
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コボルトロードぐらいいるかなと思っていたが、ただのコボルトだとは。これなら完全にコタローの出る幕はなさそうだ。
「来るぞ!」
みっちょんが声を上げる。コボルトは、ボス部屋に入るコタローたちを認めると、早速襲いかかってきた。
「ぷにゅっ!」
「あ、グミちゃん!」
するとまた、グミちゃんが前に飛び出す。コボルトが、手にしていた棍棒を振り上げ、グミちゃんへと振り下ろす。これを真正面から受けたグミちゃんは、ぐにゃりと体の形を変える。
そしてすぐに体の形が元に戻ると、その反動で棍棒を弾き返した。
弾かれたコボルトはたたらを踏み、グミちゃんはアズサの元へ飛び退く。
「グミちゃんすごい!」
「よし、次は俺が前に出よう。二人は援護を頼む」
と、今度は大剣を両手で構えたみっちょんが前に出る。
筋肉質の厳つい男が前に出てきたせいか、コボルトは唸りながら棍棒を構えて間合いを測りだす。
「え、援護!? ……って、どうすればいいの?」
アズサはコタローを振り返る。いや、ごめんなさい。ぼっちにそんなこと聞かれてもわかんない。
「とりあえず、みっちょんの邪魔しないように、適度に遊撃……とか?」
「適度ってどんくらい!?」
「さあ……?」
「ちょっと! 来ますよ!」
寸劇を始めた二人に、ミウが声をかける。見やれば、しびれを切らしたコボルトがこちらに飛びかかってくるところだった。
「ふんっ!」
そんなコボルトと対峙するみっちょんは、構えた大剣をバットのように振るう。棍棒と大剣が交錯し、鍔迫り合いとなる。
「今だ! 柏崎!」
「あ、うん!」
みっちょんの声に、アズサは走り出す。構えたダガーを振りかぶり、コボルトへ斬りかかる。
しかしコボルトはそれに気付き、鍔迫り合いをやめて飛び退く。アズサのダガーは空を切ったものの、それを狙っていた者がいた。
「ここ!」
ミウだ。矢を番えてタイミングをうかがっていたミウは、ここがチャンスだとして矢を射る。
狙いすました一射は、後方に飛び退く動作中のコボルトを確実に射抜いた。ズブリと胸に矢を受けたコボルトは、着地もできずに倒れた。
「やったか!?」
「みっちょんダメ! それフラグ!」「それ、フラグだから」「それフラグです!」
みっちょんのお決まりの台詞に同時にツッコむ三人。ん? と三人が目を合わせる間に、コボルトが動きを見せる。
いや、正確にはコボルトから湧き上がる瘴気が、だ。
「オ前タチ……ヨクモ……!!」
瘴気は怒りににじんだ声を上げる。
それにたじろぐ、みっちょんとアズサ、ミウ。ここは出番かな。
コタローは立ち上がり、前に出る。さて、どうしようか。ここまでなにもすることがなくて、ちょっとフラストレーションも溜まっている。ここは盛大に発散させてもらおうか。
「いくよ」
――スキル【爆炎魔法】!
コタローは掌を瘴気に向ける。すると瘴気の下から爆発が巻き起こり、何度も何度も爆発して、巻き上がった噴煙が瘴気を呑み込んでしまう。
「グ、グオオオオオオ!!」
瘴気が断末魔の悲鳴を上げている間に、コタローは爆心地にいたはずのコボルトを救出していた。もしかしたら起き上がってこちらを見ている! ってことになるかもしれないからね。
そして爆発が止み、瘴気は光の粒となって消えていった。
「ふう。よし、じゃ、帰ろっか」
と、コタローは三人を見る。三人は口をあんぐりと開けてコタローを見ていた。
これは、あれか。
「俺、なんかやっちゃいました……的な?」
「来るぞ!」
みっちょんが声を上げる。コボルトは、ボス部屋に入るコタローたちを認めると、早速襲いかかってきた。
「ぷにゅっ!」
「あ、グミちゃん!」
するとまた、グミちゃんが前に飛び出す。コボルトが、手にしていた棍棒を振り上げ、グミちゃんへと振り下ろす。これを真正面から受けたグミちゃんは、ぐにゃりと体の形を変える。
そしてすぐに体の形が元に戻ると、その反動で棍棒を弾き返した。
弾かれたコボルトはたたらを踏み、グミちゃんはアズサの元へ飛び退く。
「グミちゃんすごい!」
「よし、次は俺が前に出よう。二人は援護を頼む」
と、今度は大剣を両手で構えたみっちょんが前に出る。
筋肉質の厳つい男が前に出てきたせいか、コボルトは唸りながら棍棒を構えて間合いを測りだす。
「え、援護!? ……って、どうすればいいの?」
アズサはコタローを振り返る。いや、ごめんなさい。ぼっちにそんなこと聞かれてもわかんない。
「とりあえず、みっちょんの邪魔しないように、適度に遊撃……とか?」
「適度ってどんくらい!?」
「さあ……?」
「ちょっと! 来ますよ!」
寸劇を始めた二人に、ミウが声をかける。見やれば、しびれを切らしたコボルトがこちらに飛びかかってくるところだった。
「ふんっ!」
そんなコボルトと対峙するみっちょんは、構えた大剣をバットのように振るう。棍棒と大剣が交錯し、鍔迫り合いとなる。
「今だ! 柏崎!」
「あ、うん!」
みっちょんの声に、アズサは走り出す。構えたダガーを振りかぶり、コボルトへ斬りかかる。
しかしコボルトはそれに気付き、鍔迫り合いをやめて飛び退く。アズサのダガーは空を切ったものの、それを狙っていた者がいた。
「ここ!」
ミウだ。矢を番えてタイミングをうかがっていたミウは、ここがチャンスだとして矢を射る。
狙いすました一射は、後方に飛び退く動作中のコボルトを確実に射抜いた。ズブリと胸に矢を受けたコボルトは、着地もできずに倒れた。
「やったか!?」
「みっちょんダメ! それフラグ!」「それ、フラグだから」「それフラグです!」
みっちょんのお決まりの台詞に同時にツッコむ三人。ん? と三人が目を合わせる間に、コボルトが動きを見せる。
いや、正確にはコボルトから湧き上がる瘴気が、だ。
「オ前タチ……ヨクモ……!!」
瘴気は怒りににじんだ声を上げる。
それにたじろぐ、みっちょんとアズサ、ミウ。ここは出番かな。
コタローは立ち上がり、前に出る。さて、どうしようか。ここまでなにもすることがなくて、ちょっとフラストレーションも溜まっている。ここは盛大に発散させてもらおうか。
「いくよ」
――スキル【爆炎魔法】!
コタローは掌を瘴気に向ける。すると瘴気の下から爆発が巻き起こり、何度も何度も爆発して、巻き上がった噴煙が瘴気を呑み込んでしまう。
「グ、グオオオオオオ!!」
瘴気が断末魔の悲鳴を上げている間に、コタローは爆心地にいたはずのコボルトを救出していた。もしかしたら起き上がってこちらを見ている! ってことになるかもしれないからね。
そして爆発が止み、瘴気は光の粒となって消えていった。
「ふう。よし、じゃ、帰ろっか」
と、コタローは三人を見る。三人は口をあんぐりと開けてコタローを見ていた。
これは、あれか。
「俺、なんかやっちゃいました……的な?」
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