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番外編3

ある日の二人2

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 ドキーッと心臓が跳ねて、手が止まった。
「んなことしてねーよ。子供起きてくるかもしれないのに……」
『だ、だよね』
 なーんて……最近は三人とも一度寝たらまず起きなくなってるから、全然平気なんだけど。
「なぁ、渚、好きって言って……」
 気を取り直し、膝を持ち上げて足の裏を座面に持ち上げる。
 畳んだまま放ってあったバスタオルがソファの背に乗ってたので、それを掴んで足元に敷いて、和式トイレでしゃがむみたいな格好して。
『湊、好き、抱きたい……エッチになってる湊の体に触りたい……』
 俺はちんぽを弄るのをやめ、その後ろの、濡れて柔らかくなってる尻の穴を指先で撫でた。
「うン……っ、なあ、帰ったら、どんなことしたい……?」
 ひそひそ声で訊くと、渚が熱っぽく答えてくれた。
『そうだな……湊をベッドで目隠ししてね』
「くふっ、変態っぽいな……それで……?」
 指先をクプッ、クプッと中に出し入れしながら目を閉じて渚の声に集中する。
『獣になったり人間になったりしながら、足の裏もお尻の穴もおちんちんも、乳首も脇の下も首筋も、いっぱい舐めてあげたい』
 目を閉じてると、本当に体中を渚の犬舌にぬるぬる舐められてるような気がして、堪らない。
「あ……っ」
 Tシャツの下では乳首が痛いほど勃って、立てた太腿もヒクヒク震えてる。
 つぷぅ、っと指をアナルの中程まで挿入して、俺は震える声で続きを促した。
「あっ、あとは……っ?」
『――目隠ししたまま、恥ずかしい格好で奥まで挿れてあげる……』
 組み敷かれて挿入された時の体重の重さとか、触れるふさふさした毛の温かさとか、粘膜の淫靡な摩擦とかを……想像して、ヒクンと穴が締まり、トロリと液体がそこから溢れ出て指を伝う。
 堪らずにズプズプと指を中に入れて内側を掻き撫でるけど、全然もの足りない。
 根本にコブの付いた、渚のチンポじゃなきゃ……。
「はぁっ……渚……無理……っ」
『無理って……どうしたの? 湊っ、もしかして体調悪いっ?」
 やばい、俺。
 発情しすぎて、オナニーしてるの内緒なこと忘れてた……。
 でも気が付けば恥ずかしいとかそういうタガも外れていて、エッチな飢えを満たすことばかりで頭がいっぱいになってゆく。
「違う……一人じゃイケない……さっきから弄ってるのに全然……っ」
『みっ、湊っ』
 あっ、――電話口で絶句された。
 でも俺、止まれねえし。
「なぁあ、何かやらしいこと言って……さっきみたいなの……そしたらっ、イケるかも……っ」
『い、イキたいの? 湊……』
「ん……収まんないから、何とかしてくれ……渚のせいだぜ……」
 ハフハフと息を上げながら言うと、渚もそういうモードになったのか、急にぐっといい声で俺に指示を飛ばしてきた。
『電話、ハンズフリーにして』
「っ、マジで……いやそれは無理だろ……音で子供が起きたら大惨事じゃねえか」
 さすがに怖くなってそう言うと、別の選択肢が出される。
『なら、ワイヤレスイヤホンに出来る?』
「……ん、うん」
 俺は尻丸出しのまま一回ソファから降り、指をティッシュで拭いてから、スマホの明かりを頼りにローテーブルの下の網棚の物入れに手を伸ばした。
 手のひらサイズの白くて丸っこいケースを取り出し、蓋をカパッと開けると小さな充電式のワイヤレスイヤホンが現れる。
 片方分だけそれを取り出し、左耳に入れると、自動的にブルートゥース機能が働き、渚の声がじかに鼓膜に響くようになった。
 マイク機能も付いているので、通話にも支障はない。
「できた」
『両手自由になった?』
「ん」
『ふふ。俺も自分の触ってるよ』
 ぐっと近くなった感じのする渚の声に高揚感が増す。
 電話越しの渚を想像して興奮した。
 一人だろうから、きっと今は獣面人身の姿だろうな。
 ホテルのベッドで、キラキラの美青年から毛むくじゃらの姿に戻って、でっかいちんちん握ってるかと思うと……すげぇ興奮する。
 暗闇の中でさらにイヤホンだと、本当にそばに居るみたいな気分だし……。
『今、どんな格好してるの』
 聞かれて、変態電話かよ、って吹き出しそうになった。
 でも、イきたいから真面目に答える。
「どんなって……いつもと同じだよ、上がTシャツで、下がスエットで……今は尻だけ出てるけど」
『お尻出してるの? エッチだね……。乳首は?』
「……。出した方が良ければ…………」
『じゃあ、めくって出して、可愛い乳首……。それで、どんな風になってるか俺に教えて?』
 優しく問われて、俺は頰を熱くしながらTシャツを乳首の上まで捲り上げた。
 普段から一枚では透けるようになってしまった大きめの突起がぷるんと上向いて飛び出す。
 それを指の腹で転がしながら、感触を確かめた。
「……コリコリして……っ、触ると、ちんぽの奥ジンジンする……」
『ああ、舐めたいな……。湊、そこ感じやすいよね。後ろから挿れながら捏ね回してあげると、お尻の穴が俺のに可愛く吸い付いてきて、ほんと可愛かった……っ』
「んぅぅ……っ! はあっ……っ」
 渚にバックから突かれながら、硬い肉球で乳首をクリクリとイジメられた時の事を思い出してしまう。
『意地悪して、乳首だけいっぱいいじくって、下は動くの止めたら、奥もっとゴリゴリしてってねだるみたいにお尻振ってきて……思い出すだけで凄く興奮する……』
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