身長差38センチもある後輩・白河真雪くんが隙あらば過保護に溺愛してきます

ユカヲ

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恋に気づいた甘い夜ー8

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 白河君が用意してくれた朝食は、大根おろしを添えた焼き鮭と、フワフワの玉子焼き、キュウリの酢の物に、豆腐とワカメの味噌汁とご飯っていう朝食の基本みたいなメニュー。

 白河君って、本当に20代前半の男性なんだろうかと疑問に思うくらい家事能力も高い。

 こんなにしっかりした朝ご飯を作って、ちゃんとしてるなぁ。
 私も見習わなくちゃ……家事、苦手だけど。


 歓迎会の翌日の朝も、こうやって向かい合って朝ご飯をごちそうになったけど、あの時は二日酔いと恥ずかしさで急いで食べたんだった。

 特に甘めの玉子焼きが美味しくて、思わず笑顔になる。


「玉子焼きの味、すごく好き。
 お母さんの作った玉子焼きみたい」

「よかった。玉子焼きって、結構好みが分かれるよな」


 楽しく朝食を終えて、一緒に片づける。

「桃花、今日って何も予定ない?」

 白河君は、波佐見はさみ焼の可愛い食器を仕舞いながら、手を洗い直している私に聞いてきた。

「うん、特には」

 趣味って言えるほどのモノはないし、休みの日はいつも、ぶらっと服やコスメを見に出かける程度だ。

「じゃあ、俺とデートしようよ」

 白河君は私と練習した、完璧な笑顔を私に向ける。

 この笑顔で誘われるデートを、断れる人っていないんじゃないんだろうか?

「うん、行く」

 白河君の顔に、うっとりと見とれて返事した。

----

「桃花とデートとか、また一つ俺の夢が叶ったよ」

 当たり前のように私と手を繋いで、ゆっくりと歩幅を合わせてくれる白河君は嬉しそうに笑う。 
 白河君と仕事以外で街を歩くって、不思議な感じがした。

 冷静になると昨日の今日で、すぐに身体を重ねてしまった私は、また同じ過ちをしているんじゃないかと歩きながら考える。

「もう前のヤツとは会ってないんだろ?
 じゃあ、とっくに別れてるってことだよ。桃花は何も心配いらない。
 今の彼氏は、俺。これは間違いないから」

 暗い顔をしていた私に、白河君が自信ありげに笑った。

 絶対に私を否定しないし、優しいな。


「白河君って、すごくモテるよね?」

 言ってるそばから、白河君はすれ違う女性の視線を集めている。

 リアルで見知らぬ人に振り返られるイケメンって、すごくない?

 白河君はその素晴らしい外見もだけど、中身が更に素敵なんだ。

 きっとこれまでに、白河君の愛情を受けてきたがいたんだろうなと想像すると、チクリと胸が痛む。
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