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婚活再開しました

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 犬塚さんが部屋を取ってくれたのは、銀座にある外資系の高級そうなホテルだった。
 独創的なデザインのエントランスホールに入った途端、高い天井から吊りさがった無数のLEDライトを散りばめたシャンデリアに目が眩む。
 チェックインが済むと、俺たちは他の客と顔を合わさずに済む専用エレベーターのある通路に案内された。
 余りにも高そうなホテルで、発情でグラグラしながらも、後で金がちゃんと払えるか心配になる。
 俺なんか元彼女とも、イベントの時以外は新宿あたりの安いラブホテルしか入ったことないってのに……遊び相手にこの待遇って……ほんと住む世界が違う。
 薄暗い暖色の照明の灯る狭い空間の扉が閉まった途端、強い力で抱き寄せられて荒々しく唇を奪われた。
 キスなんてして貰えるなんて思ってなかったから、身体中の血流が全部おかしくなって、心臓も壊れそうで、もうそれだけで欲情し過ぎて死ぬかと思った。
 必死に彼の腕にすがり付いて、泣きそうになりながら昂ぶる身体を擦り付けて、舌を絡め返して、全身で訴えた。
 欲しい、欲しい、犬塚さんが欲しいよ、もう待てない。
 何度も何度も諦めようとしたのに、駄目だったんだ俺。
 ごめんな、こんなこと、本当にごめん……。
「……ッン、……ぅふ……っ」
 窒息しそうなくらい喉の奥まで舌で犯されて、その感触が記憶の底から蘇る。
 初めてキスしてくれた時、そんだけでイクくらい気持ち良くて、凄く嬉しくて堪らなかった……。
 あの時からもう、俺の身体はこの人の事が欲しくて堪らなかったんだ。
「はぁっ、濡れちゃう……から……キスは……やばい……っ……」
 立ってられなくて、ズルズル壁に背中擦りながら崩れ落ちる。
「もう濡らしてるの? 前? 後ろ……?」
 聞かれながら、脇の下に腕入れて子供みたいに支えて持ち上げられて、口の端からよだれ溢れてるのを舌で舐め取られた。
「両方……」
 すがるみたいに犬塚さんの綺麗な目を見上げる。
「淫乱だね、湊……」
「……っ、ァ……」
 耳元であの時みたいに名前で呼ばれて、それだけで軽くイッてしまった。
 瞬く間に下着の中がグチョグチョになって、何が何だか、頭が真っ白になる。
 キスされたり名前で呼ばれたり、なんで、どうしてこんな恋人みたいなことしてくれんのか、……嬉しくて苦しくて訳がわからない。
 エレベーターが止まると、殆ど抱かれるみたいにして箱を降りて、目の前にある扉がカードキーで開く。
 真っ暗な部屋に入って、その部屋の広さとか、向こうに見えてる夜景の見事さとかーーそんなのに感動してる暇は、一切与えられなかった。
 噛み付くみたいにキスしながら、閉じたドアに押し付けられてジャケットの襟をはたくみたいに乱暴に脱がされる。
 反転した服で腕の自由が利かなくなり、もどかしくて自分でもそれを床に抜き捨てる。
 結び目に指入れて自分でネクタイを解く間に、犬塚さんがボタン二、三個飛んじゃいそうな勢いでシャツを剥いてくれて、興奮で益々息が上がった。
 俺のこと欲しがってくれてるように感じられて、錯覚でも泣きそうに嬉しい。
「はぁっ、ぁっ……っ」
 エッチな期待で呼吸困難になりながらシャツを落として下着の裾を捲る。
 その上で、犬塚さんが形のいい唇で俺の耳に触れてきて、自分のとは思えない甘い声が喉から溢れた。
「……んふぁ……! 犬塚さぁん……っ」
 チュクチュクいやらしい音立てながら長い舌で穴を奥まで舐められたり耳朶を強めに吸われて、泣き声みたいな喘ぎが漏れる。
「あー……っ、はァ……っ、……っ」
 下半身ではベルトがカチャカチャ音立てながら解かれて、下着が張り付いて気持ち悪い程になってる下半身を露わにされた。
「凄い匂い……そんなに欲しいんだ……?」
 囁かれて、恥ずかしさに死にたくなる。
 俺だって好きでこんな事になってる訳じゃねぇんだよ。
 けど、今すぐにこの強い欲望を満たしたくて堪らない本能が俺を素直に頷かせる。
「欲しいよ、……犬塚さんのでっかいので……早くメチャクチャにされたい……っ」
 ズボンを脱ぎ落とし、インナーも頭を通して捨てて、下着に靴下と靴、みたいな間抜けな格好で犬塚さんの首筋に抱きつく。
 逞しい両腕が俺の尻をぐんと持ち上げた。
 子供を抱っこするみたいにされて頭が天井に近くなる。
 犬塚さんはそのままベッドに向かって歩きながら、俺の裸の胸の上でキュンとしこった乳首を舌で舐め始めた。
「ァッ、はぁア……っ、それっ、……やば、」
 不意打ちの激しい性感にずり落ちそうになりながら、広くて大きなダブルベッドのすぐ横まで連れて行かれる。
 おっ、男同士なのにダブルの部屋を取ってくれたのか……っ。
 それを見たら急に恥ずかしくなって理性が戻り、俺は胸から引き剥がすみたいに犬塚さんの金髪を掴んだ。
「な、なぁ、待って、その、シャワーとか……っ?」
「湊のお尻から出てるやらしい匂い、もっと嗅ぎたいからダメだよ……」
 破廉恥な理由で断られて、ずくんっと下半身が疼いた。
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