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婚活再開しました

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 舌を絡ませながら、イッたばっかりで敏感な身体を撫でるみたいに触られていく。
 精液たくさん注がれてトプトプしてる下腹や、臍の溝や、脇腹、背中、首筋……どこ触られても全身が性感帯になったみたいにビクビクして、尻がキュンキュン締まった。
 でも、乳首を両方ともコリコリ触られると、流石に唇外れるくらい声が出てしまう。
「んふァあ……っ!」
 二つの突起を引っ張られてフニフニ指で潰すみたいにされて、そのたんびに腰が跳ねて、入れられてる場所がむず痒くなっていく。
 動いてもらえないのが焦れるみたいな感じに……。
 その内に俺は犬塚さんの膝の上で、ゆるっゆるっと尻を上下させて、自分で中を擦るようになってしまった。
「ンッ、尻の中ムズムズする……っ、これ、どうしたら……っ」
 すがるように相手を見たけど、意地悪するみたいに乳首だけを摘まれる。
 それっ、されると奥がムズムズするの止まらねぇんだってば……っ。
「ウぁ……っ!はぁっ、我慢できな……ふっ、」
「好きにしていいよ……湊の気持ちいいように」
 言われて、とうとう俺は犬塚さんの身体を押し倒し、彼の腰の上で我を忘れた感じで激しく腰を振り立て始めた。
 中が出されたものでヌルヌルして、滑り良くて凄ぇイイ……。ズチュズチュエロい音が立って耳も犯されて、繋がったままもう二度と離したくないってくらい快楽に溺れる。
 充血してユラユラしてるちんぽを扱かれたり、乳首に爪立てられたりすると、あっという間に高まってもう何も考えられなくなった。
「気持ちいい……っ、これ好き……っ、渚、くはぁ……っ」
 暫く動いて俺がまたイキ始めると、今度は相手がベッドのスプリングを軋ませながら腰を使い始めた。
 俺はもうてっぺん近くまで昇り詰めてるからそろそろやめたかったのに、それを許して貰えなくて、喉から高い悲鳴が溢れる。
「あひ……ぃっ! 狂っちゃう、俺、アァぁ……ッ!! 壊れる、はァぁっ……!」
 痙攣する俺の下腹に、また新しく精液がドポドポ流し込まれる。
 幸福感でじんと下半身が痺れて、それ以上は言葉にならずに獣みたいな喘ぎ声出しながら、出されるものを奥を絡みつかせてキュウキュウ吸い取った。
「んン……ッ……気持ちい……っ」
 犬塚さんの体の上に倒れこんで、涙ぐみながら優しい目を見つめる。
「……。ごめんね、俺ーー……一晩中、離してあげられないかも……」
 強い腕で抱きしめられ、まだ萎えない物で揺らされ続けながら、俺は堪らない幸福感で微笑み、頷いた。


 ーーそして……俺は犬塚さんと朝方近くまでエッチなことし続けて、最後は殆ど気絶するみたいに眠りについたーーらしい。
 しかも、次に起きたのはホテルの通常チェックアウトの寸前くらいの時間で。
 寝過ぎた! って勢いで真っ青になって飛び起きて、全身のダルさに呻いた。
 今日仕事じゃなかったか……っ!?
 でもよく考えたら、婚活パーティーで相当疲れるだろうと思って、俺、土曜勤務の分の振休を月曜に入れてたんだ。
 良かったぁ、と思ってハッと広いベッドの隣見たら、誰も居なかった。
 金色の犬毛が二、三本落ちてただけで。
 備え付けの机の上を見たら書き置きがあった。
 ーー仕事に行きます。支払いの時チェックアウトを夕方の五時まで延長しておくので、ゆっくり休んで下さい。
 ……て書いてある下に、携帯らしき電話番号。
 うわぁ、金銭的なことも含め色んな意味で凄ぇ申し訳ない……。
 それにしても、この電話番号はどういう意味なんだ?
 以前はメッセージアプリのIDは交換してたけど、電話番号は知らなかったもんな。
 また俺と連絡取りたいってこと……?
 電話、しろって?
 少なくとも、そういうことだよな。
 それに気付いたらなんだか、涙が止まらなくなった。
 安心したというか……少なくとも、昨日のあれは俺のフェロモンにやられてただけって訳じゃなかったんだなと思って。
 でも、……このまま犬塚さんと半端な関係続けたとしたら、一体どうなっちまうんだろう?
 俺のことって、遊びなんだよな……?
 婚活うまくいってないって言ってたな。
 俺に相手が見つかるまで、とは言ってたけど、自分のことは何も言ってなかった。
 もしかして……もう、婚活やめんのか?
 そしたら、犬塚さん、夏美さんと結婚することになるんじゃ……。
 もしそうなったら、まさかの愛人コース!?
 イヤイヤイヤ、そりゃ無理だわ!
 色々申し訳なさすぎるし夏美さんには噛み殺されるだろうし、社会的に抹殺もされるだろうし、絶っっ対に無理。
 じゃあ俺、どうするよ……?
 多分このまま婚活続けても、どう考えても犬塚さんのこと引きずるし、いつかこの番号に連絡してしまって、また同じこと繰り返して破滅する自分が見える。
 布団の中に手を入れて、まだ違和感のある腹の辺りに手をあてた。
 昨日いっぱい中出しされたせいか、不思議と下腹があったかい感じがする……。
 顔を上げて、全裸のまま俺はベッドをゆっくり降りた。
 濡れたものが太腿を伝って少し顔をしかめながら、それでも裸足で白いカーテンの引かれた大きな窓の近くへ歩いていく。
 ……布の隙間から、沢山のビルの立て込んだ都会の景色を見下ろした。
 結構な高層ホテルなので、真下の道を行き交う車や、遠くの線路を行き交う電車や新幹線がまるでオモチャみたいだ。
 自分があの中に居ても、きっと芥子粒みたいな感じだろうな。
 ……そう思うと、広くて大きな世界に一人くらい、普通とは少し外れた選択をする人間がいたっていいんじゃないか、って気がした。
 今までの人生……お袋を喜ばせたい、楽させたい一心で、受験も就活もごく真面目にこなしてきたんだ、俺……。
 無茶したことも、心配させるような反抗をしたこともなくて、オメガってこと以外はごく普通に生きてきたと思う。
 公立上がりで真面目に勉強してそこそこいい大学に入れたし、就職難を乗り越えて手にした職はキツすぎず緩すぎずで給料もそこそこだし、概ね優等生的に生きてこれた。
 そんで、ちゃんとした家庭も持とうと思って、三年半かけて今までと同じくらい婚活も真面目にやったけど……どうも俺には、理想の結婚だけは無理っぽい。
 それなら……俺のこれからの人生は……。

 取り敢えず、犬が居ても大丈夫な家に引っ越すところから始めようかーー。
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