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騎竜訓練
騎竜訓練の始まり
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翌朝、まだ日も昇らないうちにイドリスは城の召使に叩き起こされた。
まだベッドの中にいる内に、帝国風の柔らかなパンやら、よく分からない甘い練り物やらが朝食として供され、しかも寝台の上で食べることを強要される。
それを仕方なく食べている間に、何人もの召使が次々と部屋をせわしなく出入りし始めた。
挙句の果てに何の冗談か、香の入った湯を張った浴槽までもが部屋の中に運び込まれてくる。
服を脱がされることには激しく抵抗があったが、否応なくシャツもズボンも下着も、全て身ぐるみ剥がされた。
「……」
花の香りの湯船に所在なく座らされたまま、下腹の腹筋の上に浮かんだ淫紋を嫌でも自分で見ることになり、改めて現実の厳しさを思い知った。
こんな醜悪なものを身体に施され、未だに正気を保っていられていることだけが唯一の救いだ。
それにしても不思議なのは、召使達が最低限の言葉以外何一つ喋ろうとしないことだった。
まるで機械のように淡々と仕事をこなすだけで、目も合わない。
この怪しい印をじっくり見られずに済むのは有難いものの、自分が王城にいた時の召使は、もう少し人間らしさというものがあったような気がする。
敵国の人間なので憎まれているのかとも思ったが、そういう訳では無いようだった。
されるがままだった風呂を出ると、水分と汗とりの為、簡易な絹の入浴衣を着せられ、今度は大きな鏡の前の椅子に座らされる。
鋏と櫛を持った男性の召使が現れて、注文もしていないのに髪が整えられた。
鏡の中の、まるでよそ行きのような自分を見ると、なんとも言えない居心地の悪さである。
イドリスが苦虫を噛み潰したような顔をしていると、理容師の背後にある、目隠し用に立てられた衝立の向こうから華奢な人影が現れた。
「お召し物をお持ちいたしました」
子供らしい高いその声に聞き覚えがある。
現れたのは、少年用の黒い軍服を纏ったそばかす顔の金髪の少年、マヤルだった。
「マヤル。――お前もここにいたのか」
思わず声をかけると、マヤルは罰が悪そうにすぐ、衝立の向こうに隠れてしまった。
「まさか本物の王子様とは存ぜず……申し訳ありません……」
一瞬きょとんとしてから、イドリスは朗らかに笑った。
「――今はもう、俺は王子ですらない。あの時と同じに接してくれて構わん」
「……ほんとに? えへへ……」
マヤルは相変わらずの調子で、悪戯っぽい笑みを浮かべてそばに来た。
やっと人間らしい人間に会えて、地獄で救いを得たような気分になる。
マヤルもまた同じ気持ちなのか、彼は嬉しそうにイドリスに話しかけてきた。
「イドリス様って、帝国の皇族の方々とは全然違うんですねえ。僕、ラファト殿下に言われて、イドリス様の従者になることになったんです。どうぞ、よろしくお願いします」
一応従者らしく、丁寧に深々と頭を下げるが、その口の端には朝食の食べ残しがついていた。
「ふっ」
思わず笑いが溢れてしまう。
「お前も、普通の従者とはつくづく一味違うようだな」
「そうかなぁ。……いや、そうですかね?」
首を傾げるマヤルを、イドリスは好ましく思った。
もしも弟と仲良く過ごせていたら、このような感じだったのだろうか。
そう考えると、少し切なくもある。
――完全に身なりを整えられ、最後にマヤルから渡された服は、立襟と折り返し袖のついた、帝国兵の黒い軍服だった。
袖を通すのには抵抗があったが、いつまでも裸でいる訳にも行かない。
せめてマヤル以外の人間を下がらせ、自分で着替えることにした。
一緒に置かれた下着は、尻側が完全に紐状になった妙に露出度の高い帝国風のものだ。
それを嫌々身に付け、軍服にも自分で袖を通す。
しつらえられた大鏡の前に立ち、少しやつれた自分の顔を見た。
乾くにつれ、もつれる巻毛の黒髪。
長く濃い眉の下の、日に焼けた肌に紫の暗い瞳。
頑固に引き結ばれた薄い唇。
肩幅は広く、胸板も厚い方だ。
二の腕などは、体格相応のこの軍服でもきついほど太い。
――何をどんな風に見れば、この男を妃にするなどという発想が起きるのか、やはり理解ができなかった。
カフスボタンを留めていると、マヤルがキラキラした空色の瞳でこちらを見つめてくる。
「なんだ」
尋ねると、彼は真底羨ましそうにため息をついた。
「その軍服、帝国の竜騎兵の制服なんです。ほら、胸に竜の紋章があるでしょう? 僕たちみんなの憧れの服なんですよ。いいなぁ」
「……そうか。では、この服に恥じぬよう、気をつけねばならないな……」
本当は嫌で仕方がなかった気持ちが、少年の憧れの眼差しで、少しだけ和らぐ。
すると突然、無遠慮に扉が開けられ、衝立の向こうに人の気配がした。
「支度はできたか。竜舎に向かう時間だぞ」
マヤルが逃げるように、大鏡の裏に隠れる。
声の居丈高な口調と、高貴な帝国語の発音だけで、イドリスは誰が来たのかを察した。
「もう出来ている」
努めて冷静に答えると、ラファト皇子が衝立の陰から背後に現れる。
彼は素晴らしく均整の取れた身体に、竜騎兵の軍服と同じ意匠だが、赤を基調に銀の唐草の刺繍を施した華やかな士官服を纏っていた。
白金の髪の根本は形のいい頭に沿って細かく編みこまれ、首から下は緋色のリボンを巻き込んで優雅に結ばれている。
眩しいばかりの美貌も加わり、その姿には妖しいほどの魅力があったが、イドリスは彼とは目も合わさなかった。
逆にラファトはうっとりとした目つきで、大鏡越しにイドリスの頭から爪先までを眺め回してくる。
「――ああ、なんと美しいのだ……お前の愛らしい巻毛にはその服の方が絶対に似合う」
うっとりとした口調で言いながら、後ろから近づいてきて異常に顔を寄せてくる相手を、イドリスはピシャリと手の甲で跳ね除けた。
「近い」
――ただの道具以下のように扱う癖に、この馴れ馴れしい態度には身震いしてしまう。
だが、邪険にされても、ラファトは全く気にする様子もなかった。
「……おまえが夜毎私を求めて懊悩するようになる時が、ますます楽しみだ。――さあ、竜舎に行くぞ」
まだベッドの中にいる内に、帝国風の柔らかなパンやら、よく分からない甘い練り物やらが朝食として供され、しかも寝台の上で食べることを強要される。
それを仕方なく食べている間に、何人もの召使が次々と部屋をせわしなく出入りし始めた。
挙句の果てに何の冗談か、香の入った湯を張った浴槽までもが部屋の中に運び込まれてくる。
服を脱がされることには激しく抵抗があったが、否応なくシャツもズボンも下着も、全て身ぐるみ剥がされた。
「……」
花の香りの湯船に所在なく座らされたまま、下腹の腹筋の上に浮かんだ淫紋を嫌でも自分で見ることになり、改めて現実の厳しさを思い知った。
こんな醜悪なものを身体に施され、未だに正気を保っていられていることだけが唯一の救いだ。
それにしても不思議なのは、召使達が最低限の言葉以外何一つ喋ろうとしないことだった。
まるで機械のように淡々と仕事をこなすだけで、目も合わない。
この怪しい印をじっくり見られずに済むのは有難いものの、自分が王城にいた時の召使は、もう少し人間らしさというものがあったような気がする。
敵国の人間なので憎まれているのかとも思ったが、そういう訳では無いようだった。
されるがままだった風呂を出ると、水分と汗とりの為、簡易な絹の入浴衣を着せられ、今度は大きな鏡の前の椅子に座らされる。
鋏と櫛を持った男性の召使が現れて、注文もしていないのに髪が整えられた。
鏡の中の、まるでよそ行きのような自分を見ると、なんとも言えない居心地の悪さである。
イドリスが苦虫を噛み潰したような顔をしていると、理容師の背後にある、目隠し用に立てられた衝立の向こうから華奢な人影が現れた。
「お召し物をお持ちいたしました」
子供らしい高いその声に聞き覚えがある。
現れたのは、少年用の黒い軍服を纏ったそばかす顔の金髪の少年、マヤルだった。
「マヤル。――お前もここにいたのか」
思わず声をかけると、マヤルは罰が悪そうにすぐ、衝立の向こうに隠れてしまった。
「まさか本物の王子様とは存ぜず……申し訳ありません……」
一瞬きょとんとしてから、イドリスは朗らかに笑った。
「――今はもう、俺は王子ですらない。あの時と同じに接してくれて構わん」
「……ほんとに? えへへ……」
マヤルは相変わらずの調子で、悪戯っぽい笑みを浮かべてそばに来た。
やっと人間らしい人間に会えて、地獄で救いを得たような気分になる。
マヤルもまた同じ気持ちなのか、彼は嬉しそうにイドリスに話しかけてきた。
「イドリス様って、帝国の皇族の方々とは全然違うんですねえ。僕、ラファト殿下に言われて、イドリス様の従者になることになったんです。どうぞ、よろしくお願いします」
一応従者らしく、丁寧に深々と頭を下げるが、その口の端には朝食の食べ残しがついていた。
「ふっ」
思わず笑いが溢れてしまう。
「お前も、普通の従者とはつくづく一味違うようだな」
「そうかなぁ。……いや、そうですかね?」
首を傾げるマヤルを、イドリスは好ましく思った。
もしも弟と仲良く過ごせていたら、このような感じだったのだろうか。
そう考えると、少し切なくもある。
――完全に身なりを整えられ、最後にマヤルから渡された服は、立襟と折り返し袖のついた、帝国兵の黒い軍服だった。
袖を通すのには抵抗があったが、いつまでも裸でいる訳にも行かない。
せめてマヤル以外の人間を下がらせ、自分で着替えることにした。
一緒に置かれた下着は、尻側が完全に紐状になった妙に露出度の高い帝国風のものだ。
それを嫌々身に付け、軍服にも自分で袖を通す。
しつらえられた大鏡の前に立ち、少しやつれた自分の顔を見た。
乾くにつれ、もつれる巻毛の黒髪。
長く濃い眉の下の、日に焼けた肌に紫の暗い瞳。
頑固に引き結ばれた薄い唇。
肩幅は広く、胸板も厚い方だ。
二の腕などは、体格相応のこの軍服でもきついほど太い。
――何をどんな風に見れば、この男を妃にするなどという発想が起きるのか、やはり理解ができなかった。
カフスボタンを留めていると、マヤルがキラキラした空色の瞳でこちらを見つめてくる。
「なんだ」
尋ねると、彼は真底羨ましそうにため息をついた。
「その軍服、帝国の竜騎兵の制服なんです。ほら、胸に竜の紋章があるでしょう? 僕たちみんなの憧れの服なんですよ。いいなぁ」
「……そうか。では、この服に恥じぬよう、気をつけねばならないな……」
本当は嫌で仕方がなかった気持ちが、少年の憧れの眼差しで、少しだけ和らぐ。
すると突然、無遠慮に扉が開けられ、衝立の向こうに人の気配がした。
「支度はできたか。竜舎に向かう時間だぞ」
マヤルが逃げるように、大鏡の裏に隠れる。
声の居丈高な口調と、高貴な帝国語の発音だけで、イドリスは誰が来たのかを察した。
「もう出来ている」
努めて冷静に答えると、ラファト皇子が衝立の陰から背後に現れる。
彼は素晴らしく均整の取れた身体に、竜騎兵の軍服と同じ意匠だが、赤を基調に銀の唐草の刺繍を施した華やかな士官服を纏っていた。
白金の髪の根本は形のいい頭に沿って細かく編みこまれ、首から下は緋色のリボンを巻き込んで優雅に結ばれている。
眩しいばかりの美貌も加わり、その姿には妖しいほどの魅力があったが、イドリスは彼とは目も合わさなかった。
逆にラファトはうっとりとした目つきで、大鏡越しにイドリスの頭から爪先までを眺め回してくる。
「――ああ、なんと美しいのだ……お前の愛らしい巻毛にはその服の方が絶対に似合う」
うっとりとした口調で言いながら、後ろから近づいてきて異常に顔を寄せてくる相手を、イドリスはピシャリと手の甲で跳ね除けた。
「近い」
――ただの道具以下のように扱う癖に、この馴れ馴れしい態度には身震いしてしまう。
だが、邪険にされても、ラファトは全く気にする様子もなかった。
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