身長差38センチもある後輩・白河真雪くんが隙あらば過保護に溺愛してきます

ユカヲ

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蝶になった白河君と飲み過ぎた歓迎会ー4

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「へぇー、すごい。白河君って、帰国子女なんだ。
 だから紳士的なのかな?
 じゃあ、英語はペラペラ?」

「紳士的……か、どうかは自分で判断しかねますが、英語は日常会話程度です」

 自分のことを、まるで業務上の質問に返答するように、無表情に過不足なく答えてくれた。
 これまで遠慮してほとんどプライベートなことは聞かなかったから、先輩として後輩のことを知ることが出来てちょっと嬉しい。

「あの、くれない先輩。
 俺、小学生の時算数が好きで、塾に通っていたんですが……」

 白河君が話し出した時、スマートフォンのアラームが鳴る。
 次の訪問先へ行く時間だ。

 急いでアイスコーヒーを飲み干す。

「ごめん、白河君。 
 また算数の話はあとで聞かせてくれる?」

 今夜は白河君の歓迎会だし、もう少しいろんな話ができるといいな。

「じゃ、次のとこに行こうか」

「はい、くれない先輩」

 白河君は当然のように、私が飲んだグラスも一緒のトレイに乗せて、食器の返却口に持って行ってくれる。

 お礼を言う私に、目線を合わせるようにお辞儀して、きれいに微笑んだ。


 うーん、やっぱりイケメンの白河君が笑うと最強。

ーーーー

「皆さん、飲み物きましたかー?」

 私は騒がしいビアホールの中で、ビールジョッキを片手に大声を出す。

 白河しらかわ君が、リテールグループに異動してきて初めての週末だ。

 白河君の歓迎会で、幹事を任された私は、和食も楽しめるビアホールを予約して、張り切っている。

「優秀な白河が、3か月間だけしかいないのは惜しいが、このリテールグループで新人として頑張ってくれるよう、今日は飲むぞーっ。 カンパーイ!」

 乾杯の音頭を取った豊崎とよさきグループ長は、飲み会好きだ。

 開始してからまだ何分も経っていないのに、もうビールジョッキが空になりそう。

「2杯目からは、ビールサーバーから自分で自由に注いでくださいね。
 お酒は他に焼酎、日本酒、ワイン、カクテルも全部飲み放題ですから!
 ビュッフェ以外にも、黒毛和牛の蒸し焼きとか、お寿司も注文できますよーっ」

 刺身の盛り合わせや、から揚げなどのセットメニューはあらかじめテーブルに並んでいるが、このお店では美味しい料理のビュッフェもある。

 私たち以外にもお客さんが多く賑わっている店内で、同僚たちにも聞こえるように立ち上がって説明した。
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