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番外ー新婚編
そしてまた、いつもの日
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それにしても今、何時だろう……。
布団の中に入ったまま、視線を巡らせる。
すると、被ってる羽布団が、妙に大きく盛り上がっていた。
布団の中に、何かいる……⁉︎
ビックリした途端、強すぎる刺激が俺の乳首を擦り上げた。
「ヒッ!」
夢だと思ったのに、夢じゃない……!
びっくりして、ガバッと布団をめくる。
薄闇の中で、透き通るような青い瞳が、光をギラっと反射する。
完全にでっかい虎になった青磁が、俺の身体を四つ足で跨ぎ、胸元から下に覆い被さるように立っている。
長い長いピンクの舌が、下顎の二本の牙の間から伸びてきて、俺の胸を舐めていた。
「ちょっと、何して……ンんっ……ッ」
ザリザリ音を立てながら、突起のびっしりついた薄くて大きな舌が乳首を責めたてる。
「青磁……っ」
横にズレてほぼ落ち掛けていた羽布団が、重力に引きずられてズルリと床に落ちた。
暗い部屋の中でも目に眩しい、神々しい獣の姿が露わになる。
熱い息遣いが俺の胸に当たり、舌は優しく乳首を舐め続けた。
俺はビクビク震えるほど感じているのに、虎にとっては、そういう目的じゃないみたいに、静かに、穏やかに。
「はぁ……っ、んぁ……」
舌に弄ばれている突起は、妊娠してる間にすっかり大きく、色が濃くなってしまっている。
ザラザラの舌先でクリクリされると、それだけで切ない疼きが下腹に駆け抜けた。
「ぁウッ、はぁぁ……っ、」
――夢なんかよりもずっと生々しい、他人の手で性感を煽られる、久々の感覚。
カチカチにペニスが勃起して、亀頭も尻の間もトロトロに濡れていく。
下の方も舐めて欲しいのに、虎が舐めてくるのはあくまでも俺の胸だけだ。
脇の下に前足を置いて、熱い息を吹きかけながら……。
「せ、いじぃ……っ、下、下も舐めて……お願いだから……っ」
もじもじ太腿を擦り合わせて、泣きながら懇願しても、聞いてもらえない。
真っ赤に張り詰めた乳首を唾液まみれにされて、焦らすみたいに前後左右に倒される。
「あっふ、あァ~~……っ」
乳首の芯がじわっと痺れて、勝手に尻の奥がビクビク痙攣し始めた。
「あっ、これっ、ダメだ、……イッ、イッてるぅ……っ、乳首だけでっ、イッく……っ」
腰がギュンと宙に上がったまま、射精を伴わない絶頂に襲われる。
頭が真っ白になって、クラクラしながら、俺は自分の身体の上に覆いかぶさる虎に抱きついた。
「ヒッ、ぅ……乳首ばっかり、いやだぁ……っ」
腕の中で、徐々に青磁の姿が変わっていく。
腕と脚のある、人の姿に近い……だけど、被毛と虎の頭を持った、獣面人身の姿に。
「……」
もう喋れるはずなのに、青磁は言葉を話そうとしない。
「何……なんで……?」
泣きそうになりながら聞くと、肉球のついた指が、俺の乳首を乳輪ごと優しく摘んだ。
「ン……!」
イッたばかりで敏感になっているそこから、白いものがじわっと溢れ出す。
「うわ……っ」
完全に止まってたのに、出てる……。
ちゃんと寝たからか。
それとも、青磁が舐めてくれたから……?
俺は感じまくってただけだけど……。
薄くて大きな舌がこぼれた液体を舐めとって、反対側も、指で揉まれる。
「はァンっ、アッ、もっ、やめっ」
強すぎる刺激から逃げるように、ベッドの上で悶えながら身体の向きを横に変えた。
青磁が腕の支えを外し、俺の背中側を取るようにベッドの隣に寝転ぶ。
そのまま脇の下から腕を入れられ、フサフサの胸毛を背中に感じながら、ギューっと抱き締められた。
「あ……」
あったかい……。安心する……。
トロンとしていると、首の後ろのつがいの痕をペロペロと舐められた。
柔らかい肉球で二つの乳首をキュムキュムと揉み続けられながら、お尻にたぎりきった硬い肉棒を押し付けられる。
その感触だけで堪らなくて、甘いため息が唇から溢れた。
「ふ、ぅ……ッ」
穴から尻の狭間に伝い落ちる体液を擦り付けるように、尻を突き出してそれをクチュクチュ撫でると、トゲトゲの刺激がそこをくすぐる。
「……ァア……、青磁、これ……、これ欲しい……、ちんぽでナカ、擦られたいぃ……」
夢の続きを見てる気分が抜けなくて、恥ずかしい願望がダダ漏れに口からこぼれる。
「……そんなすぐに入れたら、普通に裂けんだろ……」
後ろから、青磁が曲げた片脚を俺の膝に引っ掛け、開くようにねじ込んでくる。
太腿が限界まで開き、濡れそぼった場所が一層、ペニスの熱と密着した。
「く、ぅ……っ」
気持ち、いい……。
このまま入れられるのかと期待したけれど、それはなかった。
ヒクヒク欲しがるそこを亀頭でぬるく愛撫されながら、獣人特有の毛と肉球に覆われた指が、俺のグチョグチョのペニスを優しく撫で回してくる。
「ハァ……ン……ッ、ンン……ッ」
「岬……。気持ちいいか……?」
優しい甘い声で聞かれて、コクッ、コクッと何度も頷いた。
「そうか。……」
そのまま、耳の穴を優しく舐められながら、もどかしいほどゆっくり、トロトロの竿を扱かれて、玉を揉まれて……。
なんで……。
何で、いつもみたいに意地悪なこと、言わないんだよ。
どうしてこんな、優しくするんだ……。
ずっと、マイペースだったくせに。
初めて出会った時から……高校で再会した時からも、ずっと、俺のこと、振り回してばかりだったくせに。
でも、心の底はすごく優しくて……。
今の青磁の指は、俺の快楽ばかりを拾おうとする。
五本の指先がバラバラに動いて、俺のちんぽを焦らし、可愛がり、……天国に連れて行こうとする。
青磁のちんぽだって、先走りでズブズブになって、俺の中に入りたがってるのに。
「あ!」
びゅ、と精液が漏れ出てしまった後も、それを指に絡めて、中指一本だけ……慎重に、俺のお尻の穴の中を浅く探ってくる。
「ン、ん、ぅ……っ」
爪を全部指のスリットにしまったまま、ゆっくり、こわごわ、傷付けないように。
その指先は、次第に中を優しく掻き分けて、やっと俺の欲しいところにきてくれた。
どんなに間が空いても、そこ、覚えてくれていたんだ……。
「アッ、あう……、そこ、ンっ、そこ好き……っ」
中が強く締まって、グジュ、と水音が立つ。
そこ、好き。好きだけど、指じゃなくて……。
――青磁のトゲの付いたアレで、何度も、乱暴に擦って欲しいのに。
奥まで……強く……。
涙が出てきた。
「青磁……っ、もう俺の身体っ、大丈夫だから……、だから……っ」
振り向いて、必死に懇願すると、唇に舌が入ってきた。
「あ、……んン……」
目を閉じて獣のキスを受け入れながら、自分でも手を伸ばして指先で青磁のちんぽをスリスリと撫でる。
極太に充血し切ったそれを捕まえて、先端を穴にしっかりと押し当て、どちらのものとも分からない涎を唇からこぼしながら、俺は囁いた。
「お願いです……このまま奥まで来て、いやらしい俺を可愛がって下さい……ご主人様……」
「……っ⁉︎」
青磁の下半身が、ふいを突かれたみたいにビクンと跳ねて、はずみで亀頭のきっさきが、ぷっくり充血した俺のアナルのひだの間に押し込まれる。
「ウんん……!」
「クソ、いきなり冗談がキツい……っ、ただでさえお前の身体、クッソエロくなってんのによ……っ」
悪態をつきながらも、もはや止まれないのか、青磁の長いペニスがどんどん俺の中に入ってくる。
ゾワゾワッとお尻の中を擦る、トゲの感覚を、ウットリと半眼になりながら堪能した。
あぁ、これ、こんなに良かったっけ……?
二、三回出し入れされただけで、すぐナカでイッてしまいそうな甘美な刺激……。
感度、前より上がってる気がする……。
「これ、ぇ……。好き……ぃ……、青磁……。青磁、好き、もっと……根本まで、早くぅ……」
久々のセックスで、愛情がダダ漏れになって止まらない俺の身体に、強く抱き締める青磁の腕が強く食い込む。
「……親になった癖に、あいっ変わらず淫乱だな、岬……っ」
ズプンと奥まで突き込まれてのけぞり、濡れた歓喜の悲鳴が喉から漏れる。
「いっ……!」
二、三回どころか、奥を拡げられた瞬間にキュウウンと子宮が収縮して、そこがいやらしい痙攣を始めた。
「んあ……イってる……いま……動かな……」
震えながら頼んだのに、青磁がもう止まれないとばかり、激しく腰をグラインドさせる。
「あ! あァ! ンァあっ! 俺、もぉイ、ってるのに、またぁ……っ」
激しいお尻への突き込みと同時に、それとは裏腹な、ペニスへの撫で回すような優しい愛撫。
前が焦らされてるばかりに、後ろに性感が集まって、ずっとオメガの気持ち良さが終わってくれない。
「あーっ……、トゲ……お尻っ、お尻もうだめ……っ、ダメになってるぅ……っ」
「ふ……何回もナカでイキまくって、何がダメなんだか……。岬……、さっきのまた言えよ……」
荒い息遣いの下で、青磁が笑みを含んだ声で俺を弄ぶ。
「さ、っきの……?」
「ご主人様、ってやつ……」
朦朧としながら、俺は頷き、青磁のを締め付けながら、夢の続きの台詞を口にした。
「ご主人様……っ、俺、……頑張るから……今日だけでいいから、中にいっぱい、ごほうび出して……っ」
全部言い終わらない内に、俺のお尻の奥、子宮口のあたりにドロドロの精液の放出が始まっていた。
「あっ……あっ……、も、出て……!」
乳首をコリコリとマッサージされながら、俺の方もまた欲情が高まり、青磁の形を腹の奥に刻むように貪欲に締め付けていく。
「ナカ、気持ち、い……」
トゲで中を擦るように、うねうねと淫らにお尻を揺らし、青磁の吐精を受け止める。
「はぁぁ……っ、イイ……」
きゅん、きゅんとお尻が勝手に締まって……病みつきになる、その久々の感触に酔いながら、俺は本能のまま、イき果てた。
――昼頃。
航に連れられ、蒼は無事に、俺たちの家に帰ってきた。
早速家の中が散らかり、騒がしくなったけど、心からホッとした。
それは青磁も同じみたいで、帰ってきた途端に蒼を膝の上に乗せ、猫可愛がりし始めた。
あんまり愛情がないのかも、なんて思ってしまったのは、結局俺の誤解だったわけだ。
「悪かった……。また孕ませて、復学、遅らせちまうかも……」
ソファの上で蒼を抱いたままぼやく青磁の隣で、俺はふっと微笑んだ。
「産んだ後、発情期がまだ来てないから、妊娠はしないと思う」
俺の言葉に、青磁がギョッとしたような顔をした。
「お前、アレで発情してんじゃねぇのか……?」
今度は俺が驚く番だった。
「いや、全然……? そうだな、ずっと素面でヤるのとか、珍しいよな」
「嘘だろ……素面であの言動かよ。大体、お前、産んでからフェロモン濃くなってるんじゃねえのか。一緒の部屋で冷静にレポート打つのとか、かなりきつい」
「はぁ……?」
フェロモン、全然出てないと思ってたのに、まさかの逆……⁉︎
それならそれと、何で言ってくれないんだよ。
俺のことよく放って外に出かけてたのは――。
「お前、そんなアホみたいな理由で、よく一晩帰ってこなかったりとかしてたのか⁉︎」
俺がキレると、青磁も意地悪く睨み返してくる。
「アホみたいな理由とはなんだよ。このフェロモン過多のドスケベ犬」
「何⁉︎」
意味のわからない罵倒をされて不愉快になり、青磁に詰め寄った。
「ドスケベ犬って。今朝、俺の中で何十回も中出ししといて、よく言うなお前!」
「しょうがねえだろ。他で発散しようもねえし、溜まってたんだよ」
すると突然、
「フーッ」
蒼が、俺の味方とばかり、青磁の指に噛み付いて加勢し始めた。
「いてぇ!」
噛まれたまま不貞腐れる青磁の虎顔が、その下にある、小さな蒼のキリっとした威嚇顔とあんまりにも似ていて。
「ふふっ」
思わず笑いが込み上げて、それ以上言い合いが続けていられなくなった。
「くっ。ははは」
青磁もつられるように笑ってから、俺に向かって手を伸ばす。
「……ミー君。ほら、怒ってないで、抱っこされに来いよ」
あえて犬の時のあだ名で呼ばれて、また反発しそうになったけど、意図がわかるから、素直に身体を寄せる。
蒼と一緒に抱きしめられながら、俺は、しばし、青磁の気楽な飼い犬の気分になった。
――お返しに、今夜は、俺が虎になった青磁を洗ってあげるのも、悪くないかもしれないな。
なんてことを、考えつつ。
飼育員生活は、今日も続いていくのだった。
(終わり)
布団の中に入ったまま、視線を巡らせる。
すると、被ってる羽布団が、妙に大きく盛り上がっていた。
布団の中に、何かいる……⁉︎
ビックリした途端、強すぎる刺激が俺の乳首を擦り上げた。
「ヒッ!」
夢だと思ったのに、夢じゃない……!
びっくりして、ガバッと布団をめくる。
薄闇の中で、透き通るような青い瞳が、光をギラっと反射する。
完全にでっかい虎になった青磁が、俺の身体を四つ足で跨ぎ、胸元から下に覆い被さるように立っている。
長い長いピンクの舌が、下顎の二本の牙の間から伸びてきて、俺の胸を舐めていた。
「ちょっと、何して……ンんっ……ッ」
ザリザリ音を立てながら、突起のびっしりついた薄くて大きな舌が乳首を責めたてる。
「青磁……っ」
横にズレてほぼ落ち掛けていた羽布団が、重力に引きずられてズルリと床に落ちた。
暗い部屋の中でも目に眩しい、神々しい獣の姿が露わになる。
熱い息遣いが俺の胸に当たり、舌は優しく乳首を舐め続けた。
俺はビクビク震えるほど感じているのに、虎にとっては、そういう目的じゃないみたいに、静かに、穏やかに。
「はぁ……っ、んぁ……」
舌に弄ばれている突起は、妊娠してる間にすっかり大きく、色が濃くなってしまっている。
ザラザラの舌先でクリクリされると、それだけで切ない疼きが下腹に駆け抜けた。
「ぁウッ、はぁぁ……っ、」
――夢なんかよりもずっと生々しい、他人の手で性感を煽られる、久々の感覚。
カチカチにペニスが勃起して、亀頭も尻の間もトロトロに濡れていく。
下の方も舐めて欲しいのに、虎が舐めてくるのはあくまでも俺の胸だけだ。
脇の下に前足を置いて、熱い息を吹きかけながら……。
「せ、いじぃ……っ、下、下も舐めて……お願いだから……っ」
もじもじ太腿を擦り合わせて、泣きながら懇願しても、聞いてもらえない。
真っ赤に張り詰めた乳首を唾液まみれにされて、焦らすみたいに前後左右に倒される。
「あっふ、あァ~~……っ」
乳首の芯がじわっと痺れて、勝手に尻の奥がビクビク痙攣し始めた。
「あっ、これっ、ダメだ、……イッ、イッてるぅ……っ、乳首だけでっ、イッく……っ」
腰がギュンと宙に上がったまま、射精を伴わない絶頂に襲われる。
頭が真っ白になって、クラクラしながら、俺は自分の身体の上に覆いかぶさる虎に抱きついた。
「ヒッ、ぅ……乳首ばっかり、いやだぁ……っ」
腕の中で、徐々に青磁の姿が変わっていく。
腕と脚のある、人の姿に近い……だけど、被毛と虎の頭を持った、獣面人身の姿に。
「……」
もう喋れるはずなのに、青磁は言葉を話そうとしない。
「何……なんで……?」
泣きそうになりながら聞くと、肉球のついた指が、俺の乳首を乳輪ごと優しく摘んだ。
「ン……!」
イッたばかりで敏感になっているそこから、白いものがじわっと溢れ出す。
「うわ……っ」
完全に止まってたのに、出てる……。
ちゃんと寝たからか。
それとも、青磁が舐めてくれたから……?
俺は感じまくってただけだけど……。
薄くて大きな舌がこぼれた液体を舐めとって、反対側も、指で揉まれる。
「はァンっ、アッ、もっ、やめっ」
強すぎる刺激から逃げるように、ベッドの上で悶えながら身体の向きを横に変えた。
青磁が腕の支えを外し、俺の背中側を取るようにベッドの隣に寝転ぶ。
そのまま脇の下から腕を入れられ、フサフサの胸毛を背中に感じながら、ギューっと抱き締められた。
「あ……」
あったかい……。安心する……。
トロンとしていると、首の後ろのつがいの痕をペロペロと舐められた。
柔らかい肉球で二つの乳首をキュムキュムと揉み続けられながら、お尻にたぎりきった硬い肉棒を押し付けられる。
その感触だけで堪らなくて、甘いため息が唇から溢れた。
「ふ、ぅ……ッ」
穴から尻の狭間に伝い落ちる体液を擦り付けるように、尻を突き出してそれをクチュクチュ撫でると、トゲトゲの刺激がそこをくすぐる。
「……ァア……、青磁、これ……、これ欲しい……、ちんぽでナカ、擦られたいぃ……」
夢の続きを見てる気分が抜けなくて、恥ずかしい願望がダダ漏れに口からこぼれる。
「……そんなすぐに入れたら、普通に裂けんだろ……」
後ろから、青磁が曲げた片脚を俺の膝に引っ掛け、開くようにねじ込んでくる。
太腿が限界まで開き、濡れそぼった場所が一層、ペニスの熱と密着した。
「く、ぅ……っ」
気持ち、いい……。
このまま入れられるのかと期待したけれど、それはなかった。
ヒクヒク欲しがるそこを亀頭でぬるく愛撫されながら、獣人特有の毛と肉球に覆われた指が、俺のグチョグチョのペニスを優しく撫で回してくる。
「ハァ……ン……ッ、ンン……ッ」
「岬……。気持ちいいか……?」
優しい甘い声で聞かれて、コクッ、コクッと何度も頷いた。
「そうか。……」
そのまま、耳の穴を優しく舐められながら、もどかしいほどゆっくり、トロトロの竿を扱かれて、玉を揉まれて……。
なんで……。
何で、いつもみたいに意地悪なこと、言わないんだよ。
どうしてこんな、優しくするんだ……。
ずっと、マイペースだったくせに。
初めて出会った時から……高校で再会した時からも、ずっと、俺のこと、振り回してばかりだったくせに。
でも、心の底はすごく優しくて……。
今の青磁の指は、俺の快楽ばかりを拾おうとする。
五本の指先がバラバラに動いて、俺のちんぽを焦らし、可愛がり、……天国に連れて行こうとする。
青磁のちんぽだって、先走りでズブズブになって、俺の中に入りたがってるのに。
「あ!」
びゅ、と精液が漏れ出てしまった後も、それを指に絡めて、中指一本だけ……慎重に、俺のお尻の穴の中を浅く探ってくる。
「ン、ん、ぅ……っ」
爪を全部指のスリットにしまったまま、ゆっくり、こわごわ、傷付けないように。
その指先は、次第に中を優しく掻き分けて、やっと俺の欲しいところにきてくれた。
どんなに間が空いても、そこ、覚えてくれていたんだ……。
「アッ、あう……、そこ、ンっ、そこ好き……っ」
中が強く締まって、グジュ、と水音が立つ。
そこ、好き。好きだけど、指じゃなくて……。
――青磁のトゲの付いたアレで、何度も、乱暴に擦って欲しいのに。
奥まで……強く……。
涙が出てきた。
「青磁……っ、もう俺の身体っ、大丈夫だから……、だから……っ」
振り向いて、必死に懇願すると、唇に舌が入ってきた。
「あ、……んン……」
目を閉じて獣のキスを受け入れながら、自分でも手を伸ばして指先で青磁のちんぽをスリスリと撫でる。
極太に充血し切ったそれを捕まえて、先端を穴にしっかりと押し当て、どちらのものとも分からない涎を唇からこぼしながら、俺は囁いた。
「お願いです……このまま奥まで来て、いやらしい俺を可愛がって下さい……ご主人様……」
「……っ⁉︎」
青磁の下半身が、ふいを突かれたみたいにビクンと跳ねて、はずみで亀頭のきっさきが、ぷっくり充血した俺のアナルのひだの間に押し込まれる。
「ウんん……!」
「クソ、いきなり冗談がキツい……っ、ただでさえお前の身体、クッソエロくなってんのによ……っ」
悪態をつきながらも、もはや止まれないのか、青磁の長いペニスがどんどん俺の中に入ってくる。
ゾワゾワッとお尻の中を擦る、トゲの感覚を、ウットリと半眼になりながら堪能した。
あぁ、これ、こんなに良かったっけ……?
二、三回出し入れされただけで、すぐナカでイッてしまいそうな甘美な刺激……。
感度、前より上がってる気がする……。
「これ、ぇ……。好き……ぃ……、青磁……。青磁、好き、もっと……根本まで、早くぅ……」
久々のセックスで、愛情がダダ漏れになって止まらない俺の身体に、強く抱き締める青磁の腕が強く食い込む。
「……親になった癖に、あいっ変わらず淫乱だな、岬……っ」
ズプンと奥まで突き込まれてのけぞり、濡れた歓喜の悲鳴が喉から漏れる。
「いっ……!」
二、三回どころか、奥を拡げられた瞬間にキュウウンと子宮が収縮して、そこがいやらしい痙攣を始めた。
「んあ……イってる……いま……動かな……」
震えながら頼んだのに、青磁がもう止まれないとばかり、激しく腰をグラインドさせる。
「あ! あァ! ンァあっ! 俺、もぉイ、ってるのに、またぁ……っ」
激しいお尻への突き込みと同時に、それとは裏腹な、ペニスへの撫で回すような優しい愛撫。
前が焦らされてるばかりに、後ろに性感が集まって、ずっとオメガの気持ち良さが終わってくれない。
「あーっ……、トゲ……お尻っ、お尻もうだめ……っ、ダメになってるぅ……っ」
「ふ……何回もナカでイキまくって、何がダメなんだか……。岬……、さっきのまた言えよ……」
荒い息遣いの下で、青磁が笑みを含んだ声で俺を弄ぶ。
「さ、っきの……?」
「ご主人様、ってやつ……」
朦朧としながら、俺は頷き、青磁のを締め付けながら、夢の続きの台詞を口にした。
「ご主人様……っ、俺、……頑張るから……今日だけでいいから、中にいっぱい、ごほうび出して……っ」
全部言い終わらない内に、俺のお尻の奥、子宮口のあたりにドロドロの精液の放出が始まっていた。
「あっ……あっ……、も、出て……!」
乳首をコリコリとマッサージされながら、俺の方もまた欲情が高まり、青磁の形を腹の奥に刻むように貪欲に締め付けていく。
「ナカ、気持ち、い……」
トゲで中を擦るように、うねうねと淫らにお尻を揺らし、青磁の吐精を受け止める。
「はぁぁ……っ、イイ……」
きゅん、きゅんとお尻が勝手に締まって……病みつきになる、その久々の感触に酔いながら、俺は本能のまま、イき果てた。
――昼頃。
航に連れられ、蒼は無事に、俺たちの家に帰ってきた。
早速家の中が散らかり、騒がしくなったけど、心からホッとした。
それは青磁も同じみたいで、帰ってきた途端に蒼を膝の上に乗せ、猫可愛がりし始めた。
あんまり愛情がないのかも、なんて思ってしまったのは、結局俺の誤解だったわけだ。
「悪かった……。また孕ませて、復学、遅らせちまうかも……」
ソファの上で蒼を抱いたままぼやく青磁の隣で、俺はふっと微笑んだ。
「産んだ後、発情期がまだ来てないから、妊娠はしないと思う」
俺の言葉に、青磁がギョッとしたような顔をした。
「お前、アレで発情してんじゃねぇのか……?」
今度は俺が驚く番だった。
「いや、全然……? そうだな、ずっと素面でヤるのとか、珍しいよな」
「嘘だろ……素面であの言動かよ。大体、お前、産んでからフェロモン濃くなってるんじゃねえのか。一緒の部屋で冷静にレポート打つのとか、かなりきつい」
「はぁ……?」
フェロモン、全然出てないと思ってたのに、まさかの逆……⁉︎
それならそれと、何で言ってくれないんだよ。
俺のことよく放って外に出かけてたのは――。
「お前、そんなアホみたいな理由で、よく一晩帰ってこなかったりとかしてたのか⁉︎」
俺がキレると、青磁も意地悪く睨み返してくる。
「アホみたいな理由とはなんだよ。このフェロモン過多のドスケベ犬」
「何⁉︎」
意味のわからない罵倒をされて不愉快になり、青磁に詰め寄った。
「ドスケベ犬って。今朝、俺の中で何十回も中出ししといて、よく言うなお前!」
「しょうがねえだろ。他で発散しようもねえし、溜まってたんだよ」
すると突然、
「フーッ」
蒼が、俺の味方とばかり、青磁の指に噛み付いて加勢し始めた。
「いてぇ!」
噛まれたまま不貞腐れる青磁の虎顔が、その下にある、小さな蒼のキリっとした威嚇顔とあんまりにも似ていて。
「ふふっ」
思わず笑いが込み上げて、それ以上言い合いが続けていられなくなった。
「くっ。ははは」
青磁もつられるように笑ってから、俺に向かって手を伸ばす。
「……ミー君。ほら、怒ってないで、抱っこされに来いよ」
あえて犬の時のあだ名で呼ばれて、また反発しそうになったけど、意図がわかるから、素直に身体を寄せる。
蒼と一緒に抱きしめられながら、俺は、しばし、青磁の気楽な飼い犬の気分になった。
――お返しに、今夜は、俺が虎になった青磁を洗ってあげるのも、悪くないかもしれないな。
なんてことを、考えつつ。
飼育員生活は、今日も続いていくのだった。
(終わり)
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そんな麻衣の熱意に打たれ、響也は自分の屋敷へ彼を婚約者として迎えることに決めた。
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一つ屋根の下に住んでいながら、響也に会うことすらままならないのだ。
ワーカホリックの響也は、これまで婚約した令嬢たちとは、妊娠しやすいタイミングでしか会わないような男だった。
子どもを授からなかったら、別れる運命にある響也と麻衣に、波乱万丈な一年間の幕が上がる。
二人の間に果たして、赤ちゃんはやって来るのか……。
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?
壊れた番の直し方
おはぎのあんこ
BL
Ωである栗栖灯(くりす あかり)は訳もわからず、山の中の邸宅の檻に入れられ、複数のαと性行為をする。
顔に火傷をしたΩの男の指示のままに……
やがて、灯は真実を知る。
火傷のΩの男の正体は、2年前に死んだはずの元番だったのだ。
番が解消されたのは響一郎が死んだからではなく、Ωの体に変わっていたからだった。
ある理由でαからΩになった元番の男、上天神響一郎(かみてんじん きょういちろう)と灯は暮らし始める。
しかし、2年前とは色々なことが違っている。
そのため、灯と険悪な雰囲気になることも…
それでも、2人はαとΩとは違う、2人の関係を深めていく。
発情期のときには、お互いに慰め合う。
灯は響一郎を抱くことで、見たことのない一面を知る。
日本にいれば、2人は敵対者に追われる運命…
2人は安住の地を探す。
☆前半はホラー風味、中盤〜後半は壊れた番である2人の関係修復メインの地味な話になります。
注意点
①序盤、主人公が元番ではないαたちとセックスします。元番の男も、別の女とセックスします
②レイプ、近親相姦の描写があります
③リバ描写があります
④独自解釈ありのオメガバースです。薬でα→Ωの性転換ができる世界観です。
表紙のイラストは、なと様(@tatatatawawawaw)に描いていただきました。
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ねこすけ様
わーーわざわざこちらからご感想ありがとうございます…!
ムーンは読者の方に18歳以下と思われる方がいらっしゃるのでは…?と思われるきっかけが何度かあり、接触間口を最小限に絞ってしまいました💦
見つけてくださって嬉しいです!
同人誌もお買い上げ頂いて感謝です…!そんなに愛読して頂けるなんて出して良かった…!
そして続編も楽しんで頂けて嬉しいです……更新の為に文章見直しながら「ほんと自分が楽しいばっかりなアホな話書いたな〜」と思ってたんですが、一緒に楽しんでくださる方の存在が本当に心強いです💕
完結まであともう少しですが、どうぞこれからもよろしくお願いします❣️
呪いなんてわたしが、、、、、!!!
本当に私が読んできたBLの中でこの作品が1番面白くて毎日何回も更新チェックしてしますレベルなんです、、!
もしかしたら二重になってしまわれたのかもですが、ありがとうございます( ´∀`*)うれしいー!
呪い、、、、打ち勝ってください!!笑
私本当にこの作品毎日何回も更新されてるか確認するくらい好きなんです!!!
一番応援してます!!
ありがとうございます( ´∀` )!!!
応援うれしいです!!