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仮交際始めました
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「!?」
ーー不意打ちもいいとこで、何が起きたのか一瞬分かんなかった。
エッと驚いた間抜けな顔になってたせいで口もだらしなく開いてて、すぐに濡れた熱い舌が俺の中に入り込んで来る。
「ン……、うぅ……っ」
磨りガラスのドアに後ろ頭と背中を押し付けられながら、喉奥まで熱くぬめった塊を挿入されて、俺の舌が掬い取られて激しく絡まされる。
男とキスするのなんて初めてだけど、なんかこれ、それ以前に、か、感触が、人間じゃねぇ……っ。
舌の厚みは人間の男なのに、ヤバイほどヌルヌルで擦られるとざらつく。それが俺の口の中の敏感な部分を全部擦ってきて、感じるのを我慢できない。
抑制剤と自制心で、意識的にも無意識にも頑張って閉じてた感覚が無理矢理こじ開けられてく。犬みたいな激しくて、エロい舌使いで。
「ンン……っ、ンッ……!」
鼻から喘ぎが抜ける。
ロッカーすいてたけど、こんなアヤしい声出したら誰が来るかわかんねぇのに……。
ダメなのに気持ち良くて頭がぼんやりして何も考えられなくなる。
もっと……もっと擦ってくれ……もっと奥、中まで入ってイイよ、犬塚さん……。
気がついたら俺は太い首筋にすがるように腕を回し、うっとりとしながら自分からも舌を差し出していた。
鋭い犬歯が舌先に二つ触れて、それが堪らなく可愛くて何度も舐め回して啄ばんだ。
そしたら、犬塚さんがその歯で俺の下唇フニフニ甘噛みしてきて、痺れるくらいに感じて。
腰がガクガク震えて両脚に力が入らなくなると、股間に太腿入れて支えられて、更に貪られた。
はあっ、もう、無理……。
婚活とか産むとか産まないとかもう何もかもどうでもいい、キスだけじゃなくて……犬塚さんと、もっと、気持ちイイことがしてぇよ……今すぐに、ここで。
舌を絡めて互いの唾液を求め合って、頭がバカになりそうな幸福感で腹の奥がギュンと痺れて熱くて、逞しい太腿に乗り上げた俺の玉と竿が腰と一緒にビクビク跳ねる。
身体が濡れてるからバレねぇだろうけど、キスだけで前も後ろも恥ずかしい程トロトロに濡れてる。
女の子とキスしててこんなになったこと、一度もねぇのに……ほんとにヤバい……。
犬塚さんの凶悪に大きなモノもとんでもないことになってるけど、何故かさっきみたいな恐怖心がぜんぜん湧かない。
むしろ、俺でそんな風になってくれてるのが嬉しくて堪らなくて、身体中ゾクゾクする。
濡れて貼り付いた髪の間から出てる垂れ耳も、がっついてくる舌も歯も、腕も脚も胸も腹も、でっかいチンチンも、ぜんぶ全部堪らなく可愛い……、今だけでも俺の物になったらいいのに。
「ン、ふ、……ンンッ、んうゥ……っ」
尻を揉まれるみてぇに腰を優しく抱かれて更に理性がぶっちぎれて、角度変えて激しく口付けを繰り返しながら、ヌルヌルのドロドロになった尻の狭間とペニスを太腿に押し付ける。
もう絶対これバレてる、なのにむしろ自分から腰揺すって誘うみたいに擦っちまうの止められない。
ちんぽだけじゃなくて、太腿の当たってる変なトコが気持ち良くて、夢の中の感触より数倍クる。クチの中犬舌で擦られるのだけでも感じすぎて神経焼き切れそうなのに……。
こんなの教えられたらもう俺、普通のキスじゃ何も感じなくなっちまう……っ。
「ンンンン~~ッ!」
目尻から涙が溢れて、抑え切れない悲鳴みたいな呻きと共に、下腹がキュンキュンするのが止められず、俺は派手にイッてしまった。
ドロッとした白濁が溢れ出て、犬塚さんの腹に飛ぶ。
やば、俺、キスだけでーー。
我にかえりかけた瞬間、俺の耳に微かな人の話し声が飛び込んできた。
「なぁ、なんかこのシャワー室におわねぇ……?」
「そうかぁ? 誰かが漏らした匂い?」
「ちげーよ。なんかムラムラするような甘い匂いだよ。ほら、しねぇ?」
ギョッとして犬塚さんから唇をもぎ離す。
ハアハアと激しく胸を上下して呼吸しながら、彼の首筋に絡めていた腕をずるっと下ろし、扉に張り付くように身体を引いた。
犬塚さんも多少は理性が戻ったのか、でっかい手のひらで真っ赤になった顔抑えてたけど、隠すべきはフルボッキしてる下の方だろうよ……。
曲がりなりにも一回出したお陰か、俺の方はツッこめるぐらいは理性が戻ってきて、少し扉を開けて出る隙を伺った。
水音が聞こえ始め、どうやらさっきのやつらは、五基あるシャワーブースのうち手前二つに入ったらしい事が分かる。
そんでもう一回犬塚さんの方に向き直ると、ほんと可哀想なぐらい「やっちまった」って感じのショックを受けた顔してた。ごめんそれ、半分……いやそれ以上に、多分俺のせいだ。
きっと朝飲んだ抑制剤の効果が切れてたんだよ。
まだ効果ある時間帯の筈なんだけど……。
「い、犬塚さん、また、後で……」
かろうじてそれだけ言うと、彼はコクコクと頷いた。
ヨロっとしながら一番奥のブースを出て、元いた隣のシャワー室に飛び込んで全身に湯を浴び直す。
出たらすぐ薬飲まねぇと……。
相手が隣にいるとはいえ一応一人になり、心底ホッとして、次の瞬間青ざめた。
こんな公共の場所でフルに発情したら、俺逮捕されるとこじゃねぇか。
頭ン中でオメガのやらかした事件が新聞の三面記事になってたのを思い出す。
『警視庁丸の内警察署は今日、商業施設内で知人男性を相手に発情しわいせつな行為を行ったとして、大学職員鳩羽湊(33)を公然わいせつ罪で略式起訴』ーーそんな記事が出たらお袋の心臓が止まっちまうじゃねーか。
改めて自分が恐ろしくなった。
俺、本当に犬塚さんとこのまま会い続けてていいのか?
いつかとんでもねぇ事になっちまいそうで、怖い……。
ーー不意打ちもいいとこで、何が起きたのか一瞬分かんなかった。
エッと驚いた間抜けな顔になってたせいで口もだらしなく開いてて、すぐに濡れた熱い舌が俺の中に入り込んで来る。
「ン……、うぅ……っ」
磨りガラスのドアに後ろ頭と背中を押し付けられながら、喉奥まで熱くぬめった塊を挿入されて、俺の舌が掬い取られて激しく絡まされる。
男とキスするのなんて初めてだけど、なんかこれ、それ以前に、か、感触が、人間じゃねぇ……っ。
舌の厚みは人間の男なのに、ヤバイほどヌルヌルで擦られるとざらつく。それが俺の口の中の敏感な部分を全部擦ってきて、感じるのを我慢できない。
抑制剤と自制心で、意識的にも無意識にも頑張って閉じてた感覚が無理矢理こじ開けられてく。犬みたいな激しくて、エロい舌使いで。
「ンン……っ、ンッ……!」
鼻から喘ぎが抜ける。
ロッカーすいてたけど、こんなアヤしい声出したら誰が来るかわかんねぇのに……。
ダメなのに気持ち良くて頭がぼんやりして何も考えられなくなる。
もっと……もっと擦ってくれ……もっと奥、中まで入ってイイよ、犬塚さん……。
気がついたら俺は太い首筋にすがるように腕を回し、うっとりとしながら自分からも舌を差し出していた。
鋭い犬歯が舌先に二つ触れて、それが堪らなく可愛くて何度も舐め回して啄ばんだ。
そしたら、犬塚さんがその歯で俺の下唇フニフニ甘噛みしてきて、痺れるくらいに感じて。
腰がガクガク震えて両脚に力が入らなくなると、股間に太腿入れて支えられて、更に貪られた。
はあっ、もう、無理……。
婚活とか産むとか産まないとかもう何もかもどうでもいい、キスだけじゃなくて……犬塚さんと、もっと、気持ちイイことがしてぇよ……今すぐに、ここで。
舌を絡めて互いの唾液を求め合って、頭がバカになりそうな幸福感で腹の奥がギュンと痺れて熱くて、逞しい太腿に乗り上げた俺の玉と竿が腰と一緒にビクビク跳ねる。
身体が濡れてるからバレねぇだろうけど、キスだけで前も後ろも恥ずかしい程トロトロに濡れてる。
女の子とキスしててこんなになったこと、一度もねぇのに……ほんとにヤバい……。
犬塚さんの凶悪に大きなモノもとんでもないことになってるけど、何故かさっきみたいな恐怖心がぜんぜん湧かない。
むしろ、俺でそんな風になってくれてるのが嬉しくて堪らなくて、身体中ゾクゾクする。
濡れて貼り付いた髪の間から出てる垂れ耳も、がっついてくる舌も歯も、腕も脚も胸も腹も、でっかいチンチンも、ぜんぶ全部堪らなく可愛い……、今だけでも俺の物になったらいいのに。
「ン、ふ、……ンンッ、んうゥ……っ」
尻を揉まれるみてぇに腰を優しく抱かれて更に理性がぶっちぎれて、角度変えて激しく口付けを繰り返しながら、ヌルヌルのドロドロになった尻の狭間とペニスを太腿に押し付ける。
もう絶対これバレてる、なのにむしろ自分から腰揺すって誘うみたいに擦っちまうの止められない。
ちんぽだけじゃなくて、太腿の当たってる変なトコが気持ち良くて、夢の中の感触より数倍クる。クチの中犬舌で擦られるのだけでも感じすぎて神経焼き切れそうなのに……。
こんなの教えられたらもう俺、普通のキスじゃ何も感じなくなっちまう……っ。
「ンンンン~~ッ!」
目尻から涙が溢れて、抑え切れない悲鳴みたいな呻きと共に、下腹がキュンキュンするのが止められず、俺は派手にイッてしまった。
ドロッとした白濁が溢れ出て、犬塚さんの腹に飛ぶ。
やば、俺、キスだけでーー。
我にかえりかけた瞬間、俺の耳に微かな人の話し声が飛び込んできた。
「なぁ、なんかこのシャワー室におわねぇ……?」
「そうかぁ? 誰かが漏らした匂い?」
「ちげーよ。なんかムラムラするような甘い匂いだよ。ほら、しねぇ?」
ギョッとして犬塚さんから唇をもぎ離す。
ハアハアと激しく胸を上下して呼吸しながら、彼の首筋に絡めていた腕をずるっと下ろし、扉に張り付くように身体を引いた。
犬塚さんも多少は理性が戻ったのか、でっかい手のひらで真っ赤になった顔抑えてたけど、隠すべきはフルボッキしてる下の方だろうよ……。
曲がりなりにも一回出したお陰か、俺の方はツッこめるぐらいは理性が戻ってきて、少し扉を開けて出る隙を伺った。
水音が聞こえ始め、どうやらさっきのやつらは、五基あるシャワーブースのうち手前二つに入ったらしい事が分かる。
そんでもう一回犬塚さんの方に向き直ると、ほんと可哀想なぐらい「やっちまった」って感じのショックを受けた顔してた。ごめんそれ、半分……いやそれ以上に、多分俺のせいだ。
きっと朝飲んだ抑制剤の効果が切れてたんだよ。
まだ効果ある時間帯の筈なんだけど……。
「い、犬塚さん、また、後で……」
かろうじてそれだけ言うと、彼はコクコクと頷いた。
ヨロっとしながら一番奥のブースを出て、元いた隣のシャワー室に飛び込んで全身に湯を浴び直す。
出たらすぐ薬飲まねぇと……。
相手が隣にいるとはいえ一応一人になり、心底ホッとして、次の瞬間青ざめた。
こんな公共の場所でフルに発情したら、俺逮捕されるとこじゃねぇか。
頭ン中でオメガのやらかした事件が新聞の三面記事になってたのを思い出す。
『警視庁丸の内警察署は今日、商業施設内で知人男性を相手に発情しわいせつな行為を行ったとして、大学職員鳩羽湊(33)を公然わいせつ罪で略式起訴』ーーそんな記事が出たらお袋の心臓が止まっちまうじゃねーか。
改めて自分が恐ろしくなった。
俺、本当に犬塚さんとこのまま会い続けてていいのか?
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