主神の祝福

かすがみずほ@11/15コミカライズ開始

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ヴィクトル・シェンクの受難

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 ヴィクトルの愛撫が疎かになった隙を突いて、少しだけ余裕を取り戻した神が両手で褐色の肌を辿ってゆく。
 指先が尻から腰にかけてを擽り、脇腹を撫で、最後には乳首を捕らえて、優しく撫で弾いた。
 愛撫に飢えた突起はすぐに硬くなり、ヴィクトルの丸めた背中がビクビクとバアルの上で跳ねる。
「んぐ……っ」
 太い雄の先端を頬張ったまま喘ぎ声を耐えると、尻の中でバアルの舌が徐々に伸びて、より奥深くをグチュグチュと舐り始めた。
「……っ!」
 慌ててペニスを口から外し、背後を振り向いて抗議する。
「おまっ、人間の形保てと……っ」
「ちゃんと保っている。少しぐらい舌が長い人間だっているだろう?」
 何故か目の前のペニスから声が聞こえてきた。
「馬鹿野郎、人間がそんなとこで喋るか……っ、はあっ……っ!」
 ズプッ、ズプッと後孔を抉られながら二つの乳首を強く引っ張られ、まだ触れられていない性器が疼いて仕方がない。
「……っ」
 苛立って、乳首に触れている手を無理やり外させ、膝で踏みつける。
「にっ、人間の身体そのまんまだぞ、そこは!」
「ルールを違反した罰だ」
 冷たく言い放ちながら、ヴィクトルは一つ意地悪を思いついた。
 上体を上げ、バアルの顔を尻で、手を膝で踏んだまま自分のペニスに指を絡める。
「……っ、お前はそのままそこ舐めとけ……っ」
 言い含め、勃起したバアルの「本体」に見せつけるように艶めかしく髪を掻き揚げ、尻を揺らしながら自分のペニスをしごき立て始めた。
「んんっ、んんん……」
 舌しか使えなくなってしまった哀れな男は、必死に言葉にならない抗議を上げながらヴィクトルの中をえぐっている。
「はは……いいざまだぜ、アミュ……、ン……っ」
 キュウ、と舌を括約筋で締め付けながらペニスを擦る指を早めると、溢れた先走りが神の首筋へ垂れた。
 濡れた部分のバアルの肌が青く発光し、すかさず注意する。
「ダメだ……飲むのは許さねぇ……、っ」
 男が自分の体液を欲しがって悶える愉悦に浸りながら、キュ……っとひときわ強く舌を絞り上げ、ヴィクトルは精液を放った。
「ウッ、は……あっ」
 尿道を無理やり吸われずに出すのは久々の感覚だったが、思ったほどの快楽はない。
 ただ、神の胸や腹に精液を撒き散らしてやることで溜飲は下がり、ふーっと大きく甘い溜息が漏れた。
 バアルの情けない顔が見たくなり、敷いていた頭から尻を上げる。
 ちゅぽんと力なく舌が抜ける感触とともに、脚を上げて身体の向きを変えた。
 バアルの腰のあたりに座りなおし、いきり立ったペニスにわざと尻の狭間を擦り付けてやりながら相手の顔を見下ろす。
 見れば、横たわったバアルは子供が泣きじゃくった後のような酷い表情をしていた。
 ぷっと吹き出して、思わず声を掛ける。
「なんて顔してんだ、お前……」
 この上なくいい気分で顔を近づけ、涙で濡れて赤くなった目元に口付けてやった。
 拗ねたように目を逸らされ、それが可愛くて仕方がなくなり、フワフワの長い白髪を指で掻き混ぜる。
「我慢した褒美だ。もう手ぐらいは使っていいぜ……」
 言いながら、ヴィクトルは少し尻を浮かせ、緩んだ後孔をバアルの太いペニスの上に落とした。
「……っ……」
 接吻するように濡れた窄まりを亀頭に押しつける。
 バアルがヒクンと雄を震わせ、整った眉を顰めながらこちらを見た。
 その表情に主導権を握った優越感を感じながら、腰を落としてズブズブと太い雄を呑み込み始める。
(くそ、久々過ぎてキツい……)
 苦しさと、粘膜の擦れる甘い疼きに眉を寄せ、唇を噛んだ。
 長い髪を乱したバアルが魅入られたように上体を起こす。
 繋がりかけたままの体勢で、逞しい両腕がヴィクトルの震える腰に回った。
 そのまま尻肉を掴むように引き寄せられて、ズブンと深く一気に中を貫かれる。
「……っあぁ……っ!」
 肉壺を無理やりに開かれて、筋肉が淫らに痙攣しながら怒張に馴染んでゆく。
「おい、俺が動くんだからお前は大人しくして……っ、んァ……っ!」
 抵抗の言葉もむなしく、ヴィクトルの体はベッドの上に膝立ちになったバアルに抱え上げられていた。
 いつもとは違い、熱い体温がぴったりと重なって、心地よさを覚えそうになってはっとする。
「はァっ、離、せ……っ」
 かろうじて抵抗するが、体が強く揺すぶられ、ズプズプと水音をたてて小刻みに奥を犯される。
 神は膝で歩くようにベッドの端に進み、ヴィクトルの背を天蓋を支える銅で出来た柱に押しつけた。
「はぁっ、痛ぇ……っ」
 背後の柱は大人の男の腕ほどの太さで、冷たく硬い。
 抗議の声を上げると、バアルの手がヴィクトルの体を離した。
「……っ!」
 落ちる、と思ったのに、何故か体が落下しなかった。
 下半身もバアルのペニスをしっかり飲み込んでいる。
 さては触手を使ったかと相手の体を見回したが、どこを眺めてもすべすべとした白い肌と、隆起した完璧な筋肉に覆われた肉体しか見当たらない。
「なん……で」
 脚をいっぱいに開いたまま中途半端に宙に浮いている状態に混乱し、ヴィクトルは後ろを振り向いた。
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