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和田グループ長の告白ー1
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「レイエスフーズはこれまで様々な危機を迎えたことがあったが、お客様と消費者にとって実直な経営で信用の上に乗り超えてきたんだ」
白河会長はこれまでの会社を振り返り、私と真雪くんに向かって話される。
和田社長に代替わりしてからの、多角経営で更にレイエスフーズは発展していくだろうと、白河会長は上機嫌で和田社長を誉めていた。
私はニコニコと笑顔で耳を傾けるが、さっき秘書の町永さんが出してくれた湯呑のお茶は、いつ飲んでいいんだろうとタイミングを計りかねる。
真雪くんは話に興味がないような顔で構わず飲んでいるけど、やっぱり会長が話しているのにお茶を飲みながら聞くなんて失礼なんじゃ……。
案の定、話を聞いているのかと問われた真雪くんが、正直に会長の話を聞いていなかったと返すと、和田社長はわざとらしいほどに笑って話を真雪くんが社長になる話に戻した。
「やはり経営となると、経験がモノをいうこともありますから、真雪君には徐々に段階を踏んでいただかないと、社長業は難しいのではないでしょうか」
和田社長は手を揉みながら、白河会長に伺い、目を細くして笑う。
「……今の社長は和田君なんだから、君が言う通りに人事は動くだろうがな。
私の目が黒い内に頼むぞ」
白河会長は急に気分を害したように和田社長を鋭く睨むと、顎を上げて大きな革のソファーにもたれかかり両腕を組んだ。
会社の社長になってからも、強いトップがいて従わざるを得ないって、和田社長も大変だな。
「……会長、もう仕事に戻っても構いませんか?」
ピリッとした空気の中、真雪くんが口を切ると、白河会長は少しご機嫌を戻したようで、再び孫のことを可愛がるおじいちゃんの顔になった。
「たまには、じいちゃんの家にも来るんだぞ。
そしてやっぱり真雪はそういう短い髪が似合うな。
私の若い頃にそっくりだ」
笑っている会長に対して何のリアクションも取らずに、真雪くんは無表情のままで私の腕をとってソファーから立ち上がる。
「それでは、失礼いたします」
「失礼いたしますっ」
静かに社長室のドアを閉め、秘書の皆さんにも挨拶して退室した。
せっかく入れてもらったお茶も結局飲めなくて、あー喉が干からびそう。
「はぁー、緊張したぁ」
「なんかごめん。 俺のじいちゃんが」
エレベーターホールで、2人っきりになると真雪くんはそっと手を握る。
さっきまでの無感情な顔とは別人のように、優しく甘い顔をされた。
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真雪くんは話に興味がないような顔で構わず飲んでいるけど、やっぱり会長が話しているのにお茶を飲みながら聞くなんて失礼なんじゃ……。
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「やはり経営となると、経験がモノをいうこともありますから、真雪君には徐々に段階を踏んでいただかないと、社長業は難しいのではないでしょうか」
和田社長は手を揉みながら、白河会長に伺い、目を細くして笑う。
「……今の社長は和田君なんだから、君が言う通りに人事は動くだろうがな。
私の目が黒い内に頼むぞ」
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「たまには、じいちゃんの家にも来るんだぞ。
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「それでは、失礼いたします」
「失礼いたしますっ」
静かに社長室のドアを閉め、秘書の皆さんにも挨拶して退室した。
せっかく入れてもらったお茶も結局飲めなくて、あー喉が干からびそう。
「はぁー、緊張したぁ」
「なんかごめん。 俺のじいちゃんが」
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