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社長室への呼び出しー3
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私はパジャマの上からロングカーディガンを羽織ってマンションの14階まで上がり、真雪くんの部屋のインターホンを押す。
本当に、同じマンションって、こんな時便利だな。
「桃花、ありがとう」
玄関ドアを開けてくれた真雪くんは、ふわりと笑って出迎えてくれた。
まだ仕事帰りのスーツ姿のままで、ネクタイだけ外している。
「今日も遅かったね、お疲れ様。
またわからないことを教えてもらえなくて、遅くなったの?」
「……いや。秋季新商品の市場動向をまとめてたのが、なぜかバックアップごと削除されてて、その復元作業に時間がかかったんだ」
「なぜか削除って……なにそれ?」
真雪くんは、訝し気に眉根を寄せる。
「わからない。バックアップを2か所で取っておくべきだった。
だいたい覚えてたから、一からまた作成しなおしたんだけど」
ハァっとため息をついた真雪くんに、もうこれ以上仕事のことを尋ねるのは止めた。
「早く、ゆっくり休んでね」
持ってきた痛み止めを渡す。
「ありが……」
薬を受け取った真雪くんは、ちょっと驚いた顔をした。
私もその箱に視線を落とす。
『生理の痛みに効く』って書いてあるパッケージシールが、そのまま貼り付いているのに気づいた。
「あっ! いやっ、これ、頭痛にも効くから。
大丈夫っ」
真雪くんが手に持っている箱から、はがせるようになっているシールを、ピリッとはがす。
もー、慌ててたから。恥ずかしい……。
手が触れあうと、そのまま腕を引き寄せられ、真雪くんに抱きしめられた。
「あっ……」
私の身体は、すっぽりと包み込まれて、真雪くんの爽やかな香りに包まれる。
真雪くんって、仕事帰りなのに、なんでこんなにいい匂いがするんだろう?
本当に人間かな?
「桃花……いい匂いする」
お互いに同じことを考えていたことに、驚いてしまう。
「いや、真雪くんもいい匂いなんだけど」
「そうかな?
俺、桃花の香りでいつもやる気がでるんだ」
「ヤル気?」
抱きしめられた上に、耳に心地いい低音の声が響いて、私はついつい赤くなる。
やだ、もー、ヘンな事想像しちゃう。
欲求不満かっ。
「明日も仕事、頑張れそうだよ」
そう! そうだよね。
仕事のやる気だよ。
真雪くんは体調悪いのに、私の思考は最低だ。
誰か、殴ってくれ。
「うん、ゆっくり寝て、明日も頑張ってね」
「……うん」
抱きしめている腕を緩めて、名残惜しそうにきれいな顔を近づけてキスされる。
「おやすみ、桃花」
「うん、おやすみなさい」
エレベーターに乗るまで見送ってくれて、私は笑顔で手を振った。
普段、会社でもグイグイくる真雪くんが、こうもアッサリと離れると、逆に心配になっちゃう。
相当頭が痛くて、身体の調子悪いのかな。
本当に大丈夫かな?
こういう時は、やっぱり一緒に住んでた方がいいのかも。
こんなに心配になるなら、ちゃんと真雪くんが寝るまで付いてたらよかった。
本当に、同じマンションって、こんな時便利だな。
「桃花、ありがとう」
玄関ドアを開けてくれた真雪くんは、ふわりと笑って出迎えてくれた。
まだ仕事帰りのスーツ姿のままで、ネクタイだけ外している。
「今日も遅かったね、お疲れ様。
またわからないことを教えてもらえなくて、遅くなったの?」
「……いや。秋季新商品の市場動向をまとめてたのが、なぜかバックアップごと削除されてて、その復元作業に時間がかかったんだ」
「なぜか削除って……なにそれ?」
真雪くんは、訝し気に眉根を寄せる。
「わからない。バックアップを2か所で取っておくべきだった。
だいたい覚えてたから、一からまた作成しなおしたんだけど」
ハァっとため息をついた真雪くんに、もうこれ以上仕事のことを尋ねるのは止めた。
「早く、ゆっくり休んでね」
持ってきた痛み止めを渡す。
「ありが……」
薬を受け取った真雪くんは、ちょっと驚いた顔をした。
私もその箱に視線を落とす。
『生理の痛みに効く』って書いてあるパッケージシールが、そのまま貼り付いているのに気づいた。
「あっ! いやっ、これ、頭痛にも効くから。
大丈夫っ」
真雪くんが手に持っている箱から、はがせるようになっているシールを、ピリッとはがす。
もー、慌ててたから。恥ずかしい……。
手が触れあうと、そのまま腕を引き寄せられ、真雪くんに抱きしめられた。
「あっ……」
私の身体は、すっぽりと包み込まれて、真雪くんの爽やかな香りに包まれる。
真雪くんって、仕事帰りなのに、なんでこんなにいい匂いがするんだろう?
本当に人間かな?
「桃花……いい匂いする」
お互いに同じことを考えていたことに、驚いてしまう。
「いや、真雪くんもいい匂いなんだけど」
「そうかな?
俺、桃花の香りでいつもやる気がでるんだ」
「ヤル気?」
抱きしめられた上に、耳に心地いい低音の声が響いて、私はついつい赤くなる。
やだ、もー、ヘンな事想像しちゃう。
欲求不満かっ。
「明日も仕事、頑張れそうだよ」
そう! そうだよね。
仕事のやる気だよ。
真雪くんは体調悪いのに、私の思考は最低だ。
誰か、殴ってくれ。
「うん、ゆっくり寝て、明日も頑張ってね」
「……うん」
抱きしめている腕を緩めて、名残惜しそうにきれいな顔を近づけてキスされる。
「おやすみ、桃花」
「うん、おやすみなさい」
エレベーターに乗るまで見送ってくれて、私は笑顔で手を振った。
普段、会社でもグイグイくる真雪くんが、こうもアッサリと離れると、逆に心配になっちゃう。
相当頭が痛くて、身体の調子悪いのかな。
本当に大丈夫かな?
こういう時は、やっぱり一緒に住んでた方がいいのかも。
こんなに心配になるなら、ちゃんと真雪くんが寝るまで付いてたらよかった。
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